登山者情報872号

【2004年11月07日/倉手山/井上邦彦調査】

7月25日(837号)に石転ビノ出合往復を楽しんだメンバーから、倉手山に登ろうとの声掛けがあった。家庭の都合や体調の関係で若干メンバーが入れ替わった。
当日朝出発に準備をしていると「長者原ではまだ雨が降っているので、1時間出発を遅らせよう」との電話があった。天気予報では尻上がりに天候が回復するとのこと、ホームページの整理をして時間を潰す。
メンバーの各自宅を回って、いざ出発。倉手山駐車場には既に数台の車が停まっていた。程なく藤田栄一さんと舟山堅一さんが合流、いよいよ登り始める。先頭になった私はゆっくりゆっくりと心掛けるが、多少息切れするメンバーが出てきたので、小休止し薄着になる。長井の奥山さんとすれ違う。なかなか晴れないので下ってきたと言う。
見上げる山頂付近は雲に覆われている。飯豊連峰は上部が雲の中。樹々は既に葉を落とし、落ち葉の感触が足に心地好い。このコースは最初と最後がやや急であるが、中程はさほどでない。幾つかのパーティに追い越され、のんびりと登る。傾斜が落ちるにつれ何時しか潅木となり、ヤマグルマ・アヅマシャクナゲ等の緑が映える。
標高780mの主尾根分岐から松尾根となり、鞍部に下って登り返すと右に水場への道を分ける。標識はない。この水場は時折当てにならないので、山頂で使う水は麓から担いできた。左手が切れているが特段の問題はない。
ナラが出てくると急になってくるので、足の置き方を指導していると、ひょっこりと山頂の一角に出た。ここからは平坦な広場(潅木で覆われているが)を横切って、山頂に登る。
残念ながら飯豊連峰は雲で姿を見せてくれない。時間はたっぷりある。まずはクーラーに入れてきた缶ビールで乾杯!さっそく料理に取り掛かる。豚汁を作っている間、舟山堅一さんは岩魚の寒風干しを焼き始めた。この寒風干し堅一さんお手製のものである。頭からむしゃぶりつく。さらに堅一さん手作りのギョウジャニンニク醤油漬けが出てきた。こうなると止まらない、菊水をお燗して飲む。さらには堅一さんがナメコ汁を作り始めた。眼前に広がる飯豊連峰の融雪水で作った「梅花皮(梅花皮荘で限定販売)」をご馳走になる。
そうこうしている間に山頂は登山者で溢れんばかりとなり、ダイグラ尾根が僅かながら姿を見せ始めた。
記念撮影をして下山とする。前日に山頂から下りかけた登山者1名が足を痛めてヘリコプターで搬送されている。慎重に下る。途中から飯豊山が現れた。やはり山は急ぐものではない。
駐車場に着くと、そのまま国民宿舎梅花皮荘に直行し、飯豊温泉で身体を温め、生ビールで乾杯!倉手山を満喫した一日でした。
PS
これで終わりならばめでたしめでたしなのであるが・・・。自宅で寝床に着こうとした時、携帯電話が鳴った。発信者は役場町民課の松山係長、嫌な予感。しぶしぶ携帯を開くと「梅花皮沢から帰って来ない登山者がいる。隆蔵と真人が現地に向かう」とのこと。山服に着替え直し、妻に送ってもらい警察署に向かう。情報を確認し、パトカーで温身平に送ってもらう。砂防ダムで無線を発信すると、両名は遭難者を発見し下山中とのこと。遭難者はライトを持っていない。ヘッドランプを点け、ライトを持って真っ暗なブナ林を歩き出す。ほどなく、3名と合流、幸い遭難者は元気な様子。4名で下山する。

今回のコース
駐車場から倉手山取り付きを長める 今回のメンバー
急な登りに一汗を流す
傾斜が緩くなると余裕も生まれる 展望を楽しむ
あれが樽口峠 主尾根分岐を仰ぐ
潅木の登山道 笑いの耐えないメンバー
もう少しで休憩 主尾根分岐の先行パーティ
分岐から倉手山々頂を望む 今度は松尾根を行く
鞍部に下る 主尾根分岐を振り返る
一歩一歩慎重に 山頂を仰ぐ
足場を確かめて 最後の登りはなかなか手強い
とうとう山頂の一角に到着 山頂で乾杯!
堅一さんが寒風干しを焼く 菊水のお燗
満足しきった筆者 ナメコ汁とギョウジャニンニク醤油漬け
限定名手「梅花皮」をいただく 山頂に居合わせた方々
広い山頂も登山者で溢れる
ようやくダイグラ尾根が姿を見せた メンバーで記念撮影
下山を開始する また山でお会いしましょう
主尾根分岐で休憩 飯豊山が現れた
大高地山方面 白倉山方面
枯松山と大境山 元気な足取り
山頂を振り仰ぐ 民宿奥川入が眼下に見えた
満足気な表情 落ち葉を踏んで
次第に急になる 足元に気をつけて
バランス感覚の見せ所 転ばないように
オットット 駐車場が見えた
最後は階段を下る 無事下山!