登山者情報918号

【2005年06月19日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

昨日の寝不足がボディブローのように効いているが、LFD達が作ってくれた朝食を書き込み、06:24天狗平ロッジを後にする。湯沢ゲートは開いているが鉄パイプで車は通れないようにしており、地元の方が山菜入山券や遊魚券を売っていた。駐車場の車は多い。
さわやかなブナ林の砂利道を歩き、上の砂防ダムから山道に入る。アルコール漬けの頭で道脇の草木の話をしながら歩く。地竹原の近大慰霊碑を過ぎて、雪渓に降り立つ。ここから暫くは雪渓の窪みが目立つ。雪崩の堆積で盛り上がった部分で、右岸と左岸を横断しながら雪渓の上を歩く。具体的には、左岸寄りを若干進み、右岸寄りに移り、そのまま梶川出合を通過する。滝沢の入口は穴こそ開いていないもののかなり窪んでいる。梶川は雪渓がなく、上流から雪渓が薄くなっている。一方、梶川出合のすぐ下流も窪んでいるので、この間をすり抜ける。今後はスノーブリッジ化した時点で、梶川を渡渉することになる。
梶川を過ぎると左岸の多い輪が一段と大きく露出しているここも、これから微妙なルート選択となってくるだろう。その上流には雪渓の真ん中に島のように露出している部分がある。左岸側の雪渓の下は小沢が流れて夏道がある筈だが、不要意に近づかないことである。赤滝右岸の水場は使えるが、下流からは近づかないこと。石転ビノ出合直下の右岸に流れている枝沢には近づかないこと。
石転ビノ出合について見上げると、これまでの車両規制の反動のせいか、登山者が蟻の群れのように登っている。幸七尾根末端の水場は涸れていた。出合の三角岩と、すぐ上流の平坦な岩が露出している。平坦な岩まで進んで休憩とする。
09:13下山組と分かれ、8名が上を目指すことになった。無線によるとLFD達は滝沢に入り梅花皮大滝見物に行っているとのこと。今年、滝沢に入れるのはこれが最後だろう。
雪崩の跡がない綺麗な雪面が上まで続いている。こんな年も珍しい。ホン石転ビ沢にはまだたっぷりと雪渓が続いており、迷い込みや落石の可能性がある。対岸(左岸)の枝沢は雪渓が切れてきた。この枝沢の脇で休憩とする。
ここから先は傾斜がややきつくなる。丁寧に足場を選んで軽登山靴のエッジも使いながら登る。特別参加のSさんが遅れ始める。右岸からの亀裂は前回より大きくなっている。下山時には注意をしたい。左岸の枝沢の雪渓はまだ続いている。
北股岳から北股沢に掛けての斜面には、まだ豊富な雪で覆われている。北股沢出合から上部は、視界が効かない時には、かなり迷いやすくなっている。北股沢と石転ビ沢の間の尾根が大きくなってきたので、若干石転ビ沢側に入ると、落石を避ける良い休憩場になっている(絶対安全ということではなく、確率が低いと言う意味です)。
昨夜、梅花皮小屋番を勤めたODDは花に囲まれて扇ノ地紙付近を歩いているとの無線が入る。GZK一行は小屋の近くで雪上訓練を行っていると、これまた無線で連絡が入る、
見上げると、黒滝付近に右岸から亀裂が伸び、中ノ島(草付)が顔を見せ始めている。入山者は様々なルートを登っている。
全員が集合した時点で、これ以上登る事を止め、側斜面でSさんとAさんの雪上訓練を行うこととした。

天狗平ロッジで指導委員会総会 うまい水にて
地竹原から雪渓に降りる 梶川出合
梶川出合上流の水場の岩 2003年6月事故現場(717号)の
大岩が頭を出した
石転ビノ出合に到着
石転ビ沢 石転ビ沢の大岩にて
8名で上部を目指す ホン石転ビ沢は雪渓が続いている
ホン石転ビ沢対岸の枝沢は
雪が消えてきた
スプーンカットを利用して登る
石転ビノ出合を見下ろす ホン石転ビ沢上流右岸には亀裂がある
まもなく北股沢出合 次第に斜面は急になる
北股沢出合全景
中ノ島(草付キ)が露出し始めた 沢山の登山者が登っていた
偶然GZKパーティと合流 急斜面も平気
キックステップも様になってきた 下山を開始する
尻セードを楽しむ 素早く滑落停止
なごり惜しい 豪快に尻セードを楽しむ
雪渓の楽しさを満喫 遊びながら下山
童心に帰って 楽し〜い
振り返る 石転ビノ出合から下流を覗く
滝沢出合から梶川出合を望む 春蝉の抜け殻
上の砂防ダムから見上げる

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