登山者情報424号

【1999年08月20〜21日日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】


石転ビノ出合までは全て夏道。石転ビノ出合には、梅花皮沢左岸にほんの僅か雪が残っているだけである。合流地点のすぐ上流で門内沢を飛び石伝いにジャンプして右岸に渡る。続いて石転ビ沢も飛び石伝いにジャンプして右岸に渡る。石転ビ沢の雪渓の様子は、8月下旬の図と同じであるが、石転ビノ出合の通過ルートは、8月中旬の図が良い。

石転ビノ出合から石転ビ沢 北股沢出合の清水から石転ビノ出合

右岸の踏み跡を辿り、一度雪渓の上の進み、再び踏み跡を辿り、右岸の枝沢で休憩を取る。川原を進み、雪渓の上に上がってまもなく、雪渓の左岸側がなくなっている。付近に崩壊中の亀裂もあるので、近寄らないこと。ホン石転ビ沢対岸の枝沢は使用できるが、近づく時に注意すること。北股沢は細くなったがまだ雪渓が残っているので、迷い込まないこと。北股沢出合の清水で休憩する。黒滝は完全に露出している。雪渓の厚さを確認して左岸の踏み跡に降り,巻くように黒滝の上に出る。滝に近い踏み跡は足元が細かいので、大きく巻くルートが良い。黒滝の上で踏み跡は二段に分れる。上のルートは左岸の枝沢に出る。ここから尾根の登山道を登り,途中で左の小沢を越えて草付き(中ノ島)の登山道に出る。下のルートはそのまま本流を登り右の小沢からかろうじてそれと分る踏み跡を辿り、草付きの末端に上がる。私は下のルートを取ったが、他の登山者は上のルートを登っていた。安全度は上のルートが高い。草付き途中左側の水場は使用できる。草付き最上部で枯れた小沢を横切ってから、沢状の登山道を登り、草付きの広場に出る。声がするので見上げると、新しい梅花皮小屋前でOTJが待って いてくれた。雪は登山道にはなく、右手に僅かに見かける程度。最後のジグザグな夏道を詰めると、梅花皮小屋である。

北股沢出合の清水から黒滝 オープンした梅花皮小屋と LFD・UKX

その後、梅花皮小屋の竣工検査が行われ、無事に鍵の引渡しも終了。OTJ・LFDと3人で管理棟に荷物を運び込み、夜は始めての客となった、横倉さん・田村さん・美濃口さん・北村さんと7人で、ささやかなお祝いの宴となった。横倉・田村両氏は、山形県から委託を受けて昆虫の調査に来たとのことであり、昆虫の面白い話が聞けた。
翌日は、梶川尾根を下山。門内小屋は残雪がないため、秋に使う清水を使用しており、23日に管理棟を閉鎖し下山するとのことであった。五郎清水は何時の吹き出るような水量こそないもの、水筒に水を入れている間に手がしびれるような冷たさで、生き返る心地である。湯沢峰で雷がなったと思う間もなく雨が降り出し、ザックカバーを付けて天狗平に下山した。

北股岳山頂から扇ノ地紙 北股岳山頂から御西小屋
滝見場から石転ビ沢

【見かけた花】梅花皮小屋周辺:タカネマツムシソウ(終)・ハクサントリカブト・シシウド・エゾイブキトラノオ・ハクサンフウロ(終)・タカネツリガネニンジン・ミヤマアキノキリンソウ・オンタデ・イイデリンドウ・キク科不明・コゴメグサ・シラネニンジン・イワインチン・エゾオヤマリンソウ   北股岳〜扇ノ地紙:ヤマハハコ・ミヤマアキノキリンソウ(盛)・ハクサントリガブト(盛)・ミヤマアキノキリンソウ(盛)・ウメバチソウ(盛)・キオン・コゴメグサ・オンタデ・エゾオヤマリンドウ・タカネマツムシソウ(終)・クロトウヒレン・エゾシオガマ   扇ノ地紙〜梶川峰:イワショウブ・ミヤマコウゾリナ・エゾオヤマリンドウ・タカネマツムシソウ(終)
【通過時刻】20日:天狗平05:44〜砂防ダム06:07〜梶川出合06:58〜07:22石転ビノ出合07:22〜07:47右岸からの枝沢08:01〜ホン石転ビ沢08:24〜08:53北股沢出合の清水09:03〜09:47梅花皮小屋  21日梅花皮小屋07:01〜07:17北股岳07:27〜08:03門内小屋08:05〜08:21扇ノ地紙08:31〜ケルン08:49〜梶川峰08:55〜09:15五郎清水09:30〜不明〜1020m峰11:17〜11:52天狗平