会員の山行008号

【栗駒山/2002年07月07日/木内茂雄調査】

暫く飯豊の山から離れ他の山の花を見ることにする。早池峰山の帰りに一関ICで降り一路須川温泉に向かう。一本道なので迷わないが途中から舗装はされているが道は狭く、登りのヘヤピンカ−ブで緊張の連続であった。須川高原温泉に着いたが秋田県との県境の標識はあるが、登山道の標識がない。大きな駐車場が有るので取りあえず停車する。そばに居た登山客に聞いて登山口が判った。初めての人は此処が登山口とは判りにくい、大きな看板がほしい。
温泉の脇からは登山道の標識が有りハッキリしている。唯、分岐が有るので良くガイドブックを見ておかないと別のコ−スに行ってしまう。道脇には温泉の湯が湯気を上げて流れている。上を見上げると丸いなだらかな栗駒山の頂上が見え、後方遙か向こうに鳥海山らしいのが見える。そしてその右が昨日登った早池峰山だろうか?。登山道は両脇、ナナカマドや何とかカエデが多く、マイヅルソウ、ウラジロヨウラクが目についた。そして、その他ワタスゲ、イワイチョウ、イワカガミ、サラサドウダン、イワハゼ、ツルリンドウ、タカネニガナ、ネバリノギラン、マルバシモツケ、等が咲いている。それから、咲きつつあるコバイケイソウ、ミズバショウも有った。
道は間もなく硫黄臭い沢沿いを歩き、やがて少し立ち枯れの木が見える低木帯となり見晴らしが良くなる。この辺り、右にあまり綺麗とは言い難いがキンチャクスゲが小さい草原を呈している。そして、左下は沢に立ち入ると有毒ガスで危険という地帯を過ぎて緩やかに登って行くと右側に昭和湖が青乳白色の水をたたえていた。ここまで約40分休憩後、緩やかな登山道を登ること少し、白い小さな花が咲いていた。私は初めて見る花で、ヒナザクラと判明し感激した。少し群生していて何枚も写真に収めたのは言うまでもない。普段と違う山に来て良かったとつくづく感動する。それに下りコ−スでも見つけたがタテヤマリンドウみたいなリンドウも咲いていた。花に感動した余韻を残しながら稜線まで歩く事55分、ここから左折れして頂上まで25分要した。右側はガレ場の急傾斜が時々有るので注意しながらコメツガ、ミツバオウレン、オノエラン、オトギリソウ、ハクサンボウフウ等を見つける。頂上に着いて向こう側を見下ろすと駐車場が見え、そこから登って来る人もいる、栗駒町のコ−スだろう。
頂上のナナカマド、カエデの木のそばで休憩しながら、蔵王のGZKを無線で呼んでみたが出ず、変わりに飯豊/梅花皮小屋よりOTJが答えて来て驚いた、意外に電波は届くものだ。携帯電話も通じた。下りは産沼コ−スをとる。こちらは、花が少ないけれどもシロバナクモマニガナ、が目立ち、あるところにはリンドウがイワイチョウと共生していた。ハクサンチドリ、ヒメザクラ、コバイケイソウ、タニウツギ等有り、産沼には残雪少し。下に下がり湿地帯にはミツガシワ、ワタスゲ、ズダヤクシュ等が咲いていて退屈させない。そして、須川高原温泉の裏で往きにとったコ−スと合流した。ここに何にも標識が無いので登る時には判らない。

栗駒山登山口 リンドウの仲間
オノエラン キンチャクスゲ
コバイケイソウ イワカガミ
昭和湖 ワタスゲ
ヒナザクラ シロバナタカネニガナ
頂上から下を見る