会員の山行005号

【2001年04月22日/蔵王熊野岳/吉田岳調査】

蔵王ライザスキー場(坊平)より馬の背を経て熊野岳に行くというメジャーなコースを、クロスカントリースキーで行ってみることとした。クロカンと言ってもエッジとウロコがついてあるもので、バックカントリーだのヘビーリングだのと言われるものである。メンバーは、アメリカンのクリス氏とカナディアンのパトリック、そして国籍不明の私というインターナショナルチームとなった。
スキー場はもう今シーズンの営業が終わっていた。リフトを期待していたのだが、これはこれで静かでいい。第二ゲレンデの所まで車で行くと、道沿いに数台の車が止まっている。登山者かなと思ったが、結局この山行中は誰とも会わなかった。
9時30分、日帰り用の装備をリュックに入れ、スキーを履いて出発。しかしクリスと私はすぐにスキー歩行を諦めた。やはりクロカンではこの傾斜はきつい。しかしパトリックは強引にスキーで登って行く。10時30分、最終スキーリフト降り場に到着し一服。天気は晴れから曇りになってきた。気温もあまり上がりそうもない。どうも今日はビールよりも魔法瓶を持ってきたほうが良かったようだ。エコーラインはまだ開いていないが、除雪は終わっていた(27日開通)。その左手のアオモリトドマツの疎林の中を登って行く。傾斜はあまりきつくなく、やはりクロカン歩きにはちょうどいい。お釜へのリフトや馬の背が見えてきた所でまた一服。馬の背近くや夏道のあるリフト脇は地面が出ている。そのため夏道を行かずに直登して一番奥まで繋がっていそうな雪渓を登って行くこととした。雪渓が狭くなった所でスキーを置いた。そこからは徒歩で馬の背まで歩く。馬の背からはお釜がばっちり見えた。もちろん湖は雪であったけれども。この辺りは何時も風があるが、今日は特に強いようだ。しかしせっかくなので熊野岳まで行ってみることとした。クリスとパトリックもミトンと帽子を着け体を倒しながら頑張って登ってくる。12時30分、避難小屋にとりあえず避難。中は少し入口の所に雪が入り込んではいたが、比較的綺麗に整頓されていた。昼食を食べ、13時気合を入れて小屋を出る。10分程で山頂着。面白山くらいまでは見晴らすことができたが、月山や朝日などは霞んでよく分からなかった。
暫し休んだ後、下山開始。馬の瀬を経てスキーを置いた所に到着。ここまで下がってくるともう風はない。あとはスキー滑降だけである。雪面はちょうどいい位に締まっており、なんとかクロカンでも下れそうだ。クロカンスキーは、この不安定さのスリルが魅力である。なかなかテレマークターンという訳には行かないが、踏み替えながら曲がったり、キックターンやプルークをしたりと、各自苦闘しながらも自分流に滑り降りてくる。お二人とも、このツアーをかなり気に入ってくれているようで、なかなかご満足のようである。最後は誰もいないスキー場を、緩やかなコースを選びながら滑り、14時30分、駐車場に到着した。その後は蔵王上野の温泉へ。