登山者情報549号

【2001年6月23〜24日/石転ビ沢の落石/米澤豊】

登山者情報548号の落石に遭遇したのは、私たち2人です。6/24未明から降り出した雨のせいか、前日に雪渓を登ったときにはなかった石が雪渓上に随分とあり、雨は落石を誘発することを実感しました。落石発生地点はホン石転ビ沢出合と北股沢出合の間の、ホン石転ビ沢出合近い地点の右岸50〜100m位の崖上から雷のような音響と共に我々めがけてまっすぐに落ちてきました。後で計ったら直径1.5m縦1mあったので、推定4トンはあると思います。これがタイヤのように回転しながら向かってきたので、どちらに逃げようか本当にあわてました。これと共にスイカくらいの石も10個くらいと、さらに小さい石もボロボロ伴ってきました。大石を避け、次のスイカほどの石の方向を見ながら動きがとりやすい斜め下に右往左往し、やり過ごしましたが、最後にソフトボール程度の石が右手に当たってしまいました。大石は勢いがあるので右岸から左岸近くまで雪渓を横切ってから下に方向を変え、石転ビノ出合(門内沢出合)付近の大石の手前200mくらいまでも転がっていきました。これに対してスイカ大の石は崖から雪渓に落ちてまもなく下に向きを変え、右岸沿いにホン石転ビ沢出合の下まで転がって止まりました。大きな石ほど先に落下し、後から小さい落石がしばらく続きました。崖を落ちている間は音がしますが、雪渓上を転がり出すと音があまりしないので、雨天だからと雨具のフードを頭にすっぽりかぶっていると音は聞こえないと思います。早く音に気づくことと落石を見つめて落下方向を見定めて逃げることが大事だと思いました。石転ビの登降は6回目でしたが、落石遭遇は始めてです。
 4人パーティーの滑落も目前で見たのですが、草付キ(中ノ島)直下の急傾斜で滑落しています。アイゼンは10本歯を使っていたようですが、ストックで降りていたため、停止がなかなかできなかったようです。やはりピッケルが必需品ですね。