会員の山行016号

【岩手山/2002年09月21日/木内茂雄調査】

タイム
  焼走り登山口6:15〜8:10見晴らし台〜9:00ツルハシ(上坊口から合流)〜10:00平笠不動避難小屋10:25〜11:10山頂12:00〜お鉢回り〜12:30焼走りへの下り口〜12:55平笠不動避難小屋〜13:25ツルハシ〜13:55見晴台〜14:55焼走り登山口
記  録
北アルプス/鹿島槍ヶ岳を計画していたが、天気予報が芳しくなかったので急遽岩手山にした。
予報通り朝から快晴で、朝焼け雲の写真と、焼走り登山口では山頂まで朝焼けした写真を撮ることができた。登山口を見落として少し先まで走ってしまった。目印は左にある道路端の“岩手山焼走り国際交流村”で、駐車場とトイレが有る。
道路を渡り直ぐに雑木林の中を歩く、左手が少し高くなっていてその先に空間が見えるので、何が有るか気になってそこに登って見る。そこは辺り一面頭大以上の溶岩がゴロゴロした不毛地帯で、噴火当時の溶岩流の凄さを物語っている。見上げると山頂が良く見える。
再び登山道に戻り、平らな道をまた1時間位歩くと、雑木林は赤松、ナラ、岳樺、ムシカリ、石楠花、ホウ、そして細いブナ?に混じり時々クロツリバナが赤い実を下げているのが目立つ。花は終わり掛けのウメバチソウが咲いていた。花びらが他の山のより少し大きいのが特徴だ。その他は枯れかけた葉で判断したがツバメオモトが多く、サラシナショウマ、トリアシショウマ、コガネギク、ヤマハハコ等を見つけた。
裾野の緩やかな登りも一時間近くで次第に急になり高度を稼ぐ、そして約二時間で灌木帯を右にそれ火山岩の有る見晴らし台に着く。見下ろすと登山口の駐車場を始め、火砕流の跡、下界一帯が見渡せ一息できる所である。
この辺りのナナカマドは色づき始めている。ここから、10分も登ると森林限界で細かい火山岩の粒の砂地を右に巻くように登る。両側にはロ−プが張られていて、上下の斜面をよく見るとコマクサが無数に点在している。
地元の人の話では此処が最高のコマクサ群生地だと言っていた。成る程、既に花は散っているが、シ−ズンは素晴らしい景観を呈するだろう。山頂まで行かなくても此処に来る価値は十分にある。斜面にはその他タデが紅葉していて、たまにコキンレイカらしい葉を見つける。この斜面を右斜め上に30分も登るとまた灌木帯に入り、“ツルハシ”に着く。右下より“上坊口”からの登山道が合流してくる。
道はダケカンバ、アオモリトドマツ、ナナカマド、を主体としてそれにミネザクラ、マルバマンサク?等を見かける樹林帯を右に巻いて登る。一時間程で“茶臼“が見えると“平笠不動避難小屋”そばに着く。向こうに小屋が有るのだが非常時以外は使用禁止ということで仮設トイレが置かれていた。それに噴火予報用のアンテナ、サイレン、赤色灯、ソ−ラ−パネルが設置されていた。
この辺りから山頂途中までに小さいがイワギキョウを数本見かけた。道はハイマツが多くなり、間もなくそれも無くなりガラ場を登るようになる。後ろを振り返り見下ろすと、茶臼の異様な岩山と小屋が見える。
ガラ場を登り切り、お鉢回りの道に出て左に向くと山頂は目の前に見える。時々、霧がわき上がってくるが天気は良く、山頂でユックリと辺りを眺めながら時を過ごす。そして、飯豊連峰/梅花皮小屋に居ると思われるJO7AXLに無線交信をしてみるがつながらないので、JN7ODDの店に携帯電話で連絡して確認したところ、扇ノ地紙をハンデ−で移動中、しかも電池が消耗気味とのことで駄目だった。
お鉢回りは一時間と説明されていたが、30分で回った。火山特有の砂地だがイワタデの紅葉がそこかしこに目立ち、イワブクロの花は終わっていたが葉をかなり見かけた。
あとは元来た道を戻り下山した。
感想として、出来るならコマクサの花の時期にもう一度来たい。

朝焼け雲 クロツリバナの実
タデの紅葉、後方岩手山々頂 ヒメニガナ
岩手山の朝焼けと溶岩 岩手山、松尾村より
岩手山の朝焼け、焼走り登山口 岩手山々頂
岩手山 東北道より 茶臼と平笠不動避難小屋
イワギキョウ