国体に参加しての想い(山岳競技)              

2009年10月19日
山形県山岳連盟 会長 清 野  孝

第64回国民体育大会新潟国体山岳競技は以下のように開催された。

期  日  2009年10月3日(土)から5日(日)
場  所  上越市安塚B&G海洋センター特設会場
参加者 監督 山田 勉
    選手 手塚 慎也・滝口 康博
    競技役員  清野  孝(県岳連会長)
    県岳連視察員 佐々木義博(県岳連副会長)・青木健一(県岳連理事長)・平田健治(県岳連事務局長)
成  績  リード競技 28位   ボルダリング競技 40位
【感想】  
 山岳競技として昨年から取り組まれた本競技は従来の登山を基本とした競技ではなく、インドア競技であるフリークライミングと言う新しいスポーツを主体とした競技である。
 全国ではフリークライミング協会が中心となり都市部では『ジム』が地方では公共施設に付帯された施設を使って普及拡大に努めている、登山を基本とした従来の競技は全国高体連登山部を頂点に生徒指導がなされそこから国体選手が派遣されることが多かったが、本県も他の県同様本競技は新しいスポーツとして山岳を担当する方々が取り組んでおり、選手、組織、施設、指導者、運営方法などを模索しながら取り組んでいるのが実態である。
 このような現状の中、国体山岳競技は4年後どのような取り扱いになるのか不安要素を抱えたまま、高体連登山や一部『ジム』から興味のある選手に対する指導を継続し普及拡大しなければならない。 今回の選手、監督は従来から継続し選手を務めてきた選手であり、結果は表彰台に届かなかったが、今後本連盟として取り組まなければならない選手の育成強化に大きな成果を挙げたと言える。
 県岳連はこの秋から高体連登山部や愛好者のために競技規則の説明、施設の整備拡充要請、運営方法等の説明会の開催や各種大会の開催などを実施する予定でありこれには多くの参加者を募る計画を進めている。
 本国体の会場地は山形からも近く、又大会役員のため前日から車中泊まりにより会場入りを行い、精力的に中央競技団体幹部特に国体常任委員会委員と全国の状況、今後の競技に対する取り組み内容、他県の実情など情報収集を行い今後に向けた手立てを模索した。 

国体を振り返る(山岳競技)

2009年10月25日
                 山形県山岳連盟 理事長 青木 健一

 今年度から役員が変わり先ず進めなければならない仕事が国体県予選会の開催でした。今年は、少年男子の参加者が急増し予選会競技日程も大幅に延長する等喜ばしい運営状況でした。また、少年女子の部では練習期間3ヶ月の選手がリード競技で優勝する等全国的に若い選手人口の急増と経験年数の少ない選手が好成績を発揮する傾向が、山形県にも広がりつつあります。
 国体においては、東北地区のレベルも高く宮城県が国内はもとより世界選手権でも屈指の選手陣に囲まれていますが、今年は岩手県少年男子がリード競技で優勝したことは、ますます東北地区のレベルの高さを示すものです。特に岩手では、約6年前からボルダリング施設の国体強化選手用ボードを整備し、その当時懸命に練習に明け暮れていた少年が昨今の成年の部に出場しており、正に山岳競技の現状は中高校生がたった数年で国体入賞する可能性が極めて高い競技といえます。
 山形県は、成年女子がリード競技で入賞した経緯があり卓越した技術を有した選手に恵まれております。このような中、ベテラン選手に加え若手の選手の技術も向上してきました。他県でも若く経験年数の浅い選手層が活躍しておりますので、本県でも今後一層ジュニア育成に傾注してまいりたいと考えております。
 施設の状況では、公的施設の整備が全国的に遅れている中、山形県でもクライミング施設整備が遅れており、公的ボルダリング施設は皆無の状況であります。今後、更にクライミングに携わる皆さんや関係機関との連携体制を強化し、競技人口の拡大と指導育成体制の充実、施設整備の促進に努め近年国体入賞を目標に計画的に推進してまいります。