登山者情報627号

【2002年06月2日/朝日鉱泉〜御影森山〜大朝日岳〜鳥原山〜朝日鉱泉/井上邦彦調査】

寝坊してバタバタと準備をし自宅を出発。道路地図を見ないで生半可な記憶だけで運転をしたため、上郷で遠回りし、一ツ沢林道に入り、ようやく朝日鉱泉に辿り着いた。
駐車場が狭いので心配していたが、ちょうど良いスペースがあり一安心。装備を整えて08:02出発。僅かに戻り、ナチュラリストの家に向かって下り、専用駐車場奥の杉の木にある標識に従って更に下って、取水口脇の吊橋を渡る。タニウツギ・フジ・ホオ・ヤマツツジが咲いている。杉林を進み、08:12登山道脇で水を汲む。アマドコロが咲いている。08:15鳥原山との分岐を過ぎ朝日川沿いに斜下すると、道脇に廃材があり昔の朝日鉱泉跡となる。08:19鉱泉跡にある標柱で中ツル尾根と道を分けてから吊橋を渡る。吊橋を渡ってから分岐があると描いてある地図があるので注意したい。吊橋を渡り左斜めに若干登ると、古川家の墓がある。尾根に取り付くが、始めは緩登で次第に急になり、08:49(959m付近)傾斜が落ちる。先週以来右膝の調子が悪くかばって登るが、次第に痛みが消える。08:54右手が刈り払われており、大朝日岳から小朝日岳の展望が広がる。ブナの樹の根元にギンリョウソウが咲いていた。08:58〜09:07腰を降ろすのに良い場所で、本日始めての食事。09:13登山道の左脇に長いパイプの水場があり、「上倉ノ水場」と書かれた標識があった。尾根は広く素晴らしいブナ林である。ムシカリ・タムシバ・ムラサキヤシオが咲いている。今回の全行程を通して、ムラサキヤシオがいつも見慣れているものよりも濃い色であったのが印象的である。09:23ピークのゴヨウマツに文字のかすれた標識と保全地域の標識が二つ。ここが1,144mの上倉山である。鳥原山から大朝日岳の展望が良い。
鞍部に下ると、ミヤマスミレ・タケシマラン・ショウジョウバカマが咲いている。高度を上げると、ブナの森林限界を越え、10:00(1,200m?)残雪(融雪水あり)に上がると一気に視界が開けた。登山道の両側にびっしりとカタクリが咲いている。ミツバオウレンも満天の星のように登山道脇を覆っている。10:03(1,361m?)水準点を通過する。イワカガミ・ツマトリソウが咲いている。10:21ひょっこりと平岩山が見えた。シラネアオイ・ノウゴウイチゴが咲いている中を登り、10:26〜35御影森山(1,534m)の山頂に立つ。ここで葉山から来る道を合わせる。2個目の握り飯を頬張る。携帯電話が通じた。ミネザクラ(盛)・カタバミ・ミヤマスミレ(盛)・オオバキスミレ・エチゴキジムシロ(よく観察しなかったが、間違いないだろう)・コヨウラクツツジが咲いている。大沢山(1,484m)を越え、11:02鞍部の右手には残雪が多い。ここが水場なのかもしれない。ツバメオモト・エンレイソウ・アヅマシャクナゲが咲いている。潅木から風衝植生地となりチングルマがぽつぽつと咲いている。平岩山の左手、何時も山開きで残雪を取る所に、下り始めているパーティが見えた。小国口から登ってきた朝日連峰山開きの一行である。僅かの差ですれ違いとなってしまった。11:37「野川源頭平岩山」の標識を過ぎ、僅かに下ると標柱が立っている。
風が強まってきたので、面倒とばかり先を急ぐ。ハクサンイチゲ・コメバツガザクラが咲いている。11:49〜55右斜面の風が来ない所で休憩、3個目のお握りを食べる。風で素手が赤くなり、冷たく痛い。風の弱い所で軍手を着ける。涙が出て前がよく見えない。ストックが軽いため風に流され思う所につけない。荷物が軽いせいか身体が空に舞いそうだ。ジグザグの登山道で追い風の時は楽だが、向かい風は厳しい。それでも何とか12:28大朝日岳(1,870m)に到着し、12:35〜13:10大朝日小屋で休憩とする。今回は軽量化のため、ラーメンを持ってこなかったので、毛布を被り震えながらコンビニ弁当で缶ビールを飲む。小屋前で携帯電話が通じた。
膝バンドを巻き、ズックの靴紐をきつく締め、下山を開始する。暫く下ると登山道が雪に覆われており、ピッケルが欲しくなる。今回はズックにストックなので慎重に下る。もし早朝なら下ることはできないだろう。13:23銀玉水の標柱で夏道となる。銀玉水は雪のため使えないが、登山道の融雪水が使用できる。シラネアオイ(盛)・ハクサンチドリ・ノウゴウイチゴ・エチゴキジムシロ・オオバキスミレ・ミネザクラ・ムシカリが咲いている。13:44熊越え(鞍部)を通過する。登りになると道は二つに分かれるが、右の道が掘れたので左に新道を作ったものと判断する。13:48標柱が2本立っており、右の道を合わせ、左に古寺山への道を分ける。14:02小朝日岳山頂(1,647m)に到着。
下りは左斜面に登山道が付いており、14:16からは登山道が雪に覆われておりピッケルが欲しくなる。慎重にルートを選んで下る。カタバミ・ノウゴウイチゴ・ヒメイチゲが咲いている。12:37木道がある。ミツバオウレンとタケシマランが道の両側を覆っている。14:43「鳥原山展望台」と書かれた標柱を通過。下り始めると眼下にはタムシバの点在する湿原の素敵な光景が広がる。14:53湿原に出ると古寺鉱泉への分岐となり、ここから木道が続いている。14:57白滝分岐の標識を右に折れるとすぐに鳥原小屋への道を分ける。左に進むとまもなく木道は終わる。
後はブナ林をひたすら下る。右足を庇ったせいか、左膝が痛くなってくる。15:19小沢を横切り、15:29金山沢に出る。飛び石伝いに渡り、斜めに尾根上まで登る。疲れてきた身体にはきつい登り返しである。15:35〜40最後の握り飯を頬張る。耳を澄ますと春蝉とケラのドラムが聞こえてくる。後は尾根を忠実に下るだけである。16:49(876m?)水準点を通過し、左側にジグザグの登山道を下る。痛んだ左足には緩い傾斜が助かる。16:30朝の道と合流する。吊橋を渡り、登り返して、16:42駐車場に到着した。

所要時間(カッコ内はエアリアマップのコースタイム):駐車場→0:17(0:10) →旧朝日鉱泉跡→0:55(1:50) →上倉山→1:03(2:00)→御影森山→1:02(2:40)→平岩山→0:45(1:40)→大朝日岳→0:07(0:10)→大朝日小屋→0:52(1:20)→小朝日岳→0:41(1:20)→鳥原山→1:42(2:15)→旧朝日鉱泉跡→0:12(0:10)→駐車場

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