登山者情報471号

【2000年07月02日/大日杉小屋〜五段山〜地蔵岳〜大日杉小屋/木内茂雄(単独)調査】

・時間 
大日杉小屋4:15→5:00楢の木眺め→5:05傾斜緩やか→5:10本山眺め→6:25五段山6:40→7:15五枚山→御前山7:35→7:55 地蔵山→8:30剣が峰→8:45三国小屋9:00→9:30七森→9:50種蒔山→10:30お坪10:45→11:15目洗清水→12:00地蔵岳12:30 →13:13長之助清水→13:30ザンゲ坂→13:50大日杉
・記録
今日は飯豊山の山開きである。私は前日用事があり参加ができなかったので、単独行でこの行程を計画した。4時頃大日杉小屋前で身支度をしていると、本日の山開きのリ−ダ−である武田氏(JF7IIV)と高橋氏(JM7ODD)の二人にあった。お互い無線で交信しようと確認してから握り飯一個食べ五段山へと出発する。コ−ス概要は、昨年数回記しているので、新たに気づいた点にだけしぼって記録する。
約一時間休まないで頑張ると、傾斜が緩くなる。そして更に五分も行くと、狭い平らな所があり右に本山眺めるのに丁度良い。少し前より朝日を見ることができ空に雲は有るが一日もちそうだ。常に花を楽しみに山に来ているので今回も花中心に記していく。この辺り花はギンリョウソウをたまに見つける位で他に何も無い。五段山手前30分からのサラサドウダン並木の花を期待してきたが、既に散ってしまっていた。1週間遅かった。五段山頂上はまだ雪が融けたばかりの観を呈していた。小さな木はこれから芽をふくといったあんばいである。右側の池に白い塊が数個有ったので雪か?と思つたら、どうもカエルの卵らしい。タムシバが咲いているだけでムラサキヤシオが散りかけていた。周囲、木の陰に残雪がチラホラしている。花は何も無いのかなあと思いながら五枚山近くになってきたらツマトリソウ、マイズルソウ、ショウジョウバカマ、ユキザサ、そしてイワカガミの白も有った。お坪コ−スにはかなりの白イワカガミが有ったが此の界隈は白が豊富だ。それからミツバオウレンと白系統ばかり。今回、もう一つ期待してきたのは此の辺りのチングルマであったが、これも既に遅し散りかけてい た。昨年より二週間早い。そんな状態の中でも雪が多いため2メ−タ−以上もあるシャクナゲは雪に押さえられて葉の先を出しているだけであった。地蔵山まで所々雪の上を歩きながら散歩で、時々ODDと無線交信しながら情報交換する。
地蔵山直ぐ下の“血ノ池”、と“地蔵小屋跡”辺りは雪の中、そして“横峰水場道”標識までの下り一面、雪に埋まっていた。雪が切れた所からシラネアオイ咲いており、“剣ケ峰”の登りになると岩場のそこかしこにヒメサユリ、ミヤマホツツジが咲いていた。岩場に咲くヒメサユリもなかなかのものだ、心深く情熱を秘める乙女の風情を呈している。“お坪”周辺に群生しているヒメサユリも圧巻であるが、岩場に点在するヒメサユリには一味違った爽やかさを感じる。三国小屋ではミヤマキンポウゲ、ウラジラヨウラクを見つけた。小屋で一休みしながら、握り飯が喉を通るように「気付け薬」なるものを一缶飲む。
小屋から種蒔山までの稜線には、点々とヒメサユリが続く中、イワイチョウ、モミジカラマツ、ハクサンチドリ、シナノセンキュウ、ハクサンボウフウ、コバイケイソウ、タニウツギ、ムシカリ、カラマツソウ、それから1週間後には咲くだろうニッコウキスゲ、と花の種類が豊富である。ニッコウキスゲとヒメサユリが同居していることが印象的であった。そして更に気がついたのはサラサドウダンが此処では満開であったことだ。この辺りの景色も捨てたものではない。
種蒔山から切合小屋まで残雪がつながっていた。小屋には行かず、右下の雪渓を一気に下り、お坪への夏道にでた。此処からまたヒメサユリとハクサンチドリの街道となった。先週に比べハクサンチドリは少し色褪せてきていたが、ヒメサユリは、後、数日もつだろう?。
お坪で休憩している飯豊山開きのB班に会いODDに一缶もらい喉を潤した。一服後、私が先に出発する。先週とほぼ変わり無し。目洗清水辺りでは郡山の人達数人が昨秋行方不明になった人を捜索していた。地蔵岳で一服後大日杉小屋へと下った。

ヒメサユリ街道を行く
ひたすらヒメサユリに囲まれて アカモノ(イワハゼ)
ハクハンチドリ