会員の山行 020号
【2003年07月19日/黒湯〜乳頭山〜千沼ケ原〜秋田駒ケ岳〜黒湯/木内茂雄調査】
タイム
黒湯6:10〜6:34一本松沢〜一本松沢温泉跡〜7:15森林限界〜7:28見晴台〜8:15乳頭山8:30〜9:00千沼ケ原分岐(9:40まで池塘周辺散策)〜10:10笊森山10:35〜11:35湯森山〜12:00鞍部(水場)12:08〜12:30横岳〜13:00阿弥陀池〜13:;40八合目バス停14:00〜14:40笹森山〜14:45分岐〜16:00国民休暇村
記 録
この3連休は北ア雲の平を計画していたが梅雨が明けず雨模様なので東北地方ならばいくらかは雨に会わないだろうと、目標を変えた。2,3日前のNHK東北の山ニュスで八幡平の外れで千沼ケ原の紹介があったので、まずこれを登ることにした。
第一日目を乳頭山から千沼ケ原程度にしたが結局は秋田駒ケ岳まで足をのばしてしまった。
乳頭温泉峡の黒湯から上り始める、何か電気の無いらしい温泉小屋を横目に見て沢に下り左岸を歩くが、橋桁の高い橋を渡り右岸に移る。いやに高い橋桁であったが雪解け時はかなりの水嵩になるのだろうか?。左の斜面には温泉が出ているらしい湯煙があがっている。それを見ながら歩く。常に私の目的は花なので目線の9割は花を見つけている。しかし、あるのはノリウツギとヨツバヒヨドリ、モミジカラマツ、ネバリノギラン、ショウジョウバカマ、サンカヨウ、ムシカリの平凡なもので期待に応えてくれない。
一本松沢で左岸に移り、3、4分もすると一本松沢温泉跡に着く。成る程、ブクブクしてお湯が出ている、火傷しないかと恐る恐る人差し指をいれてみる、熱くない、大体、体温程度か?。また一本松とあるが松は何処にも見かけなかった。もう一本沢を渡りあまり変化の無い樹林帯を我慢して登ると、やがて森林限界となり、霧の切れ間に秋田駒ケ岳の山頂と田沢湖が遠くに見える。この辺りまでヨツバシオガマ、タカネニガナ、シロバナクモマニガナ、イワウチワ、ミヤマトウチソウ、アザミ(チョウカイアザミみたいに大きい)、イワオトギリ、ハクサンシャジン、ハクサンボウフウ、等を見つける。
この頃、ミネウスユキソウが私の目をひきつける。そして、乳頭山に近づくにしたがって花が一つ二つと私を喜ばせ始めた。そして、ミネウスユキソウ、トウゲブキ、ウメバチソウ、マイヅルソウ、ウラジロヨウラク、バイケイソウ、クルマユリ、ミヤマアキノキリンソウ、マルバシモツケ、ヤマハハコ、ハクサンシャクナゲ等を見る様になる。
間もなく、乳頭山だがどうしてこの名前がついたのだろう?と考えながら登る。
山頂近くで霧の切れ間に秋田駒ケ岳をバックにヨツバシオガマを撮る。これはナイスショットと期待したがそれほどでは無かった。
片側が岩でスパット切れ落ちた山頂を過ぎて暫く下り振り返るとこの山の名前の由来が分かった。そして、霧の中に浮かび上がる乳頭をバックにしてトウゲブキとミネウスユキソウをアップにして絶好の写真を撮る。霧が無ければ、こういう雰囲気は出せない。
これも、間違い無いものが撮れたと期待したがそれ程でなかった。
この辺りで更に、イワカガミ、ワタスゲ、イワイチョウ、イワショウブ、チングルマ、トモエシオガマが加わった。
そして、目的の千沼ケ原を目指す。何となく左右に池塘が有るような雰囲気になってきた。
そして、標識が出た、左千沼ケ原の所に。どうも散策コースらしいのでザックを置き、カメラをぶら下げ一寸散歩する。此処までにミヤマホツツジ、ミネザクラ、ミヤマキンバイ、コメツツジ、オノエラン、キンコウカ、ミヤマリンドウ、タテヤマウツボグサ、ハクサンフウロ、ツガザクラ、ベニバナイチヤクソウ、タカネキスミレ、ハクサンチドリ、ヒナザクラ、ミズバショウ、ベニバナイチゴ、が追加された。
さて、沼周辺は霧で遠望はきかない、晴れているのも良いが、霧の中に池塘が点在して少し向こうにはアオモリトドマツが霧にシルエットを見せ、湿原の雰囲気をかもし出していてオツなものだ。木道の歩道で整備されていて霧の彼方に延々と続いている。この先何処まで続くか分からないので、数分して戻る。
それから、笊森山を目指していくと途中、残雪が有り、ミズバショウが咲いていた。その雪をビニ−ル袋に取りビ−ルを冷やして歩く。(それを、どこかのピ−クで飲んだ時の感激....!)その後、湯森山、横岳とピ−クが有ったが急な上り下りでなく、鼻歌混じりの稜線漫歩でとても楽しい山である。特に登山道は丁寧に草刈りがされていて、場所によっては見事なヨツバシオガマ街道を呈している。全体としては、笹、ハイマツ、ミネカエデの低木帯に純白と薄ピンクのハクサンシャクナゲがそこかしこに点在して目を楽しませてくれるし、トウゲブキが目立つ山である。
そして、その他ミヤマキンバイ、キイチゴ、コバイケイソウ、チングルマ、ヤマトキソウ、ハクサンチドリ、ウサギギク、ミヤマハンショウヅル、ミツガシワ、ゴゼンタチバナ、ミヤマコウゾリナ、トリアシショウマ、アカモノ、そしてヒナザクラの群生があってとても良い山である。
