【2005年9月4日/日暮沢小屋〜竜門山〜大朝日岳〜古寺山/井上邦彦調査】
メンバー:JF7HZU・川口
日暮沢小屋は駐車場が少ないとの情報があったので、道路情報は大江山岳会のホームページ「朝日連峰の道案内」を参考とし、道の駅大江で合流しHZUの車で大井沢トンネル経由とした。
日暮沢小屋に着くと駐車場は満員だがすぐ先の路肩に止めることができた。雨の中、車中で準備をして外に出ると、しきりと雷が鳴り響く。小屋は2階建てで水場は外にあった。泊まっていた2名の方の「こんな時に登るの?」という視線を背にして、06:12小屋の脇の立派な道を歩き始める。部分的な急坂はあるものの、全体として穏やかな登山道である。周囲はブナやナラに覆われている。カッパの中はサウナ風呂状態であるが、盛夏は過ぎているのが助かる。雷鳴は依然として鳴り止まないが濃いガスのためか雷光は見えない。森林限界を抜けても雷が収まらなければ、そこから下山すれば良いと考え、黙々と登る。
07:25-40ゴロビツ水場でお握りを頬張りカッパの上を脱ぐ。水場は僅かに下った小沢であり、若干濁っていた。カッパを脱ぐと爽快であり、快調に登る。08:21-32清太岩山の標柱で食事。既に雷は遠ざかったようである。08:55-59ユーフン山(標柱なし)を通る頃からガスが切れ始めた。エゾオヤマリンドウ(盛)・エゾシオガマ・ミヤマアキノキリンソウが足元に咲いている。本日始めて登山者とすれ違う。
以東岳・寒江山が姿を見せる。目の前に聳える竜門山の肩に竜門小屋が見えた。09:29稜線の標柱に出る。右に下って09:39-10:13竜門小屋に到着する。小屋の前に引かれたホースから水が流れていた。小屋に入ると遠藤さんがいた。10年ほど前、齋藤喜美雄・横山秀一・鈴木正典君と初冬に今回と同じコースを一緒に歩いた記憶が蘇った。今は竜門小屋の管理人をしていると言う。また県山岳連盟で顔馴染みの柴田さん(紅花霞城)も小屋に入ってきた。ここで持参した缶ビールを飲み、大朝日岳を目指す。
竜門山への登り返しはミヤアキノキリンソウ(盛)・ウメバチソウ(盛)・ハクサンイチゲ・コゴメグサが咲いている。10:25分岐に戻る。相変わらず山稜は雲に覆われている。
ハクサントリカブトを見ながら笹原を進む。登山道にオオバコが多いのに驚かされた。草原の草紅葉が色づき始めている。ナナカマドの実が赤くなり、ミネザクラの葉も衣替えを始めた。
11:07-16西朝日岳には大きな標柱が立っていた。ここから稜線の右は小国町のエリアになると思うと、嬉しくなる。中岳は稜線の左右に道を変えながら登っていき、山頂を通らずに下り始める。途中で急に雨が降ってきたので慌ててカッパを着る。
12:07鞍部の分岐(標識あり)から下る。7月30日に来た時にはヒナザクラが咲いていたが、今はウメバチソウに変わっていた。12:09-12金玉水で水を補給し、12:16分岐に戻る。雨の中を登り続け、12:36-38大朝日岳山頂に到着する。セルフタイマーで記念写真を撮り、早々に下山する。
12:50-13:46大朝日小屋では大場さんが雨水を貯めていた。小屋に入れてもらい、荷物を広げる。先ずは冷凍してきた缶ビールで乾杯!程よい温度になっていた。管理人の大場さんは10月まで管理を続けるとのこと、登山者の少ない状態では何かと大変だろう。
小屋を出ると雨は上がっていた。ミヤマリンドウ・タカネナデシコ・ウメバチソウ・ミヤマアキノキリンソウエゾオヤマリンドウ・ウツボグサ・ミヤマクルマバナ・ハクサンフウロの咲く登山道を下る。上部は流水でかなり登山道が破壊されており、下部は石階段と植生復元の筵で覆われて味気ない。
14:00-03銀玉水の水場は、護岸工事のように整備され、塩ビ管から水が出ていた。これも便利ではあるが、味気なく感じられる。その先は学園の生徒が「一番好きな場所」と言っていたダケカンバのある平坦地で、実を付けたヒメサユリが登山道脇に並んでいた。
熊越(鞍部)から僅かに登り、14:29標柱から左の巻き道にはいる。ブナが出てくる。途中2箇所ほど小沢を通ったが普段は水が流れていないとのことであった。またザレ場のヘツリもあり、積雪期は当然ながら小朝日岳経由になるだろう。道は次第に登って行き、14:44標柱のある分岐で小朝日岳から下ってくる道と合流した。ここからはなだらかな道が続く。
14:59-06古寺山々頂の標柱で休憩を取る。時折山並みが見える程度で視界は相変わらずなく、すれ違う登山者もいない。
15:24三沢(サンザ)清水は道の脇にホースで水が引かれていた。大場さん達が200mほど離れた所から引水しているとのことである。登山道は土嚢と側溝で水を外に逃がしており、丁寧な作業に頭が下がる思いであった。
15:41-45ブナ林の鞍部にハナヌキ峰分岐の標柱が立ち、ナナカマドの実が赤くなっていた。ここからひと登りをして、ハナヌキ峰を過ぎると下りになる。始めは傾斜が緩く快適に歩いていたが、途中から急坂になり、慎重に降りる。沢音が聞こえて眼下に急流を眺め、道は右に折れて水平になる。やや深い沢を越えて、ブナ林を歩き、カッパを脱ぐ。水平道は昔の車道の面影を残すように広くなり、16:47車道に出る。橋を渡り、17:09日暮沢小屋に到着した。