飯豊朝日連峰の植物達
No.004 ムラサキヤシオ

 以前からムラサキヤシオには2種類があるような感覚はあったが、特に調べることもなく漫然としていた。そんな時に某氏から「登山者情報にムラサキヤシオと記載しているものの中に、ユキグニミツバツツジがある」との指摘があった。
 私の持っている図鑑にはない名前である。しかし指摘のあった画像を見ると確かに葉が3枚である。「日本の樹木」を見ると、サイコクミツバツツジだけが分布域にあり「山形県以西」と記載されている。さらに「飯豊連峰・山形県総合学術調査会」にもサイコクミツバツツジがクリ帯に散生しているとあった。
 さらにネットで調べてみたら次のことが分った。
@ 植物を覚えたてのころ、サイコクミツバツツジと覚えました。その頃の図鑑にはユキグニミツバツツジという項目はなかったと思います。葉裏の主脈基部まで毛があり、葉柄には毛がないことで見分けます。
A ムラサキヤシオツツジは雪解けと共に新緑の尾根筋などでひときわ目立ちます。これによく似たユキグニミツバツツジ(サイコクミツバツツジ)は3枚の葉(ややひし形)が輪生しています。
B 本種は、かつてはトウゴクミツバツツジに対して、サイゴクミツバツツジとされていたが、分布域や九州産との違い等からユキグニミツバツツジとして命名されることとなっている。ユキグニミツバツツジは、ツツジ科の落葉樹である。樹高は3m程度に。葉は枝先に3葉輪生する。葉形は菱形で、全縁、表面は無毛であるが裏面には毛が見られる。主脈には褐色の毛が見られるが、葉柄には毛が見られない。分布:本州日本海側の秋田県〜鳥取県。
 以上のことから、ユキグニミツバツツジと呼称するのが適当だとした。なお、私が違和感を感じていたのは、葉ではなく花弁のボリュームである。

ムラサキヤシオ 花弁がふっくらとしている
ユキグニミツバツツジ 開いた葉が3個である
ムラサキヤシオ 葉は花より遅く開くが、数が多い
ムラサキヤシオ
ユキグニミツバツツジ