登山者情報469号

【2000年06月25日/大日杉〜ヒメサユリ巡り〜御坪/木内茂雄調査】

1.メンバ−:高橋弘之(JM7-ODD)、木内茂雄(JO7-AQL)
2.タイム: 5:50大日杉小屋→6:05ザンゲ坂→6:30長之助清水6:45→7:35滝切合→7:55地蔵岳  8:10→9:02目洗清水→9:43お坪10:00→10:30目洗清水→11:30地蔵岳12:40→13:10 大日杉小屋
3.記録
梅雨時の最中なので、天気悪るければ行くのは止めようと前日決めてあった。4時半の目覚ましで起きた。障子を開けて外を見ると曇っている、気分はのらなかったがODDに電話した。「雨が降っていなければ行こう」となっった。ODDを待つこと30分。車で大日杉小屋に向かう。小屋の前には2,3台の車が有っただけで登山者はいない様だ。身支度をして出発する。
標識がないので初めての登山者はどう行けば良いか戸惑うだろう。いつもの如くODDが前を歩く。湿気が多いせいか直ぐに汗ばむ。数分歩くと大きなブナが倒れていて道を塞いでいた。そこを巻きながら進むとザンゲ坂である。ここには新しい鎖をたらして有るがそんな必要はなさそうだ。ザンゲ坂を登りきった所から緩やかな尾根の登りとなり、ブナの木に取り付けた標識に標高700mと記されている。ユックリと辺り見回しながら行くとブナの大木が続いている。そしてその樹間に普通のツツジが咲いていた。ウラジロヨウラク、イワハゼの花はまだなのか葉が目に入った。
“長之助清水”で朝飯とした。ODD が持って来てくれたオイナリ寿司にパクつく。又歩く。尾根が平らになったな、と思うや少し下りになり直ぐ“滝切合”の標識に着く。ここに来る少し前から右側木の向こうに残雪が見え隠れしていた。途中から赤い普通のツツジに代わり紫がかったミヤマキリシマが咲いていた。それからピンクのイワカガミに混ざり白のイワカガミ咲いていた。(お坪まで随所に白のイワカガミが咲いていた)“地蔵岳”に着く少し前に1,2本お目当てのヒメサユリが咲いていた。地蔵岳の頂上で目に飛び込んで来たのはハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ、エチゴキジムシロ、アマドコロであった。そしてアズマシャクナゲ,ツマトリソウも咲いていた。小休止をして、“お坪”へと下って行く。色々の花が目立ち出した。マイズルソウ、ショウジョウバカマ、ミツバノオウレン、シラネアオイ、イワハゼ、ナナカマド、カタクリ、そして、不思議に思ったのはこんな高い所に見事なウツギが咲いていたことだ。下界では“便所花”と馬鹿にされているが、山の上で咲いているのをユックリ見ればまた格別である。

オオイワカガミ エチゴキジムシロ
アズマシャクナゲ ツマトリソウ
マイズルソウ ミツバオウレン

シラネアオイ イワハゼ(アカモノ)
タニウツギ ハクサンチドリ

5分も下ったろうか登山道は雪の下になっていた。辺りは左斜面の感じで、雪はタップリと有り100m位歩いてまた土の上に立った。“お坪”に行くまでハクサンチドリがズ−ット咲いていた。昨年は7月17日に来たとき盛りだった。今年は早いのだろうか?。そして、“目洗清水”を過ぎた頃、ヒメサユリが蕾から花に変わり目が目映い程のお花畑となった。今年は大雪だったので、花は全体的に遅れるだろうと予測していた。だから、今回は偵察のつもりで登って来たのに驚いた。全くの良い誤算である。そして、まだ蕾のものがかなり有るので、後1週間から10日は最高だろう。感激にしたりつつカメラを取り出し撮ったのは言うまでもない。

ヒメサユリと著者 ヒメユリが延々と続く
ヒメサユリ ヒメサユリ

それからニッコウキスゲの蕾を数本見つけた。そして、五段山コ−ス程ではないがサラサドウタンの大木に花が咲いていた。色々の花に驚かされたが雪にも驚いた。目洗清水辺り道に雪は無かったが左斜面と右のテント場は雪の下であった。そんな眺めをしている時、何と空は明るくなり飯豊本山が顔を出した。早速写真を撮ったのは言うまでもない。

本山(飯豊山)が見えた タムシバ

今回は実についていたなあと実感すること暫し。花は種類が多いものだ。途中大きなタムシバが白い花を満開にしていた。今日タムシバをを何本も見てきたので花が咲くと花びらは犬の耳が垂れている様になってしまいピンとしないものだと初めて知った。お坪までの間で花はこれからのコバイケイソウとかチゴユリ、ニッコウキスゲ等も見かけた。お坪に着いた頃またタイミング良く霧が晴れ本山が見えた。此処にもハクサンチドリが咲いていたし、例年の如くマツムシソウの苗も有った。2回目の食事をしながらノンビリと本山を眺めた。まだまだ残雪は多い、“お沢”にもビッシリと有るのが見える。“切合小屋”近くなると傾斜がきつくなってアイゼンを付けた方が無難だろうと思いながら引き返すことにした。もう1回花を楽しみながら、そして再度写真を撮りながら今来た道を戻った。

矢張りヒメサユリは最高だ。途中、目洗清水で3人の男女パ−テに会った。昨秋行方不明になった人を捜しに来たらしい。地蔵岳の頂上で大休止とした。ODDがビニ−ル袋に雪を入れビ−ルを冷やしてきた。早速これから乾杯となった。次に菊水の一番搾り、そしてウイスキ−の雪水割り、とアルコ−ル類をたしなんだ。ユックリするのも良いものだ。飲みながら周囲を見回すと意外なことを発見するものだ、ナナカマドを何本も見つけた。秋来た時にどうして紅葉に気がつかなかったのだろう?。さて、気分が良くなったところで下山開始した。ODDは衆議院選挙しなければ、ということであまりユックリはしていられない。私は既に不在者投票をしてあるので問題なし。1時間半で大日杉小屋に降りた。米沢から来ていた子連れの人達が広場で素麺を食べていたのでごちそうになる。この点はODDの人徳なのか?図々しい?ところか定かでない。                     完