登山者情報987号

【2006年03月07日/光兎山 カラギ沢滑降/吉田岳調査】

 国道290号線から見える光兎岳の山頂から、一筋の白い斜面が続いているのに気づいた。単純に「滑ってみたい」と思った。地形図を見てみると、コース上はけっこう痩せ尾根が多く、また小ピークがいくつもある。スキーでどこまで行けるのかわからず、また時間的にも不安はあったが、とりあえず向かってみる事にした。光兎岳は、2年前に会のメンバーで独自のルートから挑戦し、痩せ尾根と視界不良に苦しみながらも、なんとか山頂らしき所に到着したのだが(784号参照)、今回は果たしてそこがほんとに山頂だったかを確かめる目的もある。
 6時40分、千刈地区の除雪止まりより出発する。5分ほど林道を歩き、適当な所で斜面に入っていく。夏道はよく分からなかったが、藪の少ない尾根道を登っていった。1時間ほど登った所で休憩。標高は333m。なんと、私の自宅の標高までに、1時間もかかってしまった。
 450m辺りで、光兎山の山頂が見えた。まだまだ遠い。その後はアップダウンをいくつか繰り返す。尾根道もだいぶ細くなってきたが、なんとかシール歩行で登ることができる。9時、850m峰に到着。ここまでは順調である。ただしこの先は、狭い尾根に雪庇が張り出し、雪面もだいぶ硬くなってきた。左右の斜面に入れば雪崩の危険性がある。坪足歩行に切り替え、尾根道を慎重に辿ることにした。最後の登りに1時間ほどかかり、11時、山頂に上り詰めた。
 山頂は360度の大パノラマ。特に飯豊、朝日連峰の眺めが素晴らしかった。2年前に来たのも、地形を思い起こすと、どうやらこの山頂のようである。さて、いよいよここからの滑降である。登りながらだいたいのコースは決めてきてある。なんとか滑れそうだが、雪崩には要注意である。山頂から急斜面に向かい滑り出し、後は沢沿いをさっさと滑り降り、30分ほどで登り返し地点のブナ林に到着した。
 ここからかんじきを履いて登り返す。740m地点より、再びスキーを履き、尾根沿いにトラバース気味に滑っていった。後はしばらくこんな感じである。最後は混んだ林の斜面を滑り降り、14時、駐車場に到着した。気持ちよい滑降とはいかなかったが、山頂からの眺めと、光兎山を滑り降りられたことに満足させられた。それにしても千mにも満たない標高ながら、なかなか手ごわい山である。
光兎山案内図 光さし込むブナ林
遥か彼方に光兎山 霧氷になったナナカマド
南斜面は、全層雪崩の様相 核心部。痩せ尾根が怖い
山頂より、来た道を振り返る 朝日連峰
 ブナ林で一安心 山頂からの滑降コース

http://blogs.yahoo.co.jp/rasseruman