登山者情報664号

【2002年10月05〜06日/ダイグラ尾根〜梶川尾根/木内茂雄調査】
タイム  
(10/5)飯豊山荘3:40〜4:00温身平〜4:23桧山沢吊り橋〜5:33池の平〜6:38休場ノ峰(三角点)6:46〜7:26千本峰〜8:52宝珠山〜9:52御前坂取り付き〜10:45飯豊本山10:55〜11:07駒形山〜11:50御西小屋11:58〜12:30天狗の庭〜13:00御手洗ノ池〜14:00烏帽子岳〜14:16梅花皮岳〜14:29梅花皮小屋
(10/6)梅花皮小屋9:27〜9:52北股岳〜10:28門内岳(門内小屋)11:02〜胎内岳〜11:22扇ノ地紙〜梶川峰〜12:30五郎清水12:40〜13:00滝見場〜13:33湯沢峰〜14:30飯豊山荘

記  録
(10/5)今年は北海道、東北北部の山を主体に行動したので、飯豊は4回目になる。間もなく雪が降るようになれば山行も終わりなので例年通り“締め”としてダイグラの紅葉をねらう。いつもの如く週間天気予報を七日間、毎日注視し、昨日丸森尾根から頼木小屋に登ったASEと、梅花皮小屋にいるAXLから紅葉の情報をもらっておいた。
早朝、自宅を出る時は曇り、国道113号線を走り赤芝発電所から玉川街道に入り、長者原近くになると、道路が濡れていた。直前まで雨が降っていたようだ。
今日は、ダイグラ尾根から梅花皮小屋までの長丁場なので暗い内から歩き始める。勿論、誰も歩いて居ない、慣れている道とはいえ少し薄気味悪い。灯りを消すと真っ暗、手も足も出ないこれこそ“暗中模索”である。落合橋(桧山沢吊り橋)では石の上で滑って両足を水に落とす。まだ暗く、吊り橋を渡り休まず登りにかかる。時々、稲光の閃光で林が“影絵”の如く浮き上がる。5時頃薄明るくなり、5時15分に灯りを消す。道には落ち葉があるが、この辺りはまだ紅葉が目立たない。水場に着く頃、飯豊山荘前から梶川尾根を登るODDより無線が入る。登山道は良く整備されていて、迷うような所もないので説明を省く。
休場の峰から見晴らしが良くなり、左向こうに地蔵岳から鍋越山の峰峰が見える。これから向かう宝珠山は霧の中で、手前の千本峰は立ち枯れの木を林立させているのが見える。辺りは次第に紅葉が目に入ってくる。千本峰の標識を過ぎて数分行くと見晴らし良くなる。時々、宝珠山が霧の中より姿を見せるようになる。そこから、更に数分進むと下りの一寸した岩壁になる。此処を道でないと勘違いする人がいたとの事だが、下に向かって左側を、松の枝と岩のホ−ルド、スタンスを利用すれば問題なく降りられる。松の木が無くなれば、鎖なり、岩を細工しなければとも思われるが、ダイグラ尾根を登るにはこの位の難易度をこなす技術は必要だ。
この岩場を過ぎ、何度か起伏を繰り返す内にもう二回位下りの岩部分を通過する。(どちらも本山から下って来る時に登りになる訳だが、何れも数メ−タ−でその一つは真っ直ぐ登って、左の枯れ木の脇を登って迷うらしいが、良く見れば右に5メ−タ−位トラバ−スしてから登る様になっている。)
さて、今回は紅葉を目当てにきたのだが、この辺りで唯一の花、ツルリンドウをカメラに納める事が出来た。その後も、ダイグラ尾根特有の起伏を何回も繰り返す内に見事な紅葉に出会う様になる。ただ霧がカラッと晴れないためなかなか良い写真が撮れない。それでも、宝珠山の見える回数も増え、時には本山も頭を見せる時が有る。
