登山者情報961号

【2005年10月20日/大日杉〜飯豊本山〜石転ビ沢/吉田岳調査】

 日帰りで、まるでHZU並みのコースを組んでしまった。個人的に速攻登山はあまり得手としないのだが、日程の都合上こうなったのである。
 5時半、ヘッドランプを付けて大日杉小屋を出発。ザンゲ坂手前でライトを外した。尾根道に出ると、ちょうど日の出を拝められた。快晴のもと、山形・福島両側に雲海が広がる。朝日に照らされた紅葉もきれいであり、気分良くコースを進む。7時10分、地蔵岳到着。飯豊本山とそれに連なる稜線が、目の前に広がる。登山道脇では、真っ赤な実を付けたナナカマドが目を引いた。8時半、白い樹皮が目立つダケカンバ林の御坪を通過。9時10分、切合せ小屋到着。突然ガスに覆われ、これを境に、飯豊お得意の「視界無し山行」となった。
 10時35分、本山小屋着。ここで初めて登山客と出会う。先方も人の少なさに驚いているようだった。ここまでだいたい予定通りのコースタイム。なんとか今日中に飯豊山荘まで下りられそうである。本山付近で、コメバツガザクラが岩にガッチリとしがみついたまま紅葉していた。他の草もみじ系は、すでに終わっている。弘法清水下の雪渓は、まだ残っていた。時期的に、これらは越年雪になるのだろう。12時、新装したての御西小屋に到着した。昼食の後、梅花皮に向けて出発。
 13時15分、御手洗池通過。相変わらずガスの中。通常の天気予報は、飯豊の山中は適用外のようだ。梅花皮岳まで着たら、ようやく晴れ間が出てきた。この辺りで、一輪のタカネマツムシソウを発見。今回唯一のお花となるが、残党兵的には、マツムシソウが一番強いように思われる、14時10分、梅花皮小屋到着。小腹が空いたため、ラーメンを作った。
 14時50分、ちょっと長居してしまったが、石転ビ沢の下山を開始する。石転ビ沢は、予想以上に、ガラガラの石ころに苦労する。微妙に残った残雪も、崩れそうで怖い。ホン石転ビ出合下では、ようやく50mほどの安定した残雪歩きを楽しめた。斜面の紅葉はちょうど見頃で、残念ながら暗くなりかけていたが、残雪に紅葉といった珍しい眺めを見ることができた。16時15分、出合通過。あとは登山道を歩けばよい、気がやっと楽になった。
 16時55分、旨い水通過。お迎えとの約束の飯豊山荘17時半は、ちょっと遅刻で何とかなりそうだ。林道に出た頃には日がとっぷりと暮れてしまった。ほんとつるべ落としである。17時35分、何とか飯豊山荘に到着。温泉につかり、疲れを癒した。
滝切合せにて 地蔵清水付近
たわわのナナカマド 飯豊本山を望む
秋晴れの下 ナナカマド越しに本山を望む
草履塚(左)、本山(右) 御坪でのダケカンバ
紅葉のコメバツガザクラと
まだ青いコケモモ
弘法清水下の残雪
タカネマツムシソウ 石転ビ沢を見下ろす
石転ビ沢源頭部 残雪に紅葉

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