登山者情報589号

【2001年09月28〜30日/石転ビ沢/吉田岳調査】

石転ビ沢は先週と比べ、やや登りやすくなった感はあるが、やはり依然上級者向きのコースとなっている。先週の報告(登山者情報第583号)と比べながら読んでいただくと分かりやすいと思われる。なお今回は28日に山形の井上氏・小国のIIVと私で入山し、30日に私一人で石転ビ沢を下山した。水場に関しては本流の水は避けた方が良いが、支流が所々にあるので、それを利用すれば少量の水を持ち歩くだけで良いだろう。
温身平から石転ビノ出合(門内沢出合)までは、赤ペンキや黄旗を目印に支流等に紛れ込まないよう注意が必要である。石転ビノ出合は我々が入った時は増水していたため、先週同様、手前の岩(赤ペンキ付)から10m程行った所より雪渓沿いに左手に降り、飛び石で梅花皮沢(門内沢と石転ビ沢が合流すると、梅花皮沢になる)を渡って右岸を歩くコースを取った。しかし私が30日に下山した時は、水かさが減っていたため石転ビ沢と門内沢の合流地点より10m程下部を飛び石で渡ることができた。こちらの方が渡りやすいため、水量を見てコースを判断していただきたい。なお門内沢は依然として雪渓がグサグサ状態のため、巻いて渡る事はできない。
右岸の大岩からは左手の方に夏道があり、それを利用する。ただし所々藪になっているため、見失わないように注意が必要である。これが分からず岸辺を歩くと苦労することになる。
大岩より300m程歩くと雪渓になる。軽アイゼン(爪が長い物)にダブルストックだと歩きやすい。なおダブルストックは渡渉時にも有効である。雪渓は右側の方(左岸寄り)を歩く。クレバスや薄くなっている所、雪渓が何処まで続いているか、どこで左岸に降りられるか等を考えながら歩きたい。北股沢出合下部で左岸に降りたらそこでアイゼンを外して良いだろう。その上の雪渓は巻いて歩くことができる。そこからは石を落とさないよう注意して歩く。
北股岳直下の岩場の麓で、中型の熊を井上氏が発見した。石を落としながら逃げて行ったが、それ以後は見つけられなかった。先週も門内小屋周辺で発見されたが、一応注意した方が良いだろう。
梅花皮小屋の水場と水洗トイレは使用可能。ただし夜はかなり冷え込むため、それなりの防寒具と寝具が必要であろう。

石転ビノ出合にて 北股沢出合付近にて
烏帽子岳山頂にて 御西小屋より北股岳方面を望む
大日岳
飯豊山方面を望む 御西小屋にて
滝見場から石転ビ沢