登山者情報520号

【2001年04月08日/大境山(1,102m)/吉田岳調査】

快晴。玉川地区より眺めた大境山はなかなか堂々としている。尾根筋こそ茶色の地面が現れているものの、急峻な山肌は大量の残雪に覆われ、かなりアルペンチックでもある。「これはなかなか手強いな」「果たしてスキーは使えるのか」「下手をするとずっとカンジキだな」などと少し不安がよぎる。
中田山崎の酒屋さん向かいの待避所に車を止め、一応店の人にも声を掛けておく。9時40分出発。カンジキでスタートしたがマツトリ沢が雪で埋まっているのが分かり、スキーに切り換えた。こっちの方が安全かつ楽である。夏道通りに沢から左岸の斜面を斜めに登っていく。2年前の夏に来た時の記憶を辿って歩いていくと、所々に赤布が現れてくる。とりあえず道は間違えそうにないが、いつまでこのシール歩きを続けられるのか不安は続く。尾根はやはり地面が出ていたため、南斜面の雪の繋がっている所を斜度や亀裂を確認しながら登っていく。しかし、それらも限界に近づいた所で仕方なく尾根に出た。すると今度は北斜面が何とか歩けそうである。ラッキー!林はナラ帯からブナ帯へと移って行く。標高800mあたりで一本。稜線まではもう少しである。下りの滑降コースを考えながら歩いているが、夏道上のこのコースではトラバースが多く、登り返しもある。つまり危険度高い上に面白くない。これより一つ南の441mの小ピークを通る小峰コースがどうも良さそうに思えた。
稜線に出て小ピークに登ると、山頂が見えてきた。すぐ近くに見えるのだが、ここから結構かかるのである。夏に来た時も幾つもの騙しピークにがっかりさせられた記憶がある。874mの大セド峰を通る稜線コースは、一個所雪庇を越えなければならない上、その下には亀裂も走っている。これは一度谷に下りて北東に繋がる尾根を登って行った方が良さそうだ。しかしせっかくの急斜面、下りはそのまま強引に滑ってくることとしよう。尾根を登りきると後は山頂まで穏やかな道であった。
12時40分山頂着。何とか3時間で登ることができた。しかし結構疲れた。真正面に飯豊連峰の全貌が見渡せる。朝日連峰は少し霞がかかっていた。空は相変わらずの快晴。気温はむしろ暑すぎる位である。昼食、カメラ撮影の後、スキーのシールを外してワックスをかけた。13時20分出発。登りながら考えていたルートを滑る。表面より10〜20cmほどは湿雪になっているため結構重い。足が疲れ息も上がるため、小刻みに止まりながら滑らなければならなかったが、これもまた春スキーらしくて気持ちがいい。途中からやはり一つ南の小峰コースにルートを変えた。予想はピタリ。素晴らしいスキーコースである。ここならばまだ半月位はスキーで滑れそうである。最後のマツトリ沢へ下る急斜面も木々の根元の陥没している所を避けながらスキーで滑って来られた。結局、登りも下りもスキーを脱がずに行って来られた。しかしかなり滑り応えのあるスキーコースでもあった。14時20分、駐車地点に無事到着。