飯豊朝日連峰の植物達
【 No.007 イワカガミ(ヒメイワカガミ) 】

 葉がポイントである。イワウチワの葉の先端が窪んでいるのに対し、イワカガミの葉は先端が窪んでいない。もちろん、花が咲けば両者の区別は容易である。
 「飯豊連峰・山形県総合学術調査隊」には、イワカガミ・コイワカガミ(クリ帯〜高山帯に普通)、ヒメイワカガミ(高山帯に稀)と記載されている。低山部のものは高山帯のものと比べ大型で力強く明らかに異なるが、森林限界付近では中間型もあって困惑する。基本的にオオイワカガミ・イワカガミ・コイワカガミの分類は困難なようである。
 強いて言えば低い所には大型で多数の尖った鋸歯があるオオイワカガミ、標高が高くなると尖った鋸歯のあるイワカガミがある。さらに高山に生えるものは鋸歯があまり尖らず、コイワカガミと呼んで区別することもあるが、普通のイワカガミとはっきり区別することは難しいと記載されている「日本の野生植物V」。
 一方、ヒメイワカガミは鋸歯が少なく(1-5対)区別が可能なようである。鋸歯はまんべんなくあるのではなく、方向性を持っているように思える。

オオイワカガミ
イワカガミ
イワカガミとコイワカガミの中間型
コイワカガミ
コイワカガミの拡大画像
ヒメイワカガミ
ヒメイワカガミの拡大画像