登山者情報893号

【2005年03月21日/枯松峰(西俣ノ峰コース)/吉田岳調査】

今回は、HZU・IBY.EHJと私の4人で、とりあえず西俣ノ峰に向かう。そこでHZUは単独でウサギダナイコースへ、残りの3人は調子をみて枯松峰あたりまで行って引き返してくるという計画を立てた。それは私自身が膝に少し痛みを感じていたため、HZUに付き合う自信がなかったためでもある。
7時、奥川入荘の若旦那に見送られて出発。天気は曇り。回復方向という天気予報に期待をかけるが、風がやや強いのが少し気がかり。私はおとなしくしんがりを勤めさせてもらう。10分弱ほどで尾根に取り付く。しかし程なく亀裂ややせ尾根に阻まれ、スキー登行からかんじきに切り替えた。主尾根と合流し、8時20分630m地点にて一服。うちらの高度が上がるにつれ、雲も上がっていき、飯豊連峰も下の方から姿が現れてきた。山スキーデビューとなるEHJは、日ごろの運動不足のためかややバテ気味。最長老のHZUはどんどんと先に進んでいった。
傾斜が緩やかになった700m地点でスキーを履いた。9時、十文字池を越え、進行が西向きになった辺りから、頼母木岳と飯豊本山が見渡せるようになってきた。メンバーそれぞれここぞとばかりに写真撮りに励む。張りきりマンIBYはトップを切って、ペースを上げていった。最後の西俣ノ峰直下では、雪面が硬雪になっていたためにやや苦労を強いらされたが、9時52分に西俣ノ峰到着。天気は晴れてきて、眺めは最高。ただ風は強く、そのままでは休憩を取るにも厳しいくらいであったため、雪庇をくり貫いて雪胴を掘ることにした。
雪質が固かったが、30分ほどで雪胴は完成。HZUにフライシートで入り口を覆ってもらっている間に、我々はラーメン作りを行う。少しばかりの飲み物で、乾杯。今回は珍しくメンバーが4人も集まり、しかもEHJのおかげで平均年齢も比較的若い。やはりわいわい言って登るのは楽しいものである。HZUは一足先に荷物をまとめて出発し、我々はしばし雪胴からの眺めを楽しんだ。
11時20分、3人で枯松峰を目指して出発。快晴になり、景色は最高なのだが、風が予想以上に強く、また心配していた自分の膝も痛みだしてきた。本当は三匹穴辺りまで行きたかったのだが、やはり枯松峰止まりで仕方ないようだ。12時15分、枯松峰到着。写真を撮り、スキーのシールを外す。無線係のEHJにHZUと交信してもらうと、彼も今回はアイゼン無しでスキーのまま県境尾根を歩けているようだった。
 12時30分滑降開始。固めの雪が結構滑りやすい。デビューのEHJもなかなか上手である。12時50分、西俣ノ峰通過。この下が今回一番の滑降エリアとなる。風がやっと治まってきたためゴーグルを外して、滑り出した。十文字から下の尾根部分も、西側に回り込んで結構下まで滑ることが出来た。530m地点でスキーを脱ぎ、つぼ足で下る。痩せ尾根上部でスキー再開のポイントを伺っていたが、480m辺りから北側の沢にスキーで滑り出した。雪崩に注意して、亀裂やデブリを滑り切り、下の車道に出た。14時20分、奥川入荘に到着すると、一足先に着いていたHZUに出迎えられた。

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