登山者情報829号

【2004年07月03日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

先週は日山協遭難対策委員会で裏妙義に行っていたのと平岩山避難小屋の件で飛び回っていたため久しぶりの飯豊である。さらに03-04日新潟県山北町で開催されるマタギサミットに参加を予定しているので、下山予定時刻を13:00と設定した。
04:30に起きてザックに山道具を適当に詰め込んで車を走らす。天狗平駐車場には既に適度に車が停まっている。
05:34歩き出す。湯沢のゲートには「関係者以外立入禁止」と書かれた標識が付けられているが、これは「一般車両進入禁止」の誤りであり、登山者の通行は差し支えない。またゲート手前右側に車道が延びているが、これは湯沢上流に砂防ダムを建設した時のものであって、登山道ではないから入らないようにすること。
温身平の十字路で梅花皮小屋のOTJと交信する。05:55-06:00砂防ダム上から定点撮影を行う。ようやく修理が終わったばかりのデジカメは初期化されており「日時の設定」と表示されるが、設定の方法を失念しているので、今山行はこのまま撮影をすることとした。
06:15うまい水にはMDEが施工した水場が順調に機能していた。06:37梶川出合は上流左岸に僅かの残雪があったが、雪を踏むことなく通過できた。また、出合手前崩壊地を高巻くコースは利用しなくても良い状況である。
石転ビノ出合に到着し雪渓に上がると岩の上に赤ペンキでコースを指示している。現在は合流点下流の雪渓が安定しているので赤ペンキに従っても良いが、もう暫くすると通れなくなるので、赤ペンキは消す必要がある。なお、合流点すぐ上流の石転ビ沢は雪渓の崩壊が始まっている。
ともあれ右岸に渡り、06:59-07:05右岸水場で食事を取り、運動靴からスパイク靴に履き替える。サンカヨウが咲く中、登山道を辿り雪渓に出る。
天候は良く、雪渓は気温も快適で順調に進む。突然、ゴー!ゴー!と連続して大きな音が響いた。右岸枝沢の上流部で岩が動いたようだ。幸い途中で止まって雪渓までは落ちてこなかった。08:37ホン石転ビ沢出合を通過する。ホン石転ビ沢はまだ雪渓が続いているので落石の可能性も残っている。休憩なしでそのまま登る。08:02-10北股沢出合で食事を取る。清水はまだ雪の中である。登ってきて本流と北股沢の間の尾根末端、本流側に黄旗2本を立ててあるので、これを目印にすると良いだろう。ここでピッケルを抜く。
黒滝はまだ出ていないが落石が集中する所なのでさっさと登り、08:22中ノ島(草付)に取り付く。中ノ島を中程まで登ると登山道右手の雪渓に穴が開いている。水場であり若干踏み跡も付いている。落石があるので近づかないのが良い。全体に中ノ島にはまだ高山植物は咲いておらず、登山道まで落石が直撃する可能性がある。さらに登ると登山道に融雪水が流れていた。08:33中ノ島最上部から左上部に露出している夏道に立つ黄色い2本の旗を目印に斜上する。斜度は約40度、滑れば先ほどの水場で岩に激突し重大事故に繋がる可能性が高い。
08:39黄色い旗2本のある夏道に到着、ひと登りし08:42融雪水の流れる台地に到着する。さらに残雪を登る。
08:47-09:45梅花皮小屋到着、ミヤマキンポウゲとOTJが出迎えてくれた。冷えた缶ビールで喉を潤し、ラーメンを啜る。
ズック靴に履き替え、梅花皮小屋を後にする。ウスユキソウ(盛)・キバナコマノツメ・オヤマノエンドウ(終)・ウズラバハクサンチドリが眼を楽しませてくれる。10:04-06北股岳山頂。ヨツバシオガマ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマダイコンソウ・ナナカマド・ミヤマキンバイ(終)・オノエラン(盛)・ハクサンフウロ・マイヅルソウ・ツマトリソウ・ハクサンボウフ・クチバシシオガマが咲いている。10:37門内小屋脇にはミヤマキンポウゲのお花畑がある。船窪地形には雪がなく、水は山形県側の残雪融雪水を利用することになる。コメバツガザクラ・ヒメサユリ・ウズラバハクサンチドリ・チングルマ・バイカオウレンを見て、10:51扇ノ地紙を通過する。
チングルマ・イワカガミ・ヒメサユリ(盛)・アカモノ・ゴゼンタチバナ・チングルマ(盛)・ニッコウキスゲ・ヨツバシオガマ・ミヤマリンドウが咲く草原を進み、11:08ケルンにはチシマギキョウが咲いていた。11:14-28梶川峰で食事を取り、膝バンドを巻いて下りに備える。以後確認したのはヤマトウバナくらいでひたすら下る。11:41三本カンバ(仮称)を通過、11:53-41五郎清水を確認し、12:07滝見場通過、12:25湯沢峰通過、12:48楢ノ木曲リ通過し、13:07天狗平駐車場に到着した。なお梅花皮小屋からは全て夏道であった。

画像1  画像2