登山者情報844号 投稿

【2004年08月10日/道路状況/星 宏良調査】

昨日白滝から大朝日岳往復山行を計画して出かけました。朝日町立木で林道ゲートが閉鎖されておりました。先程朝日町に問い合わせしましたら例の集中豪雨で立木ー木川ダムの間で通行止めだそうです。復旧は未定との事です。しかし古寺方面からのルートで朝日鉱泉方面に入れるとのことです。ご確認いただき登山情報にお知らせいただいた方がよろしいのではと思います。問い合わせ先:朝日町商工観光課 TEL0237-67-2113

【2004年8月10日/登山状況/峡彩山岳会:小山一夫】

新潟県朝日スーパー林道が7月の雨で三面ダムと奥三面ダム入り口の中間地点で崩壊しましたスーパー林道入り口より約5k付近です。

【2004年08月3-7日/天狗角力取山−狐穴−大朝日−日暮沢/米澤豊】

 朝日連峰に行ってきました。朝日もたびたび登っていますが、天狗角力取山から狐穴までの稜線が未だに踏破していなかったので、この間を歩くことを目的として南俣沢出合(バカ平)から入山、天狗角力取山に登って尾根伝いに狐穴、そして大朝日まで主脈を歩き、小朝日から日暮沢に下る計画でした。マイカー登山のため、入山口と下山口が異なるので、標高が高い下山口(日暮沢)に自転車をデポ、車は入山口(バカ平)に留め置いて、下山後は自転車で入山口へ回ることにしました。自転車のおかげで日暮沢からバカ平までは1時間で行くことができました。コースに関しては熊出没の心配と、天狗角力取山・コバラメキ間は登山道の草刈りが遅れていてお盆には完了するという事、及びコバラメキ近辺で所々崩れて歩きにくい所があることでした。
 8/3(火)勤務を終え、東北道を通って道の駅がある月山湖畔に22:30到着、車内で寝た。夜半に降雨があったものの、朝には曇りとなり、6時から下山地点となる日暮沢に向かった。小屋の中に下山時に食べる食糧と着替え・運動靴をデポ、小屋の近くに自転車を置いてから入山地点の大井沢・バカ平に車をまわした。バカ平手前の林道で単独の下山者とすれ違い、状況を聞くと「天狗角力取山とバカ平の中間点あたりで20mぐらい前を熊が横切った」という。それ以外にも「狐穴からこちらにかけては全く人には会わない」という。不安になる情報だ。
 駐車スペースに止めるととたんにものすごいアブの来襲である。身支度を整えるのも閉め切った車内で済ませる必要がある。しかし、エンジン停止後20分ほどするとぐっと数が減った。おそらく、排ガス中の高温の二酸化炭素がアブにとって大型動物の到来と勘違いさせたのではないか。次回来るときには対策を考えておきたい。
 ともあれ虫除けスプレーをタップリつけて8:30には出発、バカ平の標高はGPSでは456mと表示されている。しばらくはカラ松林の緩い傾斜を行き、傾斜が増して1028mの地点で尾根から左へ下る巻き道となる。暗い樹林帯となり、先の単独行者が熊に遭遇したのはどこだろう、と不安になる。水場の2つの沢を渡り、再び尾根に上がると1225mとなり、木の間越しに目指す稜線が見える。気象観測の小屋がある1305mはちょっとした展望台だ。そこから一息で稜線の分岐点粟畑1397mに着き、出谷川を隔てた以東岳の姿に圧倒される。天狗小屋1324mは大変きれいで、水もすぐに得られ、快適である。小屋前に夏毛の黒いウサギが顔を出し、草を食べている。カメラを向けるとあっという間にいなくなった。バカ平を出てからまったく人に会っていなかったが、5時を過ぎて大朝日から縦走してきた女性客2人が到着し、人と話しができてホッとした。
 8/5は好天に恵まれ、5時に出発。天狗角力取山を出るとすぐに大きく下る。登り返してウツノシマ峰となるが、このあたりは人が通らないこともあり、道に笹が生えてきていたり、草が覆い被さっていたりしてけもの道に近い感じがする。熊出没情報もこのあたりが多いらしい。見通しもなく、花もなく、ひたすら鈴とラジオを鳴らしながら通過した。とはいえ、決して道を見失うことはない。なお、後述するとおり、お盆までには草刈りをしてくれるというので、この状態はすぐに改善されるはずである。
