登山者情報559号

【2001年7月14〜15日/石転ビ沢〜梶川尾根庭/山田亘調査】

7/14:以前略〜12:14石転ビノ出合(門内沢出合)〜13:43ホン石転ビ沢出合〜15:10北股沢出合〜16:44梅花皮小屋
7/15:04:45梅花皮小屋発〜05:25北股岳〜06:25門内岳〜06:59扇ノ地紙〜08:19梶川峰〜09:12五郎清水〜10:07滝見場〜以下略
・記録
あまり遅くて恥ずかしいので一部のみ抜き出しました。梶川出合はかなり薄くなっている感じで巻道が作られていましたが、自分は雪渓を行きました。来週は、石転ビノ出合まで夏道を歩くことになると思います。14日はガスに苦しみました。何故か「出合」にかかるとガスが発生して登路が分かりにくくなるのです。あとは、草地と雪渓の境も発生しやすいようです。例えばログで自分は16:44分に梅花皮小屋に着いていますが、16:18に草付キノ広場で登路を見失い16:33に天場跡に気づ
いてガスの中登り始めています。後から考えれば、発生しやすい地形で発生しただけのことなのですが・・・
それをどうやって切り抜けたかというと、ピッケルとアイゼンとエアリアとPCです。実は自分はウェブワッカーで井上邦彦さんの登山者情報を全部PCに入れて来ました。今回、石転びの出合でガスられて標識旗が見えなかったとき、PCを開けて第534号の「石転びの出合から見た石転び雪渓と門内沢」の画像と実景を見比べて登路を判断しました。また、草付キノ広場でガスられ登路に不安を感じたときは、エアリアの通りに天場跡がありましたので小屋はすぐだと思って雪渓を直登することができました。中ノ島の草付キからのトラバースではピッケルとアイゼンがあったため、ガスの中でもビクビクせず動けました。
解決すべき課題は、梶川尾根の下りに負けたことと、水の量です。梶川尾根は梶川峰を過ぎるとデフレスパイラルのような強烈な下りになりそれが連続するのです。自分の足は滝見場で怪しくなり、最後はヘロヘロになってたどり着きました。最後のロープは必死でした。負けた理由は晴天による暑さと水の量をMAXで1.3Lとしたことにもあります。(これはPCを持っていくために敢えてしたことですが・・・)登山道があるだけでもありがたいのですが、(あと五郎清水の前後は何故か二王子を思いださせ懐かしさを感じましたが)梶川峰の下りはなるたけ使わないようにしようと思いました。そのためにはピッケルワークを覚えることだと思いました。なお五郎清水は大変ウマく、下りるチカラになりました。水はここと梅花皮小屋で補給しました。その他石転ビ沢で適時飲みました。
・今回の山行で工夫したこと
32LのザックでPCを入れて小屋泊まり一泊を試したかった。そのために荷物のコンパクト化、軽量化を図りました。ザックは32L、これにシュラフ、PC、ピッケル、アイゼン、水1.35L、デジカメ、携帯電話、GPS、着替え一揃、フリース、雨具、ヘッドランプ、電子機器消耗品、ザックカバー、夏手袋、食料3食分、非常食2食分を入れたり付けたりしました。ザックの外に出たのはGPSとピッケルだけでした。そのかわり、バーナーとコッヘルを落とし食料はパン6個とスナック菓子にしました。(梅花皮小屋で芋煮2ハイと酒2杯をいただきました。)エアマットはザックの中敷きを代用するつもりでしたが、ガサガサやるのも気が引け、敷かずに寝ました。これらの重量は8キロなかったと思います。装備の中ではアイゼンが嵩張るなと思いました。また自分のアルミのアイゼンは先週の鳥海山で支持具が緩んでいました。必ず一山行ごとに忘れずにICIに行かなければと思いました。
・ちょっと恥ずかしいですが・・・
梅花皮小屋から門内までの稜線を歩いている間、何度も「俺は今幸せだ。俺は今一番幸せだ・・」と呟いていました。中ノ島のシラネアオイ、ガスの中のトラバースの後草付きにたどりついたこと、カイラギ小屋の皆さん、気持ちよい風に吹かれながらの早朝の稜線歩き、まだあったヒナウスユキソウ、さりげなく見えた白いヒメサユリ、それらの一つ一つが飯豊連峰に迎え入れられたようで嬉しかったのです。また、小国山岳会、峡彩山岳会の皆さんのルートを整備するキモチは自分も加わらねばと思いました。そのためにさしあたってお金を一杯稼ごうと思いました。正直にいいますが今までで最高の山行でした。まさに飯豊で洗礼を受けたという気持ちです。もし今「おまえは飯豊を信じるか?」と聞かれたら自分は「ハイ」と答えます。
・総括
思えば、自分がアイゼンとピッケルを買ったのは石転び沢と鳥海山の千蛇谷を登るためでした。その石転び沢についに行けて本当に良かった。 まだ雪のいいうちに石転び沢を楽しめ、翌朝扇の地紙まで気持ちいい稜線歩きを堪能し、カイラギ小屋では小国山岳会、峡彩山岳会の皆さんの団欒に混ぜていただき、ヒナウスユキソウや、白いヒメサユリを見るなどこれ以上何も望むことのない山行でした。特に井上邦彦さんの生のコトバを聞けたのは石転び沢を登ったご褒美という感じでした。来年は、梶川出合が薄くなる前に行くつもりです。石転び沢様と小国山岳会、峡彩山岳会の皆さんに感謝します。不完全ですが、今回のGPSログと画像を混ぜたものを掲げます。写真は160枚撮りましたがとても全部は載せれませんでした。



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