登山者情報385号

【1998年12月20日/蒜場山/吉田 明弘(豊栄山岳会)調査】

本日は、豊栄山岳会の冬山合宿の荷揚げを兼ねて、がんばり登山と称し、飯豊連峰の大日岳より派生する尾根にある。蒜場山(1363m)に行ってきました。以下その報告です。
コースタイム豊栄中央公民館発6:40=加治川治水ダム着7:35発7:50−独標通過8:45−岩岳着9:20発9:35−烏帽子岩着10:00発10:10−山頂着11:35発11:45−1200m地点着12:05発13:00−烏帽子岩通過13:15−岩岳着13:45発13:55−加治川治水ダム着14:45発14:55−月岡温泉美人の泉−豊栄着16:30
まだ薄暗い6時40分、集合場所の豊栄中央公民館前をメンバー7名は3台の車に分乗して一路登山口の加治川治水ダムを目指した。メンバーのうち、佐藤女史は夕方用事があるそうで、一人先に下山するので彼女だけは自分の車になった。心配していた雪も道路上には無く、加治川治水ダムまで車で行く事が出来た。本日の天気図は典型的な西高東低の冬型の気圧配置、昨夜遅く寒冷前線が通過したときは雷が鳴っていた。無理せず行けるところまで行こうとリーダーの本田氏の言葉で歩き出した。
昨夜降った雪がうっすらと積もっているが、先行者がいるためか、登山道上には雪はない。ちなみに会の外山氏が本日先に登っている。彼は夕方用事があるので早めに出かけて単独行動をとっていた。その他にも登山口に2台の車があったので、何人かのパーティーが山に入っているようだ。標高を上げるにつれて雪がだんだん多くなるが、昨夜降った分だけのようで足を取られるような深さのところはなく、順調に中間地点の岩岳に着いた。心配していた天気も思ったほど荒れておらず、雪も降っていない。
ここで藤田女史がウエストポーチを忘れてきた事に気づき、ひょっとして登山口の車の外にあるかもしれないという事なので、急遽下山する事になった。残った6名で途中のピーク烏帽子岩を目指して歩き出した。
この辺りの積雪は10cmくらい。岩岳の先の鞍部にテントが張ってあり、すぐ先に8人のパーティーが歩いていた。すぐに追いつき聞いてみたら、新潟の峡彩ランタン会のメンバーだそうだ。彼らも正月に行う冬山合宿の荷揚げを兼ねての登山だそうだ。我々の冬山合宿は、1月8日から10日までの予定だ。(私は仕事の都合で参加できないが)鞍部に張ってあるテントは、泊まったわけでなく休憩用に張ったようだ。
峡彩ランタン会のパーティーを追い越すと、足跡は当会の外山氏の物だけになった。小さい鎖の付いた岩場を登り烏帽子岩に着いた。風はそれほど強くない、ただ先を見るとガスが先程まで山頂にしかかかっていなかったのが目測で1200m付近まで下がってきている。ここで用事のあるため先に帰らなければならない佐藤女史は下山した。そして、ばて気味の五十嵐氏は山頂をあきらめ途中で我々を待つ事にした。残ったメンバーは4人、今回のリーダーの本田氏と冬山合宿のリーダーの森田氏、それに寺尾氏と私になった。
雪は所々深くもぐるところがあるが、先週降った雪の上に新雪が積もっている状態なのでわかんを付けるほどではない。しかし、所々クラストしているところがあり、慎重に進む。私はスパイク付きの長靴を履いており、キックステップは出来ない代わりに、クラストしているところは足をフラットに置けば難なく通過できた。
標高1200m付近で先行していた外山氏が下りてきた。何とか山頂まで行くたもののこコから先は強い風との事だった。天候次第では途中撤退もやむ無しと考えていたが、ここまで来たら山頂まで行きたい、みなそう思うようになった。
そこからまもなく強風になった。ガスに包まれている上に、地吹雪で視界がだんだん無くなっていった。山伏峰を過ぎ、次のピークを過ぎ、11時35分、山頂に立った。森田氏を除いてみな以前に登った事が有るメンバーなので山頂は間違い無いだろう。確認のため私と本田氏が少し先まで歩いてみたが下りになっている、よってここが山頂に間違い無いとした。高度計も1390mを指している。気温は−6゜C、風速は10mは有るだろう。まつ毛まで凍り付くような寒さだ。視界は10m以下にまでなっている。記念写真をとって早々に下山か開始した。
滑落しないように雪庇に気を付けて慎重に歩を進める。1200m付近のぶな林に入ると風もおさまり、ここで昼食とした。凍えた体に暖かいラーメンがとてもおいしかった。ところが食べているところで雪が降り出した。見る見る積もっていく。しかし、やがて止んだが、あっという間に新雪が積もってしまった。
烏帽子岩を過ぎ、岩岳との鞍部にさしかかった。峡彩ランタン会はテントの中で宴会をしていてた。烏帽子岩で引き返したそうだ。ということはもう3時間近くも宴会をしている。岩岳に着いたら、下山した藤田女史が待っていた。ウエストポーチが車内で無事だったのを確認して、また登ってきたそうだ。それにしても五十嵐氏がいない、藤田女史に確認したら先に下山したという。この辺りで気温は−2゜C、ただし風が無いため山頂よりとても暖かく感じる。
それから一気に下り、途中で五十嵐氏に追いつき、加治川治水ダムに下山したのは14時45分だった。帰途月岡温泉美人の泉で冷えた体を温め、豊栄に着いたのは、16時30分頃だった。