登山者情報530号

【2001年05月06日/滝口〜地蔵岳〜大丸森山〜小丸森山〜滝口/井上邦彦邦彦調査】

河原角集落はまだ雪の中であった。集落奥の橋に鍵が掛けられている。除雪は浅股まで完了している。06:49浅股発、ちょうど目指す滝尾根(仮称)・地蔵岳・大丸森山・小丸森山が見えている。雪の上なのでプラスチックブーツで歩き通すこととした。ミズバショウやイタヤカエデが咲いている。07:03滝沢に架かる橋を渡り、砂防ダムを越える。砂防ダムはスリット工事が終っていた。川の生態に良い結果をもたらすことだろう。07:15黒松沢に架かる鉄橋を渡る。高度計は465m。残雪に埋もれた新緑のブナ林をキックステップで登る。今回は初めてのコースと言うこともあり、アイゼンを持参したが結局は使用しなかった。また藪漕ぎを想定してストックは持ってこなかったので歩きにくい。尾根上に出ると、夏道と雪道が交互に続く。タムシバ・ユキツバキ・イワウチワが咲いている。07:47(720m)地蔵岳が見えた。雪崩の音が響く。今回は終日雪崩の音に囲まれて歩くことになった。08:00(800m)通過。820mより雪上になる。新緑は850mで終わる。08:11(870m)平坦な雪道が続く。08:25〜28、910m峰でJO7AXLと無線が繋がった。現在は烏帽子岳にいるとのこと、これからスキーで石転ビ沢を下山するとのことである。小屋番ご苦労様でした。右手には素晴らしい景観が広がっている。960mに一部夏道がある。08:43、980m峰は平坦なブナ林である。続く鞍部は夏道が出ているが、荒れているので左の雪庇を歩く。08:51から夏道1,040m若干雪道がある。1,080mから右斜面のトラバースに入る。トラバースの途中でピッケルを出す。09:17(1,120m)尾根上に戻る。この部分が横向キである。09:21〜33、1,120m峰で食事、JK7LFDと無線が通じる。蕨野の山焼き中とのことである。09:57〜10:01鍋越山々頂(12,40m)で休憩。降ると夏道になり、鞍部の岩場付近に若干嫌らしい雪が残っている。岩場を過ぎるとまた雪道になる。10:21、13,10m峰通過。鞍部からやや急な登りとなる。1,300mより夏道となるが、藪なので右手斜面にコースを変え、雪上を斜めに登り、10:58(13,80m)滝切合を通過する。ここで始めて登山者の足跡に合流する。11:23〜40(1539m)地蔵岳山頂着、休憩とする。三角点は4畳半位の広場が露出している。JM7ODDと無線が通じる。雪が軟らかくなってきたのでスパッツを履く。
これから先は未知のルートである。途中の岩稜は左の雪面を下り難なく通り過ぎる。藪を漕ぐことなく、12:42〜13:18(1,490m)大丸森山々頂に到着し、ラーメンを煮る。ガキ山から夜蚊鳥屋山方面は、雪が付いていない岩稜があり苦労しそうだ、第1案のとおり小丸森山を下ることとした。葉山にいるJL7UWSと無線が繋がる。UWSも一人でラーメンを煮ているとのことである。でだしはかなりの急斜面である。左側から斜めの降ると、やはり山頂直下は雪庇でかぶり気味である。狙いを定めてグリセードでぐんぐん下降する。13:48(1,200m)平坦な小丸森山着。コンパスと高度計で確認をして左へ約90度曲がる。1,080mで雪がなくなり瘠せた藪尾根に突入する。アズマシャクナゲとヤマグルマの藪を漕いでいるうちに、微かに獣道のような踏み跡が出てきた。1,010m踏み跡はかなりしっかりして鉈目が出てきた。間違いなくマタギの道である。タムシバ・アヅマシャクナゲ・ムシカリが咲く尾根を下る。14:22〜28(870m)休憩。14:38、790mからブナの新緑となる。踏み跡はますますしっかりとしてくる。14:42(860m)地図を確認し、左の残雪のブナ林を下る事とする。新緑に包まれ爽快である。660mから右にトラバース気味に降る。滝川は融雪水で濁り逆巻いて流れている。とても渡渉できる状態ではない。右岸を経つって降りスノーブリッジを探す。ようやく見つけたスノーブリッジはこころもとないが、止むを得ない、慎重かつ素早く左岸に渡る。後は左岸の河岸段丘を下流に向けて進む。所々藪を漕ぎながら、15:13赤石沢出合に着く。赤石沢も滝沢に劣らず増水が著しい。大石沢の出口が雪で塞がっていたので、ゼンマイ採りの要領で渡る。15:15〜22小沢のほとりで食事。少々疲れが出てきた。15:38砂防ダムに到着、階段を上り、15:45橋を通過、16:00浅股に到着した。

浅股の「飯豊山」石碑 正面は地蔵岳、右小丸森山と大丸森山
ミズバショウが咲いていた 黒松沢出合(滝尾根末端)
尾根に取り付くとブナ林の登りとなる 910m峰から
980m峰から 地蔵岳越しに飯豊山
横向きを仰ぐ 横向きを終え快適な雪庇歩き
大日杉小屋から五段山まで一望である 鍋越山先の1,315m峰よりダマシ地蔵
滝切合から地蔵岳 地蔵岳からだまし地蔵と滝尾根最上部
地蔵岳より滝尾根下部 地蔵岳より滝尾根上部
地蔵岳より種蒔山方面 地蔵岳より剣ケ峰
地蔵岳より大丸森山 途中より飯豊山
地蔵岳方面の状況 地蔵岳を望む
地蔵岳を望む 大丸森山々頂から地蔵岳方面
大丸森山々頂からガキ山 大丸森山々頂から小丸森山
ダイグラ尾根上部 ダイグラ尾根下部
小丸森山から大丸森山 尾根の途中から小丸森山