横岳の登りになると火山らしい砂地になりミヤマハンショウヅルを見かける。山頂周りはロ−プで区画整理されていてやたらに踏み込めない。遠くにコマクサが少し見えるが、私のカメラでは届かない。そしてミヤマダイコンソウに混ざってピンクの花が見えるが近づけない。登山客に聞いてみると、エゾツツジと言われた。私は生まれて初めて見る花で今回の大きな収穫となった。この辺りから駒ヶ岳方面を見ると人がゾロゾロと続いているのがハッキリ判る。そして、阿弥陀池に降り人混みを避けながら池の縁を歩いて行くと今覚えたばかりのエゾツツジが咲いていた。その他、エゾシオガマ、タカネスミレ、が咲いていた。この後行き交う人をよけながら八合目バス停に下る。目立ったのはニッコウキスゲであった。
バス停から下山客を横目で見て、笹森山を登ると斜面一面にニッコウキスゲが咲いていて、山頂近くにはチングルマが群生していた。山頂は行き止まりになっていて湯森山の方に少し下り、分岐があるので左、乳頭温泉を目指して下る。傾斜は緩やかだが、ブナ林に入ってからもダラダラと長く飽きてしまった。唯、収穫は立派なショウキランを撮ることができた。降り口は休暇村でここから黒湯まで登るのかと思いながら暫し歩くと幸いにして車に乗せてもらったので大助かりだった。
地塘と花(千沼ケ原) |
ワタスゲ |
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ヨツバヒヨドリソウ |
アザミ? |
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イワオトギリ |
イワカガミ |
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イワショウブ |
ウサギキク |
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ウメバチソウ |
エゾツツジ |
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オノエラン |
お花畑と秋田駒ケ岳 |
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カラマツソウ |
チングルマ |
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クルマユリ |
ショウキラン |
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ジバウケイソウと乳頭山 |
コメツツジ |
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ヒナザクラ |
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タテヤマウツボグサ |
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トウイゲブキ |
バイケイソウ |
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トウゲブキと乳頭山 |
トリアシショウマ |
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ニッコウキスゲと地塘 |
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トウゲブキと秋田駒ケ岳 |
ハクサンシャクナゲ |
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ハクサンシャクナゲ(薄ピンク) |
ベニバナイチゴ |
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ハクサンチドリ |
ハクサンフウロ |
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ハクサンボウフウ |
ヒメニガナ |
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ハクサンシャジン |
ベニバナイチヤクソウ |
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マルバシモツケ |
ミネウスユキソウ |
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ミネウスユキソウと乳頭山 |
ミヤマオダマキ |
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ミヤマコウゾリナ |
ミヤマダイコンソウとエゾツツジ |
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ミヤマハンショウヅル |
ミヤマリンドウ |
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ムシトリスミレ |
モミジカラマツ |
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ヤマトキソウ |
ヨツバシオガマ |
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