【2003年07月27日/弥平四郎〜飯豊山/井上邦彦調査】
前日、自宅発、赤谷・津川・徳沢駅経由で弥平四郎に向かう。集落を過ぎると砂利道となり、所々水はけの側溝が車道を横切っており、車が大きく揺れる。自宅から終点の駐車場まで136.1km。広い駐車場の一部にテープが張られ、「飯豊の集い26日〜29日使用」とあった。その晩はそのまま車中泊。
7月27日04:24駐車場発、高度計720m。大きな看板まで戻り、橋を渡って河岸段丘に登ると、04:44祓川山荘は無人であり、水も断水していた。さらに登山道を進むと、水槽が2箇所ある。ここまでは水が来ている。無人小屋の場合、どうしても水の管理が難しい。04:49小沢で顔を洗う。登山道は次第に細くなり斜面をへつるように高度を上げていく。05:17、1,070m水の流れている小沢を横断すると、すぐ先の登山道がロープで閉鎖され、「登山道→」と書かれた標識が下げられていた。崩壊があったので、巻き道を整備したものと思われる。登山道に戻る所にも同じくロープが張られ標識が下げられていた。
05:30枝尾根を越えると対岸の沢音がして、1,160m疣岩山の良い展望地となっていた。05:33、1,175mブナの木に「十森」と書かれた菱形の標識が取り付けられている。沢音が聞こえるとすぐ、沢を横切る。ここが十森の水場である。すぐ先にテント2張分のスペースがある。
05:48、1,290m松平峠、標識はないが、尾根上の鞍部なのでそれと分かる。風が涼しい。ヨツバヒヨドリ・トリアシショウマ・エゾアジサイが咲いている。小さなピークを越えて、瘠せた砂礫の尾根で05:52-09:07食事。ツキヨダケが出始めた。今年始めてセンジュガンピの花を見る。磐梯山、会津盆地、猪苗代湖が遠望され、弥平四郎集落の青い屋根も見えている。06:28ダケンバに「清水→」の標識が取り付けてあり、トラロープが右手の沢に向けて設置されていた。ここが「獅鼻の水場」である。
06:34「疣岩分岐」標柱で上ノ越から登ってくる道と合わさる。松平峠経由の道は最近刈り払われたらしく快適であった。一方、上ノ越方面の登山道には笹が伸び始めていたので、おそらくは飯豊の集いに合わせて登山道整備を行ったのかも知れない。
06:59分岐「←獅子沼・飯豊山→」の標識、大日岳が見える。06:45-48疣岩山々頂には三角点はあるが標識はない。ここで御西小屋のIWUと無線が通じる。いったん下って、07:05標柱、文字は読めないが大白布分岐である。剣ケ峰のスカイラインに登山者が見えた、スラブ状岸壁が輝き、地蔵山かすめて雲が流れている。ハクサンシャクナゲ・オオコメツツジが咲いている。
07:12三国小屋、管理室が開き放しになっていた。ここから暫くは登降が続く。道脇にはニッコウキスゲ・ミヤマママコナ・ミヤマアキノキリンソウ・ヤマトウバナ・シロニガナ・ミヤマコウゾリナ・センジュガンピ・マルバダケブキが咲いている。07:22駒返しの鎖場を登る。ミヤマホツツジ・ウツボグサ・ギボウシ・トリアシショウマ・カラマツソウ・シロニガナ・イワテトウキ・ハクサンボウフウ・ミヤマキンポウゲ・ヒメサユリ・ガクウラジロヨウラクが咲いている。07:37トラバース途中、標柱「七森」を通過する。クルマユリ・ハクサンチドリ・タカネツリガネニンジン・ムカゴトラノオ・タカネアオヤギソウ・キニガナ・ナガコゴメグサも加わる。07:47、1,710mに左ガレ場、赤ペンキでルートが指示されている。カラマツソウ・アカモノ・サンカヨウが咲いている。種蒔山の肩まで登ると、切合小屋が見えた。ハクサンコザクラ・ガクウラジロヨウラク・アカモノ・アオノツガザクラ・ハクサンボウフウ・シシウド・シロニガナ・クルマユリ・タカネツリガネニンジン・ミヤマキンポウゲ・ノウゴウイチゴが咲いている。07:59、5m程雪の上を歩く。タカネマツムシソウが咲いている。08:04分岐(会津切合)、ウメバチソウ・ヤマハハコ・タカネアオヤギソウ・ヤマハハコ・タカネアオヤギソウ・ムカゴトラノオ・キニガナ・シロニガナ・イワテトウキ・ミヤマコウゾリナ・シシウド・ヤマトウバナ・ミヤマアキノキリンソウ・ミッコウキスゲ・マルバシモツケと、一気に花盛りである。
