登山者情報507号

【2000年10月28日/倉手山/木内茂雄調査】

 高橋事務局長から倉手山に行こうとの誘いがあり、参加したところ、NHKの撮影山行だった。この模様は11月1日、NHK山形で午前11時40分から50分の間に放映されるとのことであった。

倉手山の紅葉

1.期  日  10月28日
2.メンバ−  NHK取材班、地元長者原、小国山岳会多数
3.記録
数日前から山岳会の
T氏より倉手山の紅葉を見に行こうと誘われていた。あまり詳しく聞いていなかったが、時間が空いたので行くことにした。当日現地に行ってみると、NHK山形の取材で、私はその案内人の一人あると知った。NHKはカメラマンと、可愛い女性一人、案内人大勢はやや年寄り軍団で、総勢10名で登山開始した。登り口辺りは単調な場所で通り過ぎ易いので、小国から此処までを簡単に説明しておく。
小国より国道113号線を新潟方面に進み、10分も行くと県境直前の東芝セラミックスの赤芝発電所を右に見る。そこを右に折れ、極端にグルット後ろに戻る様にして国道の下をくぐる。勿論、国道には飯豊温泉方面と標識がでている。
後は道なりに真っ直ぐ進めば良い。15分んも車で走ると長者原集落に着き、左に越後屋というおみやげ屋及び食堂がある。時間とお金に余裕の有る人はここで“熊ノ手ラ−メン”なるものを食べたら如何かと思う。一説には一杯15万円とか、どうしてそんなに高価か聞くのもまた一興かと......。そこを更に直進して数分走り、右折れすると国民宿舎“梅花皮荘”と標識がある。この梅花皮荘は温泉を引いてきてあり年中人気がある。帰りに汗を流す人も大勢いる。更に5分も直進すると右側に10数台止められる駐車場が有り、車道の左には“倉手山”の標識がある。快調にとばしているとこれらを見落とす。
さて、ようやく登山口に着いた。前方上方には飯豊連峰の“地神北峰”辺りが見えウッスラと白化粧している。天気は良さそうだ。倉手山頂上に着くまで“モッテクレ”と普段信じていない神か仏に祈りながら登り始める。車道から直ぐに急登が続く、道は整備されているが、階段状になっていて、そのステップが少し大きいので大股で高度を稼ぐ。この山は飯豊連峰の前衛峰と言ってよく、標高952mある。背後に“樽口峠”が有り、この峠は車で行け飯豊連峰が一望できる絶景であり、山形県随一の景色と称されていてカメラマンが頻繁に訪れている。ただ残念なのは飯豊本山が見えない事である。ところがこの倉手山は間違いなく飯豊連峰を見渡せることでは群を抜いている。ただ、一時間半から二時間の登りを、自分の足で登る楽しみを持つ者にだけ許される贅沢だろう。
今回の目的である“紅葉”は丁度良いタイミングであった。赤、黄の鮮やかな色は私達全員の目を楽しませてくれる。高度を稼ぐに従い、背後には“扇ノ地紙”そして“西股ノ峰”の向こうには“鉾立峰”“杁差岳”が直ぐ近くに見える様だ。一時間以上も急登を続けると“左から来る尾根の乗越(ノッコシ)”になり前方が開け玉川方面が見下ろせる。右に道をとり少し下って行く、前方には紅葉した倉手山が立ちはだかっている。下りも一時でやがて、登りとなり20分も行った頃に右に道が切ってあり300mもほぼ平らに行くと水場がある。此処を左に真っ直ぐ15分も登ると頂上である。それこそ、目の前がパッと開け飯豊連峰が目に飛び込んでくる。雲は無く、左から本山、駒形山、御西岳そして小屋、烏帽子岳、梅花皮岳、そして鞍部に我ら梅花皮小屋、その下の石転ビ沢には残雪が、それから、北股岳、門内岳、扇ノ地紙、地神山、鉾立峰、杁差岳、と一望である見えないのが大日岳と頼母木岳くらいだ、文句無しの“飯豊連峰大パノラマ”である。
NHK班も取材続行であるが私の方も撮影続行である。T氏がビ−ルを出し、私がお燗のできる酒を出し飲み始めた。T氏曰く“後、誰も持って来ないのか”と、つぶやくと言うか、怒鳴ると言うか一声を発すると、真面目な人が“取材だからいいのかな−?”と言いながらそっと、そして或る程度出てきた。持つべきは山の友なり。記念撮影、昼食などしている間に続々と“紅葉狩り“の登山客が登って来た。いつの間にか頂上は20数名で一杯になった。写真目的の方に一言、此の時間本山方面は逆光になり、右に向くに従い斜光から背光になります。
さて、大休憩も終わり下山開始、一般道は折り返しである。帰路でもまだ登って来る人達とすれ違った。その数は10数名であり、本日の登山客総数は30数名だったろう。意外と人気が有る山だ。山とは、同じ道でも行き、帰りでは景色が違うものだ。来るときに気が付かなかった素晴らしい紅葉を見つけ、感心してカメラに納める。後は鼻歌混じりの紅葉狩り.....。天候に恵まれ無事下山した。
尚、取材されたものの放映は10月31日NHK18:00〜19:00の山形放送で5分くらい放送するそうです。

倉手山の登り 撮影機材を担ぎ上げる
主稜に出る 素敵な紅葉
見事な黄葉 山頂に到着し撮影が始まる
紅葉と新雪の飯豊を撮影する 新雪の飯豊連峰
倉手山々頂にて 天候にも恵まれ、食欲も旺盛
参加者で記念撮影 全員で無事下山しました
以上