登山者情報960号

【2005年10月09-10日/大鳥池〜大朝日岳〜古寺鉱泉/木内茂雄調査】

タイム (10/9)
大鳥池登山口5:42〜6:37吊り橋〜7:10二番目吊り橋〜8:17タキタロウ山荘(大鳥池小屋)8:49〜9:16池より離れる〜10:36森林限界〜11:37以東小屋12:18〜12:24以東岳12:30〜14:10狐穴小屋
(1010)狐穴小屋5:15〜5:30三方境〜5:42北寒江山〜6:12寒江山〜7:14竜門小屋〜7:30竜門山〜8:40西朝日岳〜9:30金玉水〜9:42大朝日小屋9:46〜9:57大朝日岳10:10〜10:16大朝日小屋10:47〜11:00銀玉水〜11:28小朝日岳への分岐〜11:45小朝日岳からの道に合流〜12:06古寺山12:11〜12:24三沢清水〜12:41ハナヌキ山分岐〜12:48一杯清水〜13:13合体の木〜13:30古寺鉱泉
記 録
大鳥コ−スは40年前の5月に登ったことが有るが、全然覚えていないので、昔の友と車を交換して、途中で鍵を交換することにして実行に移した。
前日、大鳥池登山口駐車場に車を止めて、翌朝、夜明け間もなく出発する。直ぐ右側に泡滝ダムが有り、雨水を豊富に加えて音を立てて水が落ちている。その脇を過ぎ、大鳥川右岸沿いに緩やかに登る。斜面の沢を見下ろす位置に道は延々と続くのに、いつもながら感心するのは、よくも此の様な道を造ったものだと思う。
途中、左から流れて来る冷水沢を吊り橋で渡り、その先で今度は大鳥川を吊り橋で渡り左岸を歩く。一度傾斜が少しきつくなり、そして、緩やかになったなあと思っているうちに右に大鳥池がブナ林の木間越ししに見えて来る。少し平に歩いてタキタロウ山荘(大鳥小屋)に着く。小屋の前で池が見下ろせ、傍らのテ−ブルの前に腰掛けて足元を見ると、ブナの実が一面に散らばっている。しかし、辺りをはまだ紅葉していない
小屋の前には水道がひかれているし、トイレは綺麗だ。それから池を左周りに半分くらい歩いて左から流れて来ている東沢(増水時には注意とある)を渡り、やがて池から離れて左の斜面の登りとなる。この登りはやっと山らしい登りで張り合いが出る。この辺り勿論花は咲いていないが、葉で判断するとカラマツソウ、イワカガミ、イワウチワ、アザミ、アキノキリンソウ、アキギリ、ネバリノギラン、ナルコユリ、ツルアリドウシ、ツルリンドウ、等が有る。そして背面は次第に大鳥池を見下ろせる様になり、間もなく森林限界に飛び出す。この頃には大鳥池は熊が腹這いになった様な全容を見せてくれる。斜面はいくらか緩やかで、草紅葉に覆われていて、その中にツバメオモトとチングルマの紅葉が目立ち、その他、マイヅルソウ、イワショウブ、キンコウカが判別出来る。その他笹が多く、登山道は雨で大分荒れている。
左側オツボ峰からの稜線の斜面は丁度良い紅葉で緑、黄色、赤が入り混じった絨毯をなしている。それを眺めながら以東小屋への急登を一頑張りする。
小屋から眺める山頂は時々霧に目隠れするが、易しい姿をしている。此処から大朝日までの縦走はお花畑の連続だ、勿論今は咲いていない。目立つのはミヤマキンバイ、チングルマ、ハクサンイチゲ、マツムシソウが多く、それにハクサンフウロ、ヤマハハコ、ハクサンシャジン、とシャクナゲが点在している。葉だけで判断しているので、その他にも多数の花が咲くと思われる。
以東岳の下りで霧の時は右側斜面に雨で道が出来ているので迷い易い。天気は晴れで有るが、遠くは雲が多い。稜線漫歩しながら、恐らく見えるはずの大朝日岳を想定しながら歩く。狐穴小屋は良く見え、花を探していくと、小屋までの間には前述以外にヒメサユリ、ホソバウスユキソウ、ウメバチソウを見つける。小屋の周辺は石を敷いてよく整備されていて、水も豊富に出ている。
(10/10)夜中に数回起きて外を見たが霧、そのまま朝まで曇りで早朝に出発したが遠望が効かない。そして、紅葉はと見回しても、ミネザクラ、ミネカエデ、ナナカマド等は葉を散らしていてもう冬支度にかかりつつある。寒江山周辺でヒナウスユキソウの葉と終わりかけのオヤマリンドウを見つける。途中で少し雨に降られたと記す以外何も記すことも無く、唯、山の起伏を黙々と歩き、標識を通過する度に前進している事を認識する。
そして、霧の中大朝日山頂に登った。山頂の標識は丸木から石の方位柱に過わっていた。大朝日小屋に戻り、天気祭りをするつもりでビ−ルを買おうと管理人に聞いたら無いとの事、前の小屋で調達すればよかったなあと思いつつ、お茶で濁した。
以後も天気は霧で、記憶に残っているのは、小朝日分岐辺りまで時々チングルマの紅葉を見るのと、どこかでオヤマボクチの枯れた実と、太い岳樺が有った事。そして古寺山辺りにオヤマリンドウの群生、一杯清水辺りのブナの大木、合体の木(ブナとヒメコマツが根元で合体している)と、この周辺には根元の幹周り7〜8メ−タ−も有りそうなヒメコマツの大木が何本も有った事。それから、この辺りはまだ紅葉していないと記すのみで古寺鉱泉に降りた。

タキタロウ山荘 タキタロウ山荘を望む
紅葉 大鳥池を見下ろす
以東小屋 以東小屋前にて以東岳
以東岳登りにて小屋を振り返る 山の紅葉
竜門山方面を望む 狐穴方面を望む
狐穴小屋遠景 狐穴小屋
紅葉 岳樺と紅葉
ナナカマドの実 岳樺と紅葉
オヤマボクチの実 小朝日岳を背に紅葉
ブナと紅葉 古寺鉱泉全景