08:10-13切合小屋で長谷川さんと田中さんに挨拶、ふたりは飯豊の集い一行を受け入れる準備で忙しそうである。08:16-23小屋から少し進むとタカネマツムシソウが咲き揃い始める。砂礫地で、ヒメシャジンを見ながら食事を摂る。草履塚の登りになると雪が出てくるが問題はない。08:29中間で融雪水、08:33清水が汲める。イワカガミ・チングルマ・ハクサンコザクラが咲いている。08:41草履塚を通過、マルバダケブキ・ハクサンフウロ・ヨツバシオガマ・ミヤマホツツジ・マルバシモツケ・ヤマトウバナ・ミヤマアキノキリンソウ・ヒメシャジン・タタネマツムシソウ・コキンレイカが咲いている。08:54御秘所にさしかかると、岩場の出っ張りに1匹の小猿を見つけた。そのうちもう1匹が並んだ。写真を撮りながら進む。ハイマツの中で松の実を食べている猿がいた。御秘所を過ぎると、ムカゴトラノオの群落となる。ヒナウスユキソウ・チシマギキョウ・イワテトウキが混じる。ここからいよいよ御前坂の登りである。
09:23一ノ王子から水場の様子を見に行く。09:25-36水音がするので、ピッケルで掘り込むと清水が出てきた。09:38一ノ王子に戻り、09:44本山小屋に到着する。ここで何時ものようにEHJの歓待を受ける。つまみは本山小屋朝食の残り、何気なく食べていて途中で鶏肉を炒めたものと気がついたが後の祭り。いい加減ほろ酔い気分で本山神社へ行き、お札と記念品を購入、神主さんは今週登ってきて8月5日頃には下山するとのことであった。
小屋番を手伝っていたKDGの3人を連れて水場に行き、本格的に清水を掘り出す。雪渓は急斜面なので危険だが、掘り出した雪塊は自然に落下していくので楽である。
3人と分れ、11:37一王子発。12:11草履塚を通過し、12:30-41切合小屋。ここで管理人のお二人に挨拶。忙しくて、ようやく昼食とのこと。ここで左脹脛に異常を感じる。大日杉から登ってきたKDGの小原一行と会う。御沢コースは既に雪渓がズタズタになっている。夏道コースは最後の沢に雪がたっぷりと張り付いている。小原一行はピッケルで滑落に備えながら横断してきたとのことである。大日杉ルートを予定している登山者は要注意である。
12:44分岐で兎が登山道を走っているのを見かける。12:50-56左足脹脛が不調のため、帰宅が遅れるかもしれないと自宅に電話。13:03種蒔の標柱、13:20七森を通過する。飯豊の集いの一行とすれ違う。13:50-14:07雨が降ってきたので三国小屋で休憩を取る。小屋を出かけようとすると、左足に強い痛みを感じる。ODDに足が不調のためコースを当初の上ノ越経由から松平峠経由に変更する旨を交信する。
14:44-49疣岩山々頂通過、1,630m、赤トンボの群れ。14:59疣岩分岐1,560m、15:26-34松平峠で休憩。この頃から2本ストックに身体をあずけて左足を引きずるようになる。15:46十森通過、左膝を伸ばすと痛いので、両膝を曲げた状態で下る。15:59巻き道で転び、尾低骨を打ちつける。16:08-14精神的に疲れ、とっさの対応ができない、足場を良く見てそっと置き、ゆっくりと体重を移動させる。16:54何とか駐車場到着。幸いオートマチック車なので、無事帰宅する。
車道沿いにある、祓川山荘への登山口 | 上ノ越には正面の看板の間が登山口 |
広い駐車場 | |
橋の様子 | 祓川山荘 |
巻き道の誘導標識 | |
十森の水場 | |
ツキヨダケ | センジュガンピ |
左の鞍部が松平峠、そこから右に登山道が横切っている | |
獅鼻の水場 | |
疣岩分岐の標柱 | ヨツバヒヨドリ |
獅子沼分岐 | 大日岳が姿を見せてくれた |
疣岩山々頂 | 疣岩山から三国岳を望む |
大白布分岐から剣ケ峰全貌 | |
疣岩山を振り返る | 三国小屋から七森を望む |
駒返しの鎖場 | 七森の標柱 |
ガレ場の赤ペンキ | 種蒔 |
僅かに残雪を踏む | 切合小屋と草履塚 |
会津切合の分岐 | 大日杉登山道は残雪に埋もれている |
御沢は雪渓が崩壊している | 草履塚の登りには残雪が残っている |
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草履塚直下のトンネル | 姥権現 |
御秘所 | 御秘所で出会った猿 |
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御前坂から草履塚を振り返る | 水場分岐の標柱 |
水場を掘り出したKDGの皆さん | |