登山者情報882号

【2005年01月22日/百石山/井上邦彦・菅野享一調査】

同行者:木内茂雄・高橋弘之・菅野享一・吉田岳・渡部政信
撮影:井上邦彦・木内茂雄・菅野享一
QVHとODDを迎えて伊佐領駅に向かう。駅ではAQL・AXL・EHJさらにQKGが出迎えてくれた。LFDは宮城と茨城の方を百石山に案内する予定であったが、仙山線で人身事故が発生し、栗子峠は吹雪で共に小国着が遅れ予定が立たないとのことであった。
ログハウス風の伊佐領駅で準備をし、10:36出発。旧伊佐領小学校跡で輪カンジキを装着する。EHJだけはスキーで登るらしい。桜並木だけが昔の面影を伝えていた。10:41学校跡
発。早朝QKGが踏んでくれたトレースを順調に進む。ルートはほぼ、夏道どおり。砂防ダム、杉林を抜けて、尾根に取り付くと雑木林になる。トレースがなくなった途端に膝上のラッセルが待っていた。案内役のAQLが先頭に立ち、大股で高度を稼ぐ。途中一服し汗をかかない様に薄着になる。AXLが目の上を横切るウサギを見つけたが、一瞬で見えなくなった。イタチらしい足跡のほかには獣の気配を感じることができなかった。
トップを交替しながら、ひたすらラッセルを続ける。胸突き八丁を登ると右手の尾根が見えてきて、11:40に1本杉の上の主尾根に出た。主尾根は流石に風があり雪もこれまでと比べて締まっている。AQL・AXLは鞍部で風を避けるため右手の窪地に向かったが、交替ラッセルのため疲れがないので、そのまま尾根を直登することとした。
吹き溜まりで急な部分もあるが、全体としては歩きやすい。左から登ってくる尾根と合流すると、山頂の一角である。12:16最も高い所まで進み、雪洞を掘る場所を探していると、雪庇が切れて落ちた。ついでなので脇の雪庇を切り取り、そこに横穴を掘ることにした。
今回QVHが自作の組み立て式スコップを持参、確かに効率は良いが、まだ改良の余地はあるように感じた。穴がほぼ掘り終わった頃、EHJがスキーで登って来た。雪洞の真上を通過しそうになったので、慌てて皆で止めた。
ともあれ大きな宴会場ができ、入口にツェルトとフライを張り、真ん中のテーブルで調理を始めた。まずはAQLからお燗が出てきた。本日のメインはEHJが持参した天然の鴨鍋。たっぷりと油がのった鴨鍋からは獣独特の匂いが立ち込める。肉を頬張ると兎にそっくり、合鴨などとは全く違う味である。兎を1羽2羽と数えるのも、さもあろうと頷いてしまう。QVHはいきなり納豆の引き摺りうどんを始めた。LFD一行は到着が遅れたため、近くの山で宴会を始めたと無線連絡が入る。
名残惜しいが仕事が待っているHZUがきもみ始めた。QVHが焼肉を始めたのを横目で見て、14:12AQL・AXL・HZUの3人が先に下ることとした。
山頂の肩まで戻り、登ってきた尾根と沢を挟んだ急な尾根を下る。これまで何十回となく百石山を登り続けているAQLが「こんなに潜るのは初めて」と呟いた。無線機からLFDの声が届いた。これから梅花皮荘に向かうとのこと、明日は道の駅横根で行われる鍋合戦を楽しむとのこと。
急ぐHZUがトップを交替する。左手の崖から離れないようにしながら高度をズンズン下げる。尾根が広くなり、杉林に入って行くと予想通り雪がやや硬くなる。ひょっこりと神社が現れる。眼下には伊佐領の集落が広がる。
神社から真直ぐに下り、旧伊佐領小学校跡に出た。そのまま駅に向かい、14:55伊佐領駅に到着した。AQLが無線で呼ぶと、残るメンバーは片付けを終え、そろそろ出発とのことであった。(以上HZU記)
取り残されたODD・EHJ・QVHの3名で15:15に下山開始した。先発隊のトレースも僅かに確認できる状況の中EHJは軽快な滑りで樹林帯を下る。ODDは千鳥足でトレースを辿る。自分は折角の初登なので途中シートで滑ってきましたが、雪が深く雪ダルマ状態でした。落陽の木漏れ日とモノクロの世界を満喫し、伊佐領駅到着16:40。約1時間30分程の行程でした。時々青空も覗きましたが、飯豊連峰の山並みはついに眺望できず次回の楽しみとなりました。今度は是非雪洞泊りで楽しんでこようと思っています。(以上QVH記)

今回のコース

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