御前坂の取り付きから間もなく灌木が無くなり、本格的な岩、石のジグザグ道となる。この登りの途中、左に踏み後三箇所くらい有る。これは雪解け時の道なので、途中から藪になるのも有る。石とか棒、ペンキで進入禁止にしてあるのだが、ペンキが落ちたり、棒が無くなったりしている箇所有り、少し石を集めて進入禁止の細工をした。頂上近くなるに従い風強くなり、手が冷たくポケットに手を突っ込む。
頂上まで歩き出して7時間5分かかった、昨年の10月6日には6時間20分で登っている。今回決して調子が悪かったわけでないので、1年間でこれだけ体力が落ちたのか....?。さて、ここで今日は終わりにしたいが梅花皮小屋までもう一稼ぎしなければならない。
途中の状況として、大日岳は霧のため“文平の池”で“逆さ大日”撮れず、“御手洗の池”では烏帽子をバックに池の紅葉を反映させたひとこまを期待して来たが、霧で紅葉は既に無く木の枝がむきだしであった。
全体的に稜線は葉が落ちていて紅葉は終わりである。
相変わらず風強く、霧が切れず遠望きかずである。梅花皮小屋に居るODDと何度か交信し食事の件と“麦の泡”の準備を頼んでおく。小屋までの所要時間は昨年実績より24分余計だった。矢張り確実に体力は落ちている!?。
小屋での一晩は例の如くと記しておく。
(10/6)
昨夜は星空になっていて、そのまま朝も晴れであった。
ノンビリと起き、目覚ましの一、二杯...等をする。小屋を掃除して9時をかなり過ぎてから出発した。
風も無く、遠くまで見渡せる。これが昨日だったらなあと辺りの景色を見ながら残念がることシキリ。門内岳に着いた時、三〇分遅く出たODDを待つ。休みながら地神山を眺めやると意外とシッカリとして、恰好の良い山だと気づく。それから、この門内岳頂上にもナナカマドが有り、逆光気味の北股岳をバックにし何枚か赤い実を撮る。そして、この後もこの赤い実が目立つのみで、紅葉は終わっていた。キノコを採る都合上梶川尾根を下ったが、後で聞くと丸森尾根の紅葉が綺麗だったとのこと、欲を出して失敗であった。
以後のコ−スの状況は何回も紹介されているので省略する。特筆を三件。
一件は森林限界近くに数年前までは太い岳樺が七本も有り見事であったが、今は立ち枯れが多く数本になってしまった。寿命なのだろうか?。
もう一件は五郎清水の標識のイタズラで逆方向にされている事だ、ナイフで削り正しい方向に直したが、白ペンキで墨入れしないと完全にならない。
もう一件はこの五郎清水だが登ってくると右側に三分下ると有る。左側にセメントで細工したものと、更に二.三メ−タ−下がった所も出ているが、もう数メ−タ−下がり大きな岩を跨って乗り越えると素晴らしく豊富な水が流れ落ちている。この水が最高であるそうだ。(残念ながら私は水を飲まないのでその味は不明)
紅葉 1 紅葉 2
紅葉 3 紅葉 4 サラサドウダン
紅葉 5 ヤマウルシ 紅葉 6 ヤマウルシ
紅葉 7 紅葉 8
紅葉 9 紅葉 10
紅葉 11 紅葉 12
紅葉 13 紅葉 14
紅葉 15 紅葉 16
宝珠山岩稜より 1 宝珠山岩稜より 2
宝珠山岩稜より 3 宝珠山岩稜より 4
霧の本山(御前坂) 1 霧の本山(御前坂) 2
宝珠山岩稜を振り返る 宝珠山を見下ろす
梅花皮小屋から北股岳 梅花皮岳と烏帽子岳を振り返る
ギルダ原と北股岳 門内小屋と地神山
ナナカマドと北股岳 地神山と草紅葉
ダケカンバの命 ダケカンバと紅葉
ツルリンドウ