会員の山行 022号

【2003年07月21日/焼石岳/木内茂雄調査】

タイム
中沼コ−ス登山口6:23〜6:55中沼〜8:06銀明水小屋8:35〜9:40姥石平〜10:03山頂10:30〜11:33銀明水11:40〜12:55登山口
記 録
三日目の予定は宮城県の不忘山にしていたが、相変わらず梅雨前線が停滞していて雨模様なので、成る可く西に近寄らず、また帰り道の途中はと選んだのがこの山だ。花の百名山にも載っているようなので期待した。
水沢ICを降り、一路山を目指す、地図を頼りに尿前渓谷へと入る。道は途端に悪くなり、見通しの悪いすれ違いに苦労するデコボコ道で、よくこんな奥地に登山口が有る物だと感心しながらカ−ブを切る。途中で5台のタクシ−とすれ違う、こんな雨の日に物好きがいるものだと思いながら車道終点になる。
既に、車が10台近く止まっていて、雨具を着て準備しているグル−プもいた。隅の方にトイレの建物が有ったのでそこで、雨具の下を着て、上は暑いので傘をさして歩く。直ぐ木道を歩くようになり、脇には沢水が流れている。木道が無くなると泥んこ道で直ぐに靴が汚れる。山道の感じは殆どが水量豊富な沢沿いを歩く。こんなに水量が有ると言うことは、標高が高いのでなく、山が深いのだろうかと、考えて先に進む。中沼につくとヒオウギアヤメが雨に濡れて沼の雰囲気を盛り立てている。この頃、傘は不要となっていた。
そして銀明水小屋までの間の花はまずでかいミズバショウの葉と、リュウキンカ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ、モミジカラマツ、ズダヤクシュ、ウラジロヨウラク、シモツケソウ、トウゲブキ、ミヤマトウチソウ、タニウツギ、ムラサキヤシオツツジ、ヤグルマソウ、ショジョウバカマ、ノウゴウイチゴ、イワイチョウ、等が咲いていた。
小屋の前の登りにはまだ残雪が有り、100メ−タ−くらい雪の上を歩く。土の付いた踏み跡が無いと一寸考えるがほぼ直登で夏道に出る。暫く行くとまた残雪が有り、雪融けを追いかける様にして水芭蕉が咲いている。
やがて、低木帯になってくると傾斜がゆるやかになり、ハクサンシャクナゲが有り向こうにハクサンイチゲが見えたかと思うと、お花畑が出現してきた。私が来るのを待っていたかの如く、霧が切れて、焼石岳が姿を見せてくれた。
咲いていた花は、チングルマ、ミネウスユキソウ、ミヤマダイコンソウ、エゾシオガマ、クルマユリ、ミヤマリンドウ、イワベンケイ、オオバキスミレ、アザミ、ハクサンフウロ、そして、終わったネバリノギラン、ミネザクラなどでまだ見落としているのがかもしれない。
山頂手前まで途中、泉水沼を右に眺めながらこれらの花を楽しんで歩ける。そして最後15分の登りで山頂に着く。名前が焼石なので砂礫の岩山かと想像してきたがさにあらず、大体が草山でトウゲブキが多かったのとハクサンフウロが印象的であった。
山頂から無線で、飯豊/梅花皮小屋のOTJを呼んでみた。感度良く直ぐに出てきた。新潟地方は大雨注意報とか、他の話をした。
帰りは今来た道を引き返した。登山口に戻ると駐車場は車で一杯であったのには驚く、雨など気にせず、花の百名山を目指して来るのだろう。
今回三つの山に登って感じたことは、どの山も味わいが有ってとても良いものだ、その山特有と言うか、固有と言うか未知のものへの出会いが嬉しい。
オオバキスミレ クルンマユリ
ハクサンシャクナゲ チングルマ
ヒオウギアヤメ
ハクサンフウロ ミズバショウ
リュウキンカ
ミヤマシシウド 焼石岳