登山者情報772号

【2003年11月29日/滝口〜横向き/井上邦彦調査】

滝から鍋越山を経て地蔵岳にいたるコースは廃道になっているが、最近刈り払いをしたとの話を耳にしたので、確認のため歩いてみることにした。
車道終点に着くと、フロントガラスに数滴の雨粒。滝川にかかる鉄柱3本の橋を渡る。スリット工事が施された砂防ダムを右岸から越える。スリットのおかげで川原が広くなっている。刈り込まれた葦原を進み、山菜道を右に分けて、黒松沢右岸を遡ると鉄柱の橋が架けられている。07:53橋を渡り、すぐに山菜道を左に分けて、杉の木のある河岸段丘に上がる。すぐ脇に炭焼き釜の跡と思われる石垣状の物がある。右から登ってくる踏み跡と合流し、ブナ林を進むと登りになる。粘土にブナの落ち葉が敷き詰められた滑りやすい斜面を登る。
08:09オ根の上に出ると、滝川を隔てて岸壁を見下ろす。ナラとブナの尾根を辿り、08:26広く刈り払われた小峰に、雨量計の土台がブルーシートで覆われていた。跡から聞いたところによると、雨量計は春に設置し、途中で記録紙を交換し、秋に降ろして雨量を分析するとのことであった。08:36ブナ林床に笹が出てくる。立ち枯れしたブナに干からびたナメコが数個張り付いていた。08:44潅木に覆われた小峰、登山道の左手に水準点があった。08:53松のある小峰を左から巻くと、09:01マタギが熊を探す展望地となる。ここからは滝川源流域が一望できる。本日は大丸森峰の主稜は雲に隠れていた。09:04登山道脇に太い五葉松が1本立っている。これがダキ松である。さらに進むと、昔、潅木を切って作った階段の名残があった。09:13ODDと交信、本日の山閉いの時間を確認する。
この辺りから登山道が次第に荒れてきて、09:26には一部登山道がなくなる。09:33-43登山道が笹で覆われているためズボンが濡れてきたのでカッパを着て食事をする。雨がやや強くなってきた。尾根に上がった時点で15℃あった気温が9℃まで下ってきた。藪が次第にひどくなり、カッパの胸を開けると濡れてくる。09:47登山道が尾根から外れて左に巻く。横向きのブナ林の中、踏み跡を探して進む。全て落葉しているので、何とか踏み跡を探せるが、葉が茂っていれば、かなり苦労するだろう。うっかり歩きやすい所を選んで進むと、踏み跡が探せなくなる。09:57鍋越山まで道刈りされたという話は、誤報ということが証明できたので引き返すことにした。
10:07尾根上に戻る。藪を漕いでいるうちにカッパを縛っていた膝バンドをがなくなっていることに気付き、デフ布で作る。緑葉が付いているのはヤマグルマ・エゾユズリハ・ササだけである。10:28ダキ松を通過、10:33-40食事を取る。10:53小峰を通過する。ストックを持つ素手が冷たくなってきた。10:02雨量計からは真下に砂防ダムと私の車が見える。11:12尾根から外れて滑りやすい斜面を下り、山菜道を分けて黒松沢を渡る。下山時にはうっかりすると山菜道に迷い込みやすいので注意したい。11:32車に戻って、今日の山行を終えた。

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