2016年度 山形県山岳連盟 登山部研修会(兼)冬季指導員研修会

【2017年02月25〜26日/大江町やまさぁ〜べ/井上邦彦報告】
 山形県山岳連盟 登山部研修会(兼)冬季指導員研修会が、2月25日〜26日の日程で大江町山里交流館やまさぁ〜べで開催されました。初日は挨拶に続いて井上邦彦副理事長が「登山道の保全・低体温症」について講義を行いました。その後に、指導員会・遭難対策委員会・競技部からの報告、さらには山のグレーディングについて協議がありました。
 翌日は吉田岳副委員長を中心に、体育館で最近のロープワークについて研修を行いました。指導員以外に山形県警山岳救助隊員も参加して、充実した研修になりました。
高橋岳連副会長と地元木村大江山岳会長から挨拶
菅野登山部長
井上副理事長が提起した低体温症のポイント
(参考文献:トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか・岳人No836号登山と体低体
温症)なお今回は予防と軽度症状について考える
トムラウシの症状
・意識朦朧、意識が飛ぶ、つまづいて歩けない、四つん這いで歩いた、右と左
の区別ができない、目が見えない、転倒を繰り返す、奇声を発する
・コアの体温が34℃では運動機能、言語機能、精神状態に異常をきたす
・熱射病は放熱のために血管が拡張し脳は酸素不足になる
・低体温症は震えによる熱の生産を優先させるため脳血流が不足する。
この時点で対応できないと回復は困難になる。
トムラウシ遭難の大きな要因は、知識が不十分だったことと摂取カロリー不足
である。
・ポイント次の4点である。
@ 食事(特に炭水化物を摂る)
A 隔離(風、濡れ、熱伝導、衣類やシェルターとの間に空間が必要)
B 保温(頭部と首)
C 加熱(ウォーターバックの活用)
稲泉顧問が提起したポイント
・全国で始めて本格的な裁判になった山形商業高校の遭難事案
・自分が引率して飯豊連峰で経験した生徒の症状と対応
指導員会の事業報告
遭難対策委員会の報告
競技部の報告
・「私達は指導員として新しい知識を積み重ねていく必要がある。そのために
FAの第一人者を招きたい」との提案があり、全員一致で県岳連の2017年度
事業として常任理事会に提案することとなった。
初日の参加者
懇親会には渡辺兵吾大江町長が駆けつけてくれ、大学時代に登った北海道の山について熱く語ってくださいました
大江山岳会から手作りの料理もいただき、大いに盛り上がりました
二日目は体育館でロープワーク
新しいい技術を確認していきます
最初は懸垂下降です
昔とはエイト環の位置が違います
流動分散の固定
様々な用具の特徴
吊り上げはロープの連結部分の通過や、途中での吊り下げへの変更
SABも以前とはだいぶ違っています
要救者を背負った隊員を連続して確保する方法
2日目の参加者です お疲れ様でした

おわり