登山者情報545号

【2001年06月23日/丸森尾根〜梶川尾根〜湯沢 /井上邦彦調査】

二日酔いのため朝食は1杯しか食べられなかった。ともあれ、06:33天狗平駐車場発。オオコメツツジの咲く中、岩稜を登る。蒸し暑い。765m峰を通過するとヤマツツジが迎えてくれた。ノゾキには文字の消えた板が一枚残っているだけである。ノゾキという地名は鞍部と言う意味であり、決して対岸の飯豊温泉の風呂が覗けるという意味ではない。飯豊温泉の元湯である湯沢を見ると雪渓が続いている、多少の穴はあるが通れそうである。07:24〜29(930m)ランニングシャツを絞り、食欲がないのでウイダーinを飲む。カモシカの足跡が登山道に続いている。ガクウラジロヨウラク・オオイワカガミ・タニウツギ・オオバキスミレが咲いている。左手に雪を見、ムシカリ・チゴユリが咲くと程なく、07:39(1,030m)「水場」と書かれた青い小さな標識に着く。雪の中に水が湧いている。更に登るとユキザサ・カタクリ・イワハゼが咲いている。07:45〜50鋸を出して支障木を処理する。ヒメサユリ・サラサドウダン・マイヅルソウ・オオバキスルレ・エゾツクバネウツギが咲いているが、特にヤマツツジが見事である。08:13〜21(1,310m)崩壊地で休憩、徐々に土砂も安定し始めているようだ。登山道の脇に残雪が続いているが危険なので近づかないほうが良い。更に登ると、サンカヨウ・シラネアオイ・ノウゴウイチゴ・ムラサキヤシオ・エンレイソウ・ツバメオモト・イワカガミが咲いている。08:41(1,530m)標識も何もない丸森峰を通過する。一度下って08:44(1,540m)残雪となる、融雪水あり、小雨となってきたのでカッパを着る。真っ直ぐ登って1,570mから夏道となる。JM7NOOと無線が通じ、湯沢下降のアドバイスを受ける。ショウジョウバカマ・バイカオウレンが咲いている。左上して1,575mから雪上を左上し、1,640mから夏道、1,690mから斜度32度の残雪を登る。1,720mから1,730mまで夏道でまた残雪を登るが、斜度35度であった。1,750mから夏道となり1,765mから1,775mまで雪上であるが、この区間は下方が急斜面になっており要注意である。イワカガミが咲いている。
09:26(1,785m)地神北峰に到着する。風にあおられながら稜線を南に向かう。ツマトリソウ・イワカガミ(盛)・ミヤマダイコンソウ・ミツバオウレン・マイヅルソウ・ハクサンイチゲ・チングルマ(盛)・コマノツメ(盛)が咲いていた。09:37(1,850m)地神山通過。エチゴキジムシロ・ハクサンイチゲ・シラネアオイ・ムシカリ・ミツバオウレン(盛)・ミヤマダイコンソウが咲いている。登山道は潅木が被さり気味である。09:58〜10:05(1,889m)扇ノ地紙は、稜線の標柱は問題ないが、下の広場は一面雪で覆われており、標柱が雪上に出ていた。ここで握り飯を頬張る。気温は12度、素手は冷たい。下り始めると夏道沿いに雪があるが、コースは分かりやすく、すぐ夏道となる。バイカオウレン・ショウジョウバカマ・イワカガミ・ミツバオウレン・シラネアオイ・ミネザクラ(終)・チングルマが咲いている。1,775mから1,750mまで雪道である。方向が一瞬分からなくなるが、真っ直ぐに下る。慣れない方は磁石の準備が必要だろう(視界があれば問題はない)。ハクサンイチゲ・イワイチョウ・ミヤマキンバイ・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウ・ハクサンチドリが咲いていた。10:32梶川峰の標柱を通過する。ノウゴウイチゴ・ツマトリソウ・マイヅルソウが咲いている。1,590m〜1,545m残雪の下る。コース上の最大斜度25度、始めは真っ直ぐに下りすぐに右側の笹薮沿いに下り夏道に出る。ルートを右に取ると取り返しのつかない事になるので注意すること。ムシカリ・シラネアオイが咲いている。1,430m〜1,405m残雪を下るが右端を下れば大丈夫だ。融雪水もあった。11:02〜41五郎清水、水場は雪に埋もれている。標柱のある広場から水場に下る左道に下らないこと。更に下るとカタクリ・サンカヨウ・シラネアオイ・ノウゴウイチゴ・ムシカリ・オオバキスミレ・キクザキイチリンソウが咲いている。1,190mに10m程度の残雪があるが、右沿いに下れば問題はない。1,175mにも20m程度の残雪があるが問題はない。下から見ると上の残雪と下の残雪は右ルート(下から見て)で続いている。登る場合は下の残雪の途中で左に曲がりブナの木に入る必要がある。その下の鞍部から湿地まで残雪があるが、右手の夏道を下る。カタクリ・ムラサキヤシオ・イワウチワが咲いている。湿地で雪を踏み、更に2度ほど雪を踏んで、11:58〜12:06(1,145m)滝見場に到着する。
ここから湯沢に下ることにする。若干戻って藪を下降すると、沢沿いに細く急な雪渓が続いており、どんどん下る。山菜採りの要領で沢を下り、12:25〜33握り飯を頬張る。更に下ると、740mから広い雪渓となり左から急峻なトットバノ沢(雪渓)が合流する。途中の滝は山菜道を使って右岸を巻き、12:50雪渓が切れると同時に飯豊温泉の元湯に到着する。あとは温泉の管理道を使い、13:09天狗平の駐車場に到着した。

丸森尾根から湯沢全景 1,030mの水場
崩壊地上部から丸森尾根 地神北峰
地神山々頂 ハクサンイチゲ
扇ノ地紙上の分岐 扇ノ地紙下の分岐
チングルマ 梶川峰を見下ろす
1,590m残雪と目指す尾根 石転ビ沢とホン石転ビ沢
五郎清水分岐 五郎清水は雪の下
滝見場から梶川峰 滝見場から石転ビ沢
湯沢740mのミズバショウ トットビ沢を仰ぐ
湯沢の滝を巻いた 飯豊温泉元湯、右の穴は旧宿の資材庫