登山者情報607号

【2002年02月24日/駒ヶ岳(1067m 高畠町)/吉田岳調査】

 日本全国に駒ヶ岳という山は何十あるのか分からないが、こんな所にもあるとは気づかないでいた。奥羽山脈の米沢市と高畠町との境にある、標高1067mの駒ヶ岳。普通は秋田駒、越後駒、会津駒...の様な呼ばれ方をすることに準ずれば、「置賜駒」とでも言えるのだろうか。北に豪士山、鳩峰峠、南に栗子山がつながる。今回は山スキー向きコースとして、砂川の林道を詰めた所から尾根筋を登ってみることにした。なお夏場には、新しく造成された本宮キャンプ場を基点とした稜線への数本の登山コースが整備されている模様。看板も立ち、ハイキングとして楽しめそうである。
 高畠町上和田地区を東へと進み、本宮川沿いの車道を行けるところまで行こうとしたが、除雪は本宮川砂防ダムまでで終わり。そこに車を止め、準備をして、9時30分出発。天気は晴れ。まずは山スキーで林道を歩く。しかし30分ほど経ったところで、方向が違うことに気付いた。支流の砂川への曲がり口を通過してしまったらしい。慌てて引き返し、分岐点を発見する。左側にあった作業小屋に気を取られて、見過ごしてしまったようだ。本宮キャンプ場を通過し、豪士峠への登山口を通過し、砂川源流の林道終点に到着。ここまで1時間30分。しかし道に迷った分のロスを差し引けば、約1時間の林道歩きである。ここでスキーを外して休憩。沢で水を汲み足す。ここから右手の斜面に取り付く。スキーでギリギリ歩ける程の斜度をジグザグに歩いていく。820mの小峰に出るとぱっと視界が開け、豪士山が間近に見えてきた。今まで抱いていた「こんな山、面白いのだろうか?」という不安は、たちまち消えた。林はブナ帯へ移っていく。小国にはあまりないケヤキの木も目についた。今回の山行は"当たり"である。
 駒ヶ岳の山頂らしきピークがやっと見えてきた。ここを登り切ったところで360゚のパノラマが開けた。12時ちょうどの登頂である。期待が少なかった分だけ、感動が大きい。風が少し冷たいが、空にはほとんど雲が無く、付近の木々の枝先には霧氷が光っている。腰を降ろし、ゆっくりと休憩をとる。
 なごり惜しいが下山準備を行い、12時50分いよいよスキー滑降開始。上部は昨夜降った新雪のお陰で、ブナ林を気持ちよく滑り降りる。820m峰から下はモナカっぽい堅雪だったが、強引に滑る。30分程で林道に着き、ここからはビルディングを解放してクロスカントリーフリースタイル。13時無事に砂防ダム到着。

豪士山(右)豪士峠(左) 上部はきれいなブナ林
頂上がやっと見えてきた 頂上より蔵王連峰(奥)
朝日連峰 キャンプ場にあった看板
麓より駒ケ岳(右)と続く峰々