平成26年度 全国山岳遭難対策協議会 報告

【2014年07月04日/登山部副部長・遭難対策委員長:阿曽清浩調査】

日 時   平成26年7月4日
会 場   文部科学省 3階講堂
参加者  各都道府県教育委員会の関係者、各都道府県山岳遭難救助組織、各都道府県山岳連盟(協会)高等学校登山部(山岳部)山岳ガイド、山小屋関係者、
       エージェントツアー登山関係者、メディア関係者、登山道具製造業及び小売業者関係者、高等専門学校山岳部及び大学山岳部の関係者、その他山岳団体関係者。
内 容   
(1)開会式10:00〜10:10

(2)報告T「平成25年中における山岳遭難の概況」10:10〜10:40
    報告者:警察庁生活安全局地域課課長補佐川井伸氏
     ・山岳遭難発生状況  ワースト 1)長野  2)静岡) 3)北海道
     ・遭難者居住地    ワースト 1)東京  2)神奈川 3)大阪
     ・山菜・茸取り    ワースト 1)北海道 2)秋田  3)青森  4)山形  5)新潟   日本海側に集中している!
     ・年代別 60代が686人で他の年代に比べて最も多く、全国遭難者数の25.3%を占めている。

(3)報告U「山岳事案への対策と関係機関との連携」10:50〜11:50
    報告者:富山県知事政策局消防課富山県防災航空センター主任 防災航空隊副隊長若島豊紀氏
     ・富山県消防防災ヘリ 「とやま」ベル式412EP  JA6768
       消防の赤と富山県のカラーの緑。
       航空隊員8名・東邦航空6名(委託)  基地は富山空港。
     ・緊急運航件数・・・・H25 緊急出動 140件
       うち2,000m以上での活動件数71件全体の半数を占めている。

    報告者:富山県知事政策局消防課富山県防災航空センター技師 防災航空隊隊員布上久典氏
      ○ヘリによる山岳救助活動の危険性
     ・ほとんどが、低ホバリングでの投入、収容とホイスト装置での投入、収容。
     ・ホバリング性能を妨げる要因
       1)全備重量の増加。  2)気圧高度の増加。 3)外気温の上昇。 4)高高度  5)横風・背風・下降風
     ・ヘリ全備重量の軽減策  主に@エアコンの取外し A最小限の搭乗人数  B最小限の資機材のみ積載 C燃料の調整
     ・飛行可能時間  例)夏場(地上気温が概ね27℃程度以上)
       1,000Lbs→約1時間
       1,000Lbs(60分)−往路20分+復路15分=現場活動時間  25分
     ・現場でのリスク   活動環境の変化。瞬時の状況
         
         (昼食・休憩11:50〜13:20)

(4)講演T13:20〜14:20
   「槍ヶ岳における外国人登山者の現状」
     講師:槍ヶ岳山荘グループオーナー穂苅康治氏
     ・外国人登山者は、ほとんど地図を持っていない。HPを見てくるようだ。
       安全対策として:外国人向けのパンフレット(県の補助金)を作成し啓発。
     ・早立ち、早着に努める!(4時前には着くよう努める)
     ・美しい自然の保全に協力を!(国立公園の利用のルール8つのお願い)
     ・トイレの使用について
       高地においては、紙の分解がしにくいので、備え付の容器に入れる。
       各山小屋で処理方法が異なっているので指示に従う。
     ・槍ヶ岳山荘:HPの利用。 英文ページ、ハングルページ、登山届フォーム。
     ・外国人の特徴
       欧米人は軽装で来る。寒さに強い。 韓国人は体力がある。
     ・(韓国)
       道標に連絡用の電話番号が記載されている。
       入山カウンターがある。

(5)講演U14:35〜16:00(質疑応答10分)
   「雪崩事故の実態と山岳利用者の特徴」
     講師:特定非営利活動法人日本雪崩ネットワーク理事長出川あずさ氏
     ・主な活動
       雪崩教育・雪崩情報・事故調査・リソース(日本ガイド協会教本等)
     ・雪崩死亡事故の発生場所
       1位 山岳   2位 スキー場 3位 作業現場
     ・都道府県別の雪崩死者数
       1位 長野県  2位 北海道  3位 富山県   6位 山形県
     ・雪崩:山岳レク=スノーモービルは危険。地形とグループマネージメントに問題。
     ・ビーコン所持人数
       BCスキーヤーが多い。次にBCスノーボーダーで山岳系が低い。
     ・山での注意(どのような方向性があるか)
       1.あなたは今、どこにいますか?    〈雪崩地形〉
       2.大丈夫だと判断した理由は何ですか? 〈安定性評価〉
       3.もし雪崩たら何が起こりますか?   〈リスク認知〉
       4.他に選択技はありますか?      〈意志決定〉

(6)閉会式16:10〜16:20