登山者情報673号(投稿)

【2002年11月02〜04日/足ノ松尾根〜丸森尾根/ 高橋新一調査】

メンバー:鹿島建設山岳部 高橋新一、伊原宏、水澤幸子
<11月1日> 23:26赤羽から「ムーンライトえちご」に乗り込み、新潟県中条に向かう。
<11月2日>中条駅5:41着。雨。すぐ予約してあったタクシーで胎内ヒュッテへ。7:00着。このあたりは小雪。入山ノートに記入。小屋の主人から雪で滑りやすい下山時には気を付けるようアドバイスがあった。7:15出発。足の松尾根取りつきに8:10。降雪が少し強い。積雪はシャーベット状で1、2センチ。尾根の初段はほとんど積雪なしだが徐々に登山道が白くなっていく。小ピーク(標高800m)で小休止9:15。肩(標高950m)で小休止10:20。小ピーク(標高1030m)11:10。小ピーク(標高1095m)で13:10。ピークから方向を右に変えて降り、対岸の斜面に取りつく。このあたりから積雪量が多くなりラッセルを10分毎でトップ交替することにする。標高1250mに14:20。大石山直下(標高1350m)の斜面を段に切り幕営地とする。16:20着。積雪量は1m以上あるのではないか。夜間小雪が断続的に舞っている。
<11月3日>7:30幕営地を出発。小雪混じりで少しガスがかかっているが視界は良い。トップ交替を継続して大石山到着8:30。道標とコンパスで主稜線を確認して頼母木小屋に向かう。1567mピーク9:45。主稜線上は足ノ松尾根よりも西斜面側が吹き飛ばされ積雪量が少ないが、雪は締まっておらず歩きにくい。比較的長い傾斜を上りきると小屋が現れる。10:30着。小屋の周辺は雪が吹き溜まりになり特に別棟は屋根に東側の雪が庇に届きそうな位になっている。1階の入り口のドアは下部が5センチほど雪にかぶっているがロックを外すとすぐ開く。主稜線上は風強く風雪とガスで視界が5,6メートル。小屋で休憩した後、12時には丸森尾根に取りつこうと小屋を出発したが、視界が非常に悪く小屋のすぐそばで雪庇を踏みぬき転倒することもあり、この日の行動を中止するにした。ラジオの天気予報では今日、明日とも「曇りときどき雨でところにより雪、雷もある。波浪、洪水注意報が出ている。冬型の気圧配置がしばらく続く」と言っている。小屋の中ではこの悪天候が長期間になることを覚悟して、何日居られるかの食料・燃料計画を立てることにした。夜半に雷。
<11月4日>主稜線上は相変わらず風強く風雪とガスで視界も昨日以上に悪い。下山ルートの地神北峰をめざし偵察をすることに。(偵察1回目)小屋7:15発、小屋8:15着。(偵察2回目)小屋8:30発、頼母木山から先の鞍部付近まで行くと何とか地神北峰まで行くことが可能と判断して着9:45。小屋に戻り身支度をして、いよいよ出発のために外に出てみると視界が晴れ頼母木山、地神山方向、杁差方向、二王子方向が良く見える。この機会に急いで地神北峰を目ざした。頼母木小屋10:10発。上空の雲を見ると東風が吹いている。地神山方向から薄いガスがかかり始める。地神北峰(標高1830m)11:45着。直ちに出発。下山にともなって雪に沈む深さが深くなり前進しない。丸森峰手前12:25着。雪の沈む深さが腰くらいにもなりまた重いのでなかなか進まない。このあたりが最も積雪量が多い。コース取りを間違いトラバースする時が苦労した。標高1400m付近14:00。急斜面を降り標高1000mの平場に前日に居たと思われるパーティのテント設営の跡があった。ここで休憩14:50着。ここから先はトレースがついているのでラッセルなしとなった。積雪量は徐々に減っているがほとんど最後まで積雪はなくならなかった。飯豊山荘18:00着。飯豊山荘は本日営業終了でこの時間にはすでに閉鎖になっていた。梅花皮荘に向け18:30発。梅花皮荘19:40着。今回の山行は大変厳しいものだったが無事下山できた。

胎内ヒュッテ 足ノ松尾根取り付き
足の松尾根(標高800m) 足の松尾根(標高1,400m)
大石山
頼母木山にて 1 頼母木山にて 2
丸森尾根