登山者情報576号

【2001年09月01日/大樽山/井上邦彦調査】

午後から、「小国町の森林を考えてみませんか?」という講演会に参加する予定なので、比較的手軽な山ということで「大樽山」を選んだ。大樽山は、エアリア飯豊山「D-2」に位置する標高1,100.8m、胎内ヒュッテから鉾立山に続く尾根のほぼ中間に位置する。最近伐開されたとの情報なので、荒れ道を想定しストックはなし、水場が不明なので何時もより1L多目に水を持ち、冷凍庫で何時もより小さい缶ビールを凍らせた。ザックの重量を計ると11.4kgであった。
駐車場について、長ズボン長袖にするか迷ったが、藪になった時点で着替えることとし、何時もの夏姿とした。胎内ヒュッテの管理人室はカーテンが下ろされていたので挨拶なしに、高度計を380m に合せ、05:38駐車場を出発する。150歩でゲートを通過し、左手に注意を払いながら進むと、295歩でブナ林の中に入る登山道を見つけた。中に入るとしっかりした道で、平坦に胎内ヒュッテに戻る感じで進むと、コンクリート製の水槽らしきものがあり、その数m手前から尾根に上がる踏み跡があり、尾根を忠実に登る。結構しっかりとした道であり、知らず知らずに爪先登りとなる。25,000図には所々針葉樹のマークがあるが、針葉樹は見当たらない。25,000図488m地点から広いブナ林の平になる。典型的なブナ・ユキツバキ群落である。暫くは緩い登りが続き、06:19、600m尾根道となり、道が荒くなって来る。道に塩ビ管が埋まっている。しだいに滑りやすくなり、両手で柴を掴む。675mには塩ビ管のものと思われるマンホールの蓋のようなものが埋まっていた。700mで緩くなり、尾根が細くなると左眼下に道路と植林地が見えた。06:37、770m枯れた松の小ピークを通過する。この先は林床の植物が少なくなる。820mから両側がやや急になる。06:49展望が広がる。赤津山方面が良く見える。背後の二王子岳は雲の中である。瘠せ尾根となり高木はなくなり、頭上にピークが覆い被さる。かなりの急斜面となり、両手で柴をつかみ身体を持ち上げて登る。僅かだが岩もある。06:54、910m開けた尾根上、正面に高倉山と大樽山が聳えている。ナリバ峰から二王子岳へ続く尾根も良く見える。06:57〜07:12、920mピークで食事とする。携帯電話(CDMAONE)を試してみると可能である。眼鏡で地図を頻繁に確認しながら登っているので、ここまで思ったより時間を要している。少々甘く見ていたようだ、本気になることにし、眼鏡をザックに入れる。07:24、970mピーク通過、速度を上げようとすると、足場が見えないので転びそうになるし、鉈の切り株で足や腕が傷つく。柴をつかむ急登で、ズック靴が滑る。SPO2と脈拍数は(99-165)に達する。07:35、1,010mで道は大きく右に折れ、ブナの林をの中をトラバースになる。07:48〜08:10大樽山々頂、1,100.8m、SPO2と脈拍数は(97-140)、見ているうちにアゴク峰から雨が迫ってきた。山頂から先にも踏み跡ある。凍った缶ビールの栓を抜くとシャーベット状のビールが噴出した。早々に山頂を引き上げ、ブナの林に入りカッパを着る。08:28、小ピーク通過、08:32、小ピーク通過。08:44、920m峰通過し08:45松のある尾根分岐より下降に入る。カッパを着ているので、切り株は気にならなくなったが、足が取られてひどい。825mからブナ林に入る。滑るので、やや急なところは小走りにし、更に急なところは柴をつかんで懸垂滑降の要領でどんどん下る。600mより緩斜面となり、09:04、585mに右の分かれ道が柴で止められていた。09:18車道に出て、09:19ゲートを通過し、09:20駐車場に到着した。全行程で16,113歩であった。その後、胎内ヒュッテの坂上さんに話を伺うと、塩ビ管はテレビのアンテナを設置した時に埋めたもので、その後、雷で使えなくなったとの事であった。帰宅途中で1匹の猿を見かけた。
登り口 標高500mのブナ林
胎内尾根と赤津山方面
二王子岳方面
920m峰から高倉山(左)と大樽山
頼母木川にかかる橋とトンネル 大樽山への登り
急登を仰ぐ 大樽山々頂の三角点
山頂からアゴク峰 山頂から登ってきた登山道を振り返る