登山者情報716号

【2003年06月14日/三体山/井上邦彦調査】

仮橋で左岸に移ると、平野地区の方が入山料徴収をしていた。登山であることを告げて通過する。4台程度の広さの駐車場(仮橋から700m)に車を止め、撮影しようとするとデジカメの電池がない表示、電池を取り替えるとメモリがない表示、パソコンに取り込む時に外して、そのまま自宅に忘れてきたのだ、前回の道迷いといい、今回といい、三体山はよくよく恥ずかしがりや屋さんらしい。
05:44(標高415m)駐車場発。川に下ると両側に金網が張られ足場板2枚幅の吊橋に「三体山登山口、平野地区環境開発整備促進協議会」の標識が付けられていた。橋を渡り、小沢の左岸をへつるように遡る。谷が広くなり杉の植林地を抜ける。朝露がまとわりつく。所々湿地があり足を汚さないように注意して進む。大きくなった杉林の中に入り、踏み跡を進むと、突然40cm程度の土台が出てきた。
05:57(1,016歩)車道に出る。正面の杉に「三体山登山口→」と「桂谷分校跡地」の標識が付けられていた。以前、この一帯に桂谷(かつらや)という集落があったのだ。標識どおりに車道を北東にすすむ。軽トラックにちょうど良い程度の車道である。斜面に作られた車道は砂利敷きとなり、標高515mまで高度を上げて左に曲がる。砂利道は広い尾根の南西側を通っている。付近は気持ちの良いナラ林である。砂利道はそのまま狭い尾根上を登り、06:09(標高580m2,197歩)細いブナに「三体山登山口」の標識が付けられていた。左に車2台程度の駐車が可能である。ここから三体山まで登山道は尾根に忠実に作られていた。
汗ばみながら落ち葉で滑る不明瞭な登山道を登る。715m左下方に長井ダム関連の工事現場が見えると、登山道にトラロープが張られていた。06:29(780m)松の小ピークを過ぎる。06:35(815m)刈り払われた小ピーク、展望が開け長井の市街地が見えた。左に道があるのかと思ったら、単なる刈り払いの跡であった。ヤマツツジ・ガクウラジロヨウラク・ギンリョウソウが咲いている。下ると左下にナラの巨樹もある。登りになるとトラロープが張られている。刈り開き程度の道で、木の根を足掛かりにして登る。905m平坦で尾根が広くなると、多少藪化する。
06:50(930m)ブナの細木に「雨量計跡、標高925m」の標識が取り付けられてあった。付近は雪が消えて間もないらしく、まだ木々は芽吹いたばかりでタムシバが咲いていた。登山道はここで尾根を横切るように北に向かい、06:53−57(945m)尾根上に出た所で食事を摂る。途中に水場があるだろうと思い水筒を空にしてきたが、適当な所がなかったので、今回は水なしの山行となった。尾根をまっすぐに登ってくる踏み跡もあるので、下山時に迷いやすい所である。サラサドウダン・ウゴツクバネウツギが咲いている。全行程において良いブナは殆ど見られない。995m付近から左斜面はオクモミジハグマなどの草本地にサラサドウダンやカエデ類の樹木が生え、感じが良い。1,025mにトラロープが張られている。ズボンが濡れて重くなってきたので膝バンドを巻く。07:14(1,125m)道跡が薄くなり分かり難くなってくる。07:17(1,145m)雪が出てくる。周囲のブナが一段と細くなる。ツバメオモト・ショウジョウバカマが咲いている。ガスで視界がなくなってきたので、慎重にルートを選ぶ。オオバユキザサ・マイヅルソウ・シラネアオイ・ムラサキヤシオツツジが咲いている。藪がひどくなってくる。1,205m道脇に雪。1,230mネマガリタケが出てくる。雪の上を歩き、トラロープ伝いに登る。
07:30(7,220歩)広場に出る。正面には立派な・・・があり、周辺が刈り払われている。「臥竜の松」「三体山登山」の標識が立てられている。左に踏み跡があり、「史跡、西山新道、下り15分」の標識が置かれていた。右の道には「展望台」の標識が置かれていたので、進んでみると、10歩で三角点があり、「三体山頂1,255.9m」の標識が立てられていた。ここまで7,230歩、さらに27歩進むと一方が刈り払われた所に「竜神大橋展望台」の標識が付けられていたが、ガスのため視界はなかった。ただ足元にはツバメオモトが咲いていた。広場に戻り食事を摂る。寒くなってきたのでカッパを着て、07:42下山を開始した。1,145mの雪で瞬間ルートを失う。漠然と潅木がない所を選んで進む。
08:04雨量計跡を通過、855m付近はちょっとした痩せ尾根、08:15小ピークの展望地、08:19小ピークの展望地、08:27(12,103歩)で車道に出る。平坦地となり、杉林に入り、右手の杉に付けられた標識から左の踏み跡に入る。うっかりすると通り過ぎるかも知れない。08:51(14,345歩)で駐車場に戻る。