登山者情報464号

【2000年06月17日/石転ビ沢〜梅花皮小屋〜石転ビ沢/吉田岳調査】

6月17日(土)
どんよりとした曇り空のもと、温身平を09:55出発。10:15うまい水。水筒を忘れてきたので、ここでパンを噛り、小山での水気を一気にがぶがぶ吸収する。10:30石転ビ沢に合流。今回は下りのグリセード用に、140cm位の棒をピッケルの他に持ってきた。これはマタギの人達の真似をしたのだが、彼らはホウノキのしかも少し乾かした物を使うらしいが、自分のは今朝裏山から切ってきたサクラを使ったので、かなり重い。石転ビ沢雪渓は、一週間でまた違う形になっていた。石転ビノ出合からホン石転ビ沢出合迄は右岸から落石・雪土砂崩れ跡が何個所も現れていた。そのためにこの間は右岸に近寄らない方が良い。
ホン石転ビ沢出合から北股沢までは、左岸から落石・雪土砂崩れが起っていたため、この間は左岸に近寄らない方がいいだろう。滑落の危険はやはり北股沢出合から上部である。
今日は2人の滑落トラブルがあった。一人目は他の登山者によって止められる。しかし二人目は、グリセード中にピッケルを離してしまって止まらなくなり、岩にぶつかり、さらにその下のクレバスに落下。幸運にも顔の怪我だけで手足に怪我はなかったため、そのまま自力で下山して行った。いずれも下降時のトラブルである。
13:05梅花皮小屋到着。今日は第三土曜日のためか、先週より宿泊者は少なく20名程度。とりあえず止まっていた水場の水源地を見に行く。水が出なかったのは、ゴミのせいでなくホースが外れていたためであった。続いて水洗トイレの水漏れパイプを修理。しかし一個所はどうしても止まらなかったため、ビニールテープで仮止めをして、とりあえず使えるようにした。しかし管理人のいない間は、まった爆発するといけないため使えないようにしておくこととする。
6月18日(日)
快晴。宿泊者が丸森尾根・梶川尾根・石転ビ沢へとそれぞれ出発した後、掃除等を行い、08:05石転ビ沢下山開始。最初からアイゼンをつけず、クレバスに注意しながら、持ってきた棒でグリセード下山。なるほどやはり安定感がある。要するにピッケルでは短いと言うことである。
そんな中、4人組高齢者グループの一人が滑落。30m程滑って行った所で止まった。怪我はないようだったが、精神的にショックを受けているようだった。アイゼンはつけていたが、スリップの原因は、アイゼンに雪が付いてできる団子のせいであったようだ。この団子はピッケル等できちんと落としてやらなければ、かえって危険である。僕の場合、上りにも下りにもアイゼンを使わなかったが、できるだけキックステップで歩く方が安全と思われる(これは技術力のある方だから言えることであって、キックステップの下降技術は結構難しく、初心者はむしろ危険である:井上)。
途中、15人程と出会ったが、殆どが日帰りの登山客。山菜採り・山スキーヤーであった。09:00左岸の登山道に合流。うまい水で一服し、9:35温身平砂防ダム下に到着した。

以上