登山者情報386号

【1998年12月23日/祝瓶山/井上邦彦調査】
一年中で一番昼が短い時期である。06:30自宅を出るときにようやく薄明るくなってきた。徳網から先は轍もない。慎重に車を走らせ無事針生平に到着。
長靴を履いて、07:11(405m/0)出発。大石橋は踏み板が一枚になっており滑りやすいのでワイヤーにつかまり慎重に渡る。荒川の澄み切った流れに吸い込まれそうだ。07:27(1,561)祝瓶山分岐到着。07:53(3,148m/600m)、水場分岐であるが標識はない。690m付近から吹き溜まりが出始め、730mから坪足となる。
08:14(770m)尾根が合流する。念のため赤布設置する。08:20、次第に雪が深くなってきたので、ワカンを履く。
08:31(817m/4,933)ピーク頂上、ワカンを履いても膝近くまでのラッセル。09:03〜09:11(925m/6,669)休憩。
09:33〜41(1,040m/7,554)一ノ戸が見えた、膝を越すラッセルとなったので合羽下を履く。ワカンを着けた足を思いっきり上げて上る、荷物が軽いので辛くはない。
標高を上げるにつれ、膝を使ったラッセルになる。旧雪と新雪の層ができており腰より高く足を上げないと足場が崩れる。10:15〜28(1,239m/8,994)一ノ戸到着。岩周辺はガリガリにクラスとしている。ピッケル・登山靴・アイゼンはなし、長靴(スパイクなし・ストック・ワカンであるから進むべきかここから帰るべきか若干悩むが、視界が効いておりクラスとも程ほどと判断、IDDに無線で前進を伝える。
雪庇を踏み抜いたら一巻の終わりである。雪の上に露出している藪を頼りに慎重にルートを選ぶ。次第にウインドクラストが広がる。ワカンの爪はあまり効かず、ストックを使った4本足で何とか登る。雪面を覆う一面の海老ノ尻尾を見ていると、大きな鳥の羽の上を歩いているような錯覚に陥る。
10:48(1,420m/10,485)尾根分岐ピーク、視界がなくなってきた。帰途を考慮し赤布を設置する。鞍部で[ウィンダーinエネルギー]を飲み最後の登高に臨む。
11:03(1,417m/11,251)祝瓶山山頂到着。気温0度、若干の風。僅かなウィスキーと紅茶で乾杯。
11:14山頂発。鞍部で登ってくる単独行者とスライド。分岐ピークから視界が開けてきたのでキックステップで下る。
11:41一ノ戸通過。11:50〜58握り飯を頬張る。12:25〜33(817m/15,332)ピークで食事。大朝日岳が顔をのぞかせた。
760mでワカンを外す。13:06(18,118)分岐通過。13:23(19,671)車に戻る。