『山の文化 in Yamagata』

 この企画は、2014年10月13日に米沢市伝国の杜において88名の参加者を集め、日本山岳文化学会第9回地方講演会として、山形県山岳連盟・日本山岳文化学会・日本ヒマラヤ協会の主催で実施された。
 佐々木山形県山岳連盟副会長の司会進行で始まり、清野会長と山森日本山岳文化協会副会長が挨拶を行った。
 講演は昼食を挟んで4名の講師が各60分。元山形県立博物館長の春山進氏は「庄内信仰風土」と題して、出羽三山信仰は自然崇拝と祖霊信仰が合わさった蘇りがテーマであり、支社は穢れていないと説明した。また森(モリ)は朝鮮語の「モイ=死者を葬る所=聖域」に通じると、三森山のモリ供養を紹介した。庄内地方では仏壇の上に神棚を祀るが、これは死者が33回忌を経ると仏から神になるからだと話してくれた。
 日本山岳文化学会の和井田一雄氏はわらじの仲間会員であり、「飯豊連峰登山史と文献」と題して話してくれた。特に積雪期の記録では長井山岳会や川西山の会などの名前もあがり会場を楽しませてくれた。
 3人目は鷹匠の松原英俊氏が「鷹と大自然の中で生きる」と題して、幼少期から自分が体験してきた動物達との関わりを、ユーモアを混じえて話してくれた。彼は現在クマタカとイヌワシを使って実際に猟を行っている唯一の鷹匠であるが、結局最後まで鷹の話は出てこず、鷹の話は次回と締めくくってくれた。
 最後は朝日新聞長野総局記者、近藤幸夫氏の「ジャーナリストから見たヒマラヤ登山」。現在のエベレスト事情、一般ルートは殆どが商業公募隊で、BCから山頂まで梯子や固定ロープが張り巡らされていること、47カ国から客が来ていること、エベレスト一極集中になっていることなどを語ってくれた。

佐々木副会長の司会進行
清野会長
山森副会長
安部米沢市長
春山講師
和井田講師
松原講師
近藤講師
伊藤ヒマラヤ協会理事の挨拶

おわり