会員の山行 026号

【2003年09月15日/西吾妻山/木内茂雄調査】

タイム
白布湯本駅7:22〜7:46新高湯温泉〜8:22天元台〜9:04第2リフト9:04〜9:48第3リフト10:03〜10:37人形石10:40〜10:55リフトへの分岐〜11:07大凹の泉〜11:43梵天岩〜12:04西吾妻山頂〜12:13西吾妻小屋13:13〜14:29水芭蕉〜14:39若女平14:51〜15:22天元台の建物見える〜15:30若女平登山口〜15:45若女平国道登山口
記 録
ゴンドラ発着点下の駐車場に着いた時は雨足が大分強かった、しかし、天気予報を信じ雨具はズボンだけはき、あとは傘をさして歩き出す。
新高湯まで急斜面の車道を登る。車では4輪駆動で2.3度来たが、歩くのは初めてでかなり急だと実感する。一部舗装もされているので2輪駆動でも上がれるだろうか。
20分程で新高湯温泉に着く、以前と比べ増改築をしたようで、少し近代的になってしまい、秘湯の風情はうすれたようだ。
此処で車道は終わり完全に山道となり、誰一人いない静かな登山を楽しめる。道は灌木帯の中で刈り払いされているが、如何にも昔の山道という感じで、足元の石は苔むしていて本当の登山道の風情がある。花はキンミズヒキを見つける。
後ろを振り返ると白布温泉の上空の雲が切れそうだ。
白布には白猿がいて有名なので、この登りで会えればと期待していたが全く気配が無かった。
40分の登りを楽しんで天元台に着いた。あとはスキ−場のゲレンデを登って行く平凡な登りである。第2リフト終点に着いた頃、又雨が降ってきたので雨具の上下を着る。そして、第3リフトの登りは結構長く手応えがあった。頭の上をリフトに乗っていくハイカ−を見るが羨ましいとは思わない、此処まで乗り物で来たのでは単なるピクニックになってしまう。歩いて登る事こそ登山の価値が十分に高まるものだ。但し、夏場の晴れている時は太陽に照らされてひどいと思う。後で思ったことだがこのコ−スは下りに使い、登りは若女平コ−スを取った方が暑さを避けられて良いと思う。花はオトギリソウ、ハリブキ、ヤマハハコ、ネバリノギラン、の面影を見つける程度で何もない。
第3リフト終点に着く頃雨は又止んだ。腹ごしらえをして歩き出す。直ぐに分岐が有り、右、かもしか展望台、左、人形石と標識有り後者をとる。
シラビソの樹林帯の中を急な登りも無く、ゴゼンタチバナ、シャクナゲの葉を見ながらダラダラと進むと、やがて石がゴロゴロした森林限界に出た。霧で視界が20mくらいなので遠くが見えないが晴れていれば見晴らしの良い所だろう。大きな標識に人形石標高1960mとあり、その向こうに登山道が有るが廃道らしい、そして、少し後ろに戻るようにして(今来た道からみて右折れ)西吾妻山に向かう。晴れていれば何のことも無いのだがウロウロした。15分も行くと、かもしか展望台から来ている道の分岐点に着く。そこを左に曲がり下って行く、道は木道で辺りは湿原の様相を呈してくる。チングルマ群生が続いている、シ−ズンは見事なお花畑だろう。そして、イワイチョウ、オトギリソウ、ツガザクラかコケモモ、の葉も見つける。木道より離れた所に白く見えるのはウメバチソウらしい。兎に角、花の時期は良き眺めと思われる。
途中、左から廃道が合流してきていた。下り切った所、右から水が流れ落ちていて大凹の泉と標識有り水場になっている。此処から梵天岩まで登りとなる。10分も登った所で、もう雨は降りそうもないので雨具を脱ぐ。そして、後ろを振り返り見下ろすと、木道が続いていて、その脇に池塘が点在しているのが見える。その先は霧で見えないが晴れていればどんな景色だろう。
梵天岩は岩がゴロゴロした平な所で右向こうに吾妻神社が有り、その先は西吾妻小屋へと続いている。左に真っ直ぐは西吾妻山頂で、それを行くと少し下りになる。此処に来た時丁度、霧が晴れ目と鼻の先に西吾妻山頂が見えた。下って登って行く何人かの人達が見え、シラビソの林と少し紅葉した木々の中にアクセントをつけてくれている。
極端な登りもなく山頂という標識に着く、シラビソの林の中で頂上という感じがしないし、見晴らしもきかないなんの変哲もないところだ。直ぐに小屋へとむかう、間もなく小屋が見え、周囲は湿原の感じで紅葉が始まっている、道は木道になりそれを歩いて到着する。
小屋に入ってユックリと休憩する。窓越しに見える紅葉を酒(ジュ−ス)の肴にして、飲む物を全て飲む、後は下りのみである。
小屋を出て、木道を少し吾妻神社の方に向かうと数分で左、若女平の分岐となるこれを下って行くと、間もなく木道は終わり、登山道らしい山道となる。今朝降った雨が少し川を成している。
15分も下って行くと、もう車のエンジン音が聞こえて来る。30分もすると左に沢音がして、水場になっているが常時出ているのか判らない。当分オオシラビソの樹林帯を下って行くが、オヤマリンドウの花が終わりがけであとはゴゼンタチバナの赤い実とハリブキの棘の茎くらいである。
1時間15分も下ると登山道は水気が多くなり水芭蕉の大きな葉を多く見つける。この頃道路標識は50分の24となっていた。そして、暫く歩くと平になり若女平となった。この辺りシラタマノキが目立ち、白い実の写真を撮る。ウメバチソウが一輪咲いていた。
暫く下ると見事な岳樺の林である。今まで見た物より背は高いし、規模も大きい、写真を撮りながら感動する。今回も収穫があったと喜びながら降りていくと、やがてブナが混ざり、ナラが混ざり、赤松が少し混ざる頃、左右が切れ落ちた尾根となる。この頃、向こうに天元台のゴンドラ終点の建物が見える。そして、左に杉の植林帯を見ながら下って行くと登山口に着いた。
おまけが有った、国道に出てからザックを置いてゴンドラ発着点まで車をとり向かう。アスファルトの急な道を疲れた足で登り直したが、車に近づいてキ−をザックにしまってあったのを思い出した。これはきいた、引き返して来て今度は急斜面の林の崖をダイレクトに登り上に回り込んでいる道に出て、車を持って来たことだ。
腰掛けブナ アオモリトドマツの実
シラタマノキ 岳樺林
紅葉の始まり、西吾妻小屋付近 西吾妻小屋
梵天岩のぼりにて登山道を振り返る 小屋の中より紅葉を見る
西吾妻山梵天岩下りにて 新高湯温泉