会員の山行007号

【早池峰山/2002年07月06日/木内茂雄調査】

コ−スタイムはガイドブック参照として感じた事、特別な事を記す。朝早く起きて東北自動車道をとばし、花巻ICで降り地図と道路標識を頼りに迷いながらも“岳”というシャトルバス発着所に着いた。此処から、自家用車は規制されていて、往復800円の券を買う。30分毎に運行しているバスに乗り河原坊で降りる。運転手が何も言わないのでまごつく人もいた。ここからは、正面コ−スと言うらしい。
道は草木の繁る川沿いを登って行く。直ぐにノビネチドリを見つける、盗掘されない事を祈る。やがて、草木の道から視界が開けてくると上部のガラ場が見渡せるようになる。途中紫のミヤマオダマキが目立ち、ミヤマヤマブキショウマも数多い(これは此処の固有種)。蕾みのシモツケソウ、タカネニガナ、マイヅルソウ、ツマトリソウ、マルバシモツケ、タニウツギ、ミヤマカラマツ、ハクサンチドリ、ヤマハタザオ、それからヨツバシオガマも有るな、と思っているうちにはやくもハヤチネウスユキソウが出現した。早々に主目的の花に出会いご機嫌、写真撮りは言うまでもない。白く小さいコバノツメクサ、黄色く小さいナンブイヌナズナ、イワベンケイ、キジムシロかミヤマキンバイ、タカネウスユキソウ、タカネヤハズハハコ等。そして、いつしか沢水も涸れガラ場になる頃、左岸斜面に咲き終わったチングルマがかなり有る。、上部では見られるだろうと歩を進める。ここの固有なのかミヤマシオガマ、磐梯山で初めてみたミヤマアズマギク、見慣れないものが有ると思えばナンブトラノオ、そして、道はガラ場から岩場の様相を呈してくる。左側の低木が有る辺りにはミヤマハンショウヅルが群生している。そして、ガラ場から岩場、それから頂上までと種々の花達が綺麗な花畑を構成している、特にナンブイヌナズナ、ミヤマアズマギク、ヨツバシオガマ、ハヤチネウスユキソウが目立つ、更にムシトリスミレが何株とかたまってあった。そんな花を眺めながら、写真を撮りながらなので頂上まで3時間かかった。ユックリでも2時間半で着くだろう。頂上近くで霧雨と風で少し濡れたが避難小屋が有り、休憩を兼ね昼食とする。小屋の広さはかなりあり、約50名は入れるだろうか?。休憩している間に雨も止んだようだ。小屋の前には一株ミヤマガラシ?が咲いていた。
帰りは小田越コ−スをとる、左の低木に混じって黄色の花が咲いていたので少し大振りだけどウコンツギとメモする。後で下の大迫町に有る山岳博物館で調べたらアラゲヒョウタンポクとあった。(この博物館で何種類か花名が判明した。)その他、小屋の近くにはチングルマ、イワカガミが咲いていた。下りは岩場で始まるが、至るところミヤマアズマギク、ナンブイヌナズナの鮮やかな黄色が特に目立つ、それからイワウメ、ツガザクラも見かけた。大体は登りコ−スの花と同じ物が点在している。帰りも写真を撮りながらなので2時間近くかかった。天気が良ければ遠望が最高だろうが...。下の小田越バス停近くの屋根は良く見えた。全体を通じて手頃な山で、ガレ場と岩場に咲くお花畑は見事だ。ハヤチネウスユキソウよりはナンブイヌナズナの細かい鮮やかな黄色が素晴らしい。

アラゲヒョウタンボク コバノツメクサ
オハナバタケ キスミレ
グンナイフウロ ナンブトラノオ
イワベンケイ タカネニガナ
タカネウスユキソウ ハヤチネウスユキソウ
ツガザクラ ナンブイヌナズナ
シシウド マイヅルソウ
マルバシモツケ ミヤマアヅマギク
ミヤマオダマキ ミヤマカラマツソウ
ミヤマキンバイ 不明
ミヤマヤマブキショウマ ムシトリスミレ
ヤマハタザオ ヨツバシオガマ
頂上にてチングルマ ミヤマハンショウヅル