会員の山行 018号

【2002年2月19日/吾妻連峰・大沢下り/吉田岳調査、写真は飯澤徹】

 2月という本来ならば連日雪降りのはずのこの時期に,良いのか悪いのか好天気が続き,私の兼用靴は乾き切る暇がないようである。でもやはり雪質や春スキーのことを考えれば,雪が降ってくれた方が山スキーヤーにはありがたい。そんな中少しでも良い雪質を求めて,2000m級の吾妻連峰の東部を縦走する大沢コースに向かってみることにした。なおこのコースは多くのガイド本に掲載されてあるので,詳細はそちらに任せることにします。
 今回のパートナー長井市在住のIBYと、7時に「めざみの里」で合流。そこから2台で米沢へ。ラッシュアワーの米沢市街を抜け,コンビニで食料・飲物・コピーなどを済ませ,奥羽本線大沢駅に向かった。IBYご自慢のカーナビ頼りだったが,何故か2度ほど一方通行に突っ込みかけた。大沢駅に車を1台デポし,今度は天元台スキー場へ。スキー場ロープウェイは20分間隔運行で,またここでも時間を費やされた。天気は今のところ快晴。リフトからは飯豊・朝日・月山・蔵王が見渡された。リフト終着場にて、スキー登行の準備を行う。
 10時40分,出発。今朝行ったばかりのスキーのトレースが付いている。程なく梵天岩付近に若女平コースへ向かう3人組が見うけられた。樹氷は小さいが一応できている。30分後に人形石に着き、ここでシールを外して滑降を試みた。さす がに雪は軽く結構楽しめた。藤十郎を超えてからは、またシール歩き。東大巓は巻いて名月荘へ向かう。しかし照りつける日差しの中,近くに見える小屋まで意外とてこずらされた。途中でパンを頬ばって,12時40分名月荘着。持ってきたスコップで雪を掻き,中に入る。まずラーメン用のお湯を沸かし,食後のコーヒー用に鍋に雪を詰めて水づくり。その間缶ビールでささやかに喉を潤す。ラーメンはIBYが3袋私が2袋持ってきたが,2袋では足りないだろうと3袋を開けた。しかし食べ終わると「何か足りないな」と言うことになり,終わってみれば二人で5袋を平らげてしまった。そんな事をしている間に1時間が経ってしまい、ラーメンが消化されぬまま,13時50分再びスキー滑降を開始する。コース上には適当な間隔で標識があるが,地図で確認を怠れば危険である。「鯨の大斜面」は本日一番の爽快さ。しかしそれもそこまで。すぐに重雪になっていった。空は少しずつ雲が出てきたが、ガスもなく視界は夕方まで効きそうだ。あっという間に立岩まで滑り,砂盛をトラバース。あとは林道をスケーティング,時にショートカットで林内を楽しむ。途中IBYよりリスの足跡を教わった。テンやウサギも結構いるようだった。ちなみにテンの足跡は稜線でも確認された。牧場近くになると栂森からのスキー跡も加わったが,あとはそれになぞって行くしか技はない。太腿の筋肉に疲れを感じる。牧場を越え,更に林道を歩き,16時10分大沢駅に到着した。天元台で車を回収し、そして小野川温泉へと向かった。

吾妻リフト乗車の吉田君 中大嶺から人形石に向かう
背景は西吾妻山頂 名月荘
名月荘 吉田君滑降、中央左上からスタート
スピードにシャッターがついていかない、そしてこの先のフォールラインに消えていく