 エアリアの湯沢峰手前のピークは見晴らしよく、朽ちた標柱もある。このあたりは平坦に近く楽だが、再び見晴らしに恵まれるのは二ツ石山である。ここから再び下った鞍部の樹林中に、立派な二ツ石山水場という標柱が立っている。しかし、聞くところではこの時期、水が得られる沢までは30分近く下ることになり、とても利用できるものではないらしい。
 コバラメキを過ぎると急に見通しが良くなり、岩尾根となる。ナイロンのトラロープも所々下がっている。多くは世話になることないが、1ヶ所道が崩壊しかけているところがあり、慎重に通過した。
 高松峰は登り切ると三角点があってそれとわかる。ここからは高山植物が一気に増え、ハイマツと風化したカコウ岩のきれいな砂礫で美しい。水が引いてある狐穴小屋へもすぐであった。計画ではここに泊まって以東ピストンの予定であったが、翌日の天候が悪い予報であったので、以東ピストンをあきらめて竜門小屋まで進み、停滞もやむなしと考えた。
 寒江山の手前でこの日初めての人に出会う。地元(寒河江)の稲葉さんという方で、小屋の管理をされたりしながら登山道の整備、草刈りをされている。誰もいない炎天下の斜面で、ひたすら草刈り機を操る姿は敬服する。大朝日の方でも別の方が作業してくださっているとのことで、この様な方々のおかげで山道は整備され、安心して山を楽しむことができているのだ、と言うことを実感させられる。県の委託で作業されているとはいえ、その原資が1500円の宿泊(協力)費だと思うと、小屋に泊まるときの1500円は必要な気持ちであると思う。二ツ石山・天狗角力取山方面も近日中に草刈りする予定だとおっしゃり、目標はお盆までとのこと故、数日中には前述のような、けもの道状態は解消されるのだろう。それにしても、歩くだけで大変なコースを、重い機械・燃料を背負い、じりじり日に焼かれながら作業していくのは本当にご苦労である。ふだん目にしない光景であるが、影のご苦労を思い起こして山を歩かなければと思った。
 寒江山は花がきれいである。特に南寒江の斜面はすばらしい。マツムシソウ他、息をのむ美しさであった。雪渓も所々見える。
 夕方までは穏やかだったが、夜半から熱低により暴風雨となった。竜門小屋は単独行の私ともう一人、5人パーティの計7人が宿泊していたが、5人パーティは予定をあきらめて8/6早朝に下山していった。単独の私ともう1人はともに停滞。誰も来ないだろうと思っていたら、強風と濃霧、横殴りの雨を衝いて縦走していく人、下から登ってくる人が相次ぎ、竜門小屋の宿泊者は前日より増えて計21人になった。その天候は夕方になって治まってきた。
 8/7は前日丸1日停滞した甲斐があって9時くらいまで、好天に恵まれた。西朝日手前でトリカブト他のお花畑、金玉水付近のニッコウキスゲ、大朝日小屋周囲のマツムシソウなどを楽しみながら頂上を往復、小朝日はトラバースし、ハナヌキ峰から日暮沢へと下った。途中の水場は銀玉水、三ノ沢清水ともに問題なく、おいしくいただいた。
 日暮沢小屋にザックをおいて運動靴に履き替え、自転車に乗る。日暮沢から根子まではほとんど下りで、自転車にとってはほとんどこぐことなくゆっくりで25分で行けた。根子−大井沢も同様で10分程度、大井沢からバカ平はさすがに登りとなるが、10段ギアの自転車のため、一部を除いて降りることなく、20分で走破、歩いていくよりはるかに短時間で移動できた。むしろ、下りはスピードが出過ぎるため、荒れた路面なのでパンクを恐れ、ひんぱんにブレーキをかけたほどである。
 バカ平で車に乗り換え、日暮沢に戻ってザックを回収、大井沢にできた温泉で汗を流し、西川町間沢の出羽屋で山菜そばを食べてから帰途についた。
コースタイムは全体として、エアリアのものと大体同じ程度で行動した。

湯沢峰手前のピークにて 二ツ石山にて
オバラメキから振り返った岩陵 高松峰の登りから振り返った岩陵
高松峰から望む以東岳 南寒江山南東斜面のマツムシソウ
竜門・西朝日間のトリカブト他