登山者情報593-3号

【2001年10月27〜28日/登攀技術研修会/井上邦彦調査】

日本山岳協会の登攀技術研修会が、新潟県新発田市滝谷の杉滝岩で開催されるとのことなので、UWS・PUSと一緒に参加した。講師は日本山岳協会の小野寺斉指導委員長を始め、大曽根弘・堀江栄次・石原千秋・佐伯紀和、各指導常任委員であり、主任検定員養成講習会も同時に行われた。
始めに小野寺氏から「確保理論講習」があり、制動確保の必要性の説明があった。また登攀用具の規格がUIAAからCEに移っていること、伸び率・インパクトフェース(衝撃時の強度)などについて講義を受けた。続いて杉滝岩に移動し、60kgに調整されたタイヤを落下させ、肩確保や器具による制動確保と、タイヤ停止後の脱出法について実技講習を受けた。翌日は、岩に取り付いて実際の登攀を楽しんだ。本当に久しぶりの岩登りなので、かなりぎこちなかったが、何とか登りきることができた。
また杉滝岩と橋を挟んだ焼峰内の倉登山道は、整備がなされていないので、登山禁止の標識が立てられていた。エアリナマップ2002年版にはその旨を掲載する必要を感じた。
11月7日から小国町で行われる山形県山岳遭難対策委員会の救助訓練に、良い刺激を受けて帰宅することができた。お世話になりました新潟山岳会を始め新潟県山岳協会の皆さん、大変ありがとうございました。

農村婦人の家で小野寺講師の講義 佐伯講師から流動分散技術を習う
橋の上からタイヤを落とす タイヤには鉄板が仕込まれている
肩確保でタイヤを止めるPUS 荷重が掛かった状態での脱出技術
PUSの登攀練習(左端) 狭いテラスで後続者を確保するUWS
杉滝岩全景 杉滝岩脇の看板