登山者情報423号

【1999年08月14〜15日/弥平四郎〜飯豊山/吉田明弘調査】

14日早朝4時に豊栄中央公民館前に集合し、登山口の福島県西会津町の弥平四郎に向けて出発した。天気はあいにくの曇り空、移動途中から雨が降り出した。気象情報によると弱い熱帯低気圧が本州南岸に接近しており大気は不安定とのこと、昼頃より雨の予報だ。
登山口の祓川の駐車場に着いたときは雨は本降りになっていた。登山口に入ってすぐの祓川山荘でトイレタイムをとり、ゆっくりしたペースで歩き出した。一番体力の無い山川さんのペースに合わせるため、サブリーダーの丸山さんのすぐ後ろに山川さんを歩かせた。とにかくゆっくりしたペースだ。
コースはさすがに一番楽なコースといわれるだけあって平均した斜度で高度を上げていく。しかし、30分も歩くと山川さんの足はなかなか進まず小休止を入れなければならなかった。最初の小休止のときに雨が上がったので雨具を脱いだ。しかし、天気は曇り空、かんかんでりより歩きやすいが、天気予報は雨の予報、これから先が心配だ。松平峠の手前で沢水が得られるいい水場があった。
松平峠の読み方が話題になる。私は「しょうへいとうげ」だと思う、「まつだいらとうげ」など偉そうな名前をこの辺りにはつけないだろう。山の地名は猟師の名前などから取ることが多い、よって「しょうへい」が正解だろうと思う。
その松平峠を過ぎると急な登りになる。そして、ガスで視界が無くなってきた。やっとの思いで上ノ越分岐に着く、ここからは少しペースが快調になった。疣岩山には三角点があった。しかし、ガスのため視界はゼロ。止まらずに先へ進んだ。三国岳山頂には三国小屋がある。ここで川入からのコースと合流する。ここで昼食とした。三国岳からは七森、種蒔山と緩くアップダウンを繰り返しながら登っていく。ペースは快調になってきた。種蒔山を越すと切合(きりあわせ)に着く。ここの小屋は連峰中最大の小屋だ。(まもなくオープンする新しい梅花皮(かいらぎ)小屋はここより大きくなるが)小屋の近くに水を引いてあり、そこで水を補給した。草履塚を越えて下った鞍部に姥権現という小さな地蔵がある。一同手を合わせて先へ進んだ。
御秘所の岩場では先へいく丸山さんがひょいひょいと登ってしまい。山川さんがルートが分からず「どっち?」を連発、川澄さんが山川さんをリードして歩くことになった。それからすぐ最後の急登「御前坂」が始まるが、その手前でエネルギー補給、行動食を食べた。御前坂はまた丸山さんは先をどんどん行ってしまった。ゆっくり歩いているのは分かるのだが、山川さんは3〜4歩歩いては立ち止まりといったペースでなかなか進まない。この坂はガレ場の為また「どっち?」を連発、また、川澄さんがリードすることになった。
ただ登るにつれガスはますます濃くなり、強風が吹き出した。泊まる予定の一ノ王子に着いたときは強風がすごくテントを張る場所を本山小屋の前に移動した。その晩は激しい雨風のためテントに水がしみ込み、端で寝ていた私はシュラフごと濡れてしまった。
15日の朝になっても強風は止まなかった。雨は降っていなかったがガスのため視界は見えなかった。そこで私と島さんの支援隊は大日岳行きを諦め、飯豊本山の山頂に行って引き返すことにした。
本隊は縦走のため重装備で歩き出したが、私と島さんは空荷で歩いて飯豊本山山頂に立った。すごい強風だ、記念写真を撮ってすぐに本隊は歩き出した。我々は少し見送った後、本山小屋に引き返した。本山小屋は屋根が壊れているという情報は得ていたが、この日は4人ほど泊まっていた。荷物のパッキングをしなおして下山を開始した。ガレ場の御前坂で少々道をはずしそうになったが、すぐに気づき修正した。御秘所の岩場に着いたときは風はほぼ止んでいた。
切合に泊まったと思われる登山者がつぎからつぎへと登ってくる。中には25名のツアー登山の団体もいた。飯豊山はツアー登山の対象になる山だろうか、ちょっと難易度が上じゃなかろうか。
草履塚の登り返しはきつかった。切合で小休止、水を補給。三国岳でも休んだ。疣岩山の先の分岐からは話の種にと上ノ越経由で下山することにした。この道は刈り払われて年数が浅く、あまり歩かれていないため木の根が多く歩きにくかった。途中ピーク巻岩山は標識が無くどこか分からずに通過してしまった。上ノ越までは結構長く、歩きにくい上に疲労が重なり足がばて気味になってしまっ
た。上ノ越からの下山道は鏡山に行ったときに歩いたことがある。ここまで来ると邪魔な木の根はなく歩きやすくなった。下山するにつれガスが晴出した。やっぱり私は雨男なのか。
祓川の駐車場には正午過ぎに着いた。弥平四郎の旅館では御風呂に入れるところが無く(シャワー可、温泉ではないので仕方ないだろう)温泉を求めて鹿瀬に向かった。赤湯で疲れを癒し、角神湖畔のレストランで昼食を食べた。昼食後眠くなったので、車中で昼寝。豊栄には16時頃帰ってきた。空は青空が広がっていた。飯豊山は雲の中で見えなかった。やっぱり私は雨男だと思った。
【気づいた小屋の状況、道の状況】
本山小屋の状況は、屋根がはがれているのは昨年秋から変わり無いですが、管理人室の扉が壊れていて、かつ管理人室と客室を隔てていた部分も壊れており一階は風雨が入っていました。2階は屋根が壊れていない方は使用に耐えます。
一ノ王子付近晴れていれば何てこと無いのですが、幕営地になっていることもあって登ってきたときガスがかかっていて先が見えないとき方向を見失い勝ちです。昨年夏、暴風雨の中、本山小屋で停滞していたとき、下山を試みた人は一ノ王子まで行けずに引き返しています。
御前坂も下山時に道を見失いやすいです。私たちも事実右へ道をはずしてしまいました。すぐに分かって修正しましたが、赤ペンキが所々ついていますが少ないと感じました。
【タイム】
8月14日 4:13豊栄発=6:10祓川駐車場着6:35発−6:49祓川山荘着7:00発−8:57松平峠着9:00発−10:03上ノ越分岐着10:13発−10:05疣岩山通過−11:05三国岳着12:05発−13:26切合着13:35発−15:40一ノ王子着−16:00本山小屋前着
8月15日 6:05本山小屋前発−6:20飯豊本山−6:35本山小屋着6:46発−7:57切合着8:15発−9:16三国岳着9:30発−10:02疣岩山着10:10発−11:02上ノ越着11:10発−12:06祓川駐車場着=鹿瀬温泉赤湯=16:00豊栄着