登山者情報850号(投稿)

【2004年08月21日/梶川尾根〜丸森尾根/山田亘調査】

8月8日に早月尾根に行ったとき、ダイグラ尾根に似ていると思った。そしてダイグラ尾根も日帰りできるのではないかと思い始めた。しかし、冷静に考えると自分にはまだ難しかった。頭を切り換え、残雪期に迷わないよう丸森尾根のログを採りにいった。
 03:40新潟発、天狗平まで自宅から96キロ、1時間30分。R113から県道に入ると、バックミラーを茶色い動物が横切った。それを見て熊スプレーをサイドポケットに入れた。05:55天狗平(410)、ハッカ油のせいか、アブが来ない。橋を渡り右手の尾根に取り付く。楢の木を過ぎると姫小松の急登になる。初めて下りたときはあまり急なので驚いたが、先々週の早月尾根のせいか、今日は標準的に思える。06:35楢の木曲がり(680)で、ヴィダーを吸いながら玉川の流れと飯豊山荘を見下ろす。この先登路に楢が増える。モニュメントのような白い枯れ木を過ぎ、ジャコウソウを撮りながら歩くうち、標高750m位で斜度が少し緩んだ気がする。800m位で更に斜度が緩みブナが増えてくる。標高850m位で斜度が出て、950mでがくっと落ち、緩やかなアップダウンになり、07:34〜07:43湯沢峰(1021)。いつの間にか辺りが姫小松になっている。行く手にすっかり緑になった石転び沢上部が見える。
 急な道を960m鞍部へ下りていく。ブナ林を抜け、1030mピークの西面を巻く。アップダウンを経て08:23滝見場の標柱(1145)で登路を観察する。尾根が壁のようだ。その上に三本カンバがいい目印になっている。急登が始まった。何も考えず、山に没入できる登りだ。09:12〜09:29五郎清水標柱(1370)から10m程下り、アザミかタムラ草に囲まれ水を採る。立ち上がると山々に囲まれた小玉川集落が絵のようだ。五郎清水近辺は花が多い。標柱に戻りオオカメノキの赤い実と、キオン、黄色い花を見ながら休んだ。
 急登は続く。時々振り返り、小玉川の集落と朝日連峰を見ながら登る。足下が砂岩質になる頃、上の方に三本カンバが出てくる。左手にダイグラ尾根上部も姿を見せる。アキノキリンソウを見てすぐ、10:03三本カンバで一息(1540)。オヤマノリンドウを見ながらもう少し登りが続く。傾斜が落ちると程なく10:34〜10:40梶川峰の標柱(1700)。あらためてダイグラ尾根を見る。突起の一つ一つが、下山者を引き止めるようで、日帰りは難しそうだ。でも歩きたい。青空の中じっと考える。たちあがり、斜度の緩んだ中、タカネマツムシソウ、イワショウブ、ミヤマリンドウ、ハクサンボウフウを見ながら歩く。1800m前後でわずかに斜度が出て、またなだらかになる。梶川尾根は、急登が続いて最後は楽になる。効率のいい登り向けの尾根だと思う。右手奥にエブリサシが見え、その手前に丸森尾根がなだらかに続いている。左手の門内沢がのどかな景色にぴりっとした趣を添える。右手に地神山が形良い三角に見え、ほどなく11:30〜11:39扇の地紙(1889)。雪の消えた二の峰北面の沢が荒々しい。
 笹とハイマツの主稜線を北に歩きだす。しばらくして振り返ると扇の地紙は小さい突起になり梶川尾根上部がなだらかに続く。ウメバチソウが一輪あり、地神北峰は稜線に美しい三角形の突起となっている。ヤマハハコを見て、12:15地神山(1849.6)。北方稜線が空中庭園のようだ。柔らかく、うねうねと続く緑の山肌に、あらためて、飯豊ならではの美学を感じる。トリカブト、ハクサンフウロを見ながら下る。わずか50mほどの下りだが振り返ると地神山が大きく見える。イイデリンドウは見つけられなかった。12:29地神北峰(1790)。梶川尾根の向こうに本山が覗く。北には朝日連峰が続く。月山は少し雲に隠れ、鳥海山は見えない。下り始めると草原の向こうにエブリサシが隠れていく。上の方は石がゴロゴロしていて下りにくいが、しばらくで納まる。梶川峰と異なり、斜度が平均的に分散していて下りやすい。尾根の南を巻いて緩やかな下りが続く。前の方で斜度が緩んだかと思うと13:14丸森峰(1540)。ピークというより平坦地という感じだ。灌木帯に入り、展望の効かない緩やかな下りが続く。標高1350m位で展望が開け、正面に1077mの平坦地が見える。次第にダケカンバが増え、標高1250mにダケカンバの茂る気持ちいい場所がある。少し進んで振り向くと丸森峰がピークのように見えた。標高1100m位に枯れた姫小松があり、以後姫小松が次第に多くなる。14:30〜14:43夫婦清水(1030)は出ていた。15:33 756mピークを過ぎると、姫小松の急な下りになる。16:28飯豊山荘の前にポンと出て(400)、車道を歩き16:32天狗平(410)。飯豊山荘で風呂に入り、アスモに行ったら祭りをやっていた。自分も気が大きくなり、米沢牛とブドウを買い家に戻った。今回のコースは無理なく日帰りできるいいコースだと思う。

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