会員の山行 028号

【2003年11月15日/権現岳〜鉾ケ岳(新潟県能生町)/木内茂雄】

タイム 
 柵口(マセグチ)登山口7:21〜7:30水場〜7:49ここで一休み標識〜8:08ワラジぬぎ場(標高660m)〜8:30杉の木〜8:40胎内洞8:47〜9:00天狗屋敷〜9:15白山奥社(白山権現)〜9:44権現岳10:30〜11:18バンザイ岩下部とノゾカズの窓〜11:30トッケ峰11:40〜12:20鉾ケ岳12:37〜13:36登山道半分地点〜13:52最初の沢〜14:13三重の滝〜14:25最初の水路〜4:33二度目の水路〜2:45島道鉱泉下り口〜14:56島道鉱泉

記 録
 北陸道の能生ICを降り、料金所を出て、右に行くのだが朝飯と食料を買ううため左に曲がり数分でコンビニに着く。目的物を調達し、そして山の方へと方向を変える。
やがて、右側に急激に立ち上がっている山即ち権現岳が見えると柵口集落である。この頃前方に雪の付いた火打岳が見えてきたのには驚いた。それから、この集落をマセグチとはとても読めないと思いながら右側の登山道に入る。“万年雪”と“登山道“が一緒に書かれた少し文字の薄れた看板を見ながら集落を登って行ったが、途中で分かれて居るのを知らずに万年雪の方に行って迷ってしまった。少し戻り、地元の人がいたので聞いて軌道修正をした。
登山口は車3,4台しか停められない広場であとは道路脇に停めるしかない。シ−ズンにどれくらいの登山客が来るか判らないが朝早く来ないと駐車に苦労すること間違い無し。
登山道は最初から急登で、右下の湯沢川を見下ろし、その向こうの岸壁からは白滝が流れ落ちているのを眺めながら登る。木の葉がおちて居るので良くみえるのだろう。
足下にはやけにネバリノギランが多いのと、イワカガミの葉が馬鹿に大きくみえる、そしてカンアオイの葉みたいのが目立つ。そしてイワウチワも時折見かける様になる。
そして、後ろを振り返り見下ろすと柵口集落と、今来た登山口のトンガリ帽子の作業小屋が良く見える。
権現岳まで斜度はきつく岩場多いため、針金、ロ−プがフィックスされているが、それらを使わず登る。岩場の経験無い人は慎重に登らなければならない、特に此処を下りに選ぶ場合は要注意としたい。全体に痩せ尾根で左側は雪に削られ樹木は少なく、右側の方が多いが何れも急斜面である。
随所に標識有り退屈しない、ワラジぬぎ場あたりブナ、大きな山桜、リョウブ等有り、そしてシャクナゲも多くなる。唯、花芽が少ないので来年はどのくらい咲くのだろうか。
途中、大きな杉の木が有り5分も登ると胎内洞に着く、案内に25m位とあるが中に入ると大きな岩の間を登る感じで、懐中電灯を取り出したが、上部に所々隙間が有り光りが差し込んできているので歩くのには差し支えない。唯、狭い場所が有り大きいザックだと引っかかるのでスリムな荷物が良い。此処を抜けシャクナゲの木を見ながら登ると天狗屋敷と記された祠に着く、此処で更に高度感が増し見晴らす景色に迫力が出る。此処から傾斜は少し緩やかになり、白山奥社につく頃、杉の木と檜らしい木の緑が岩場に映え自然の風景を醸しだしてくれる。そして此処から左側下の山肌を見下ろすと雪に磨かれた岩肌がツルツルと光って見え、冬の雪の多さを想像させる。
心配した天気も良く、中腹まで雪付いた妙高を見たり、写真を撮ったりノンビリと登り権現岳着となる。周囲はシャクナゲ、ツゲ、雑木で一杯であるが見晴らし良い。
頂上には避雷針とソ−ラ−パネルが3枚取り付けられていて、足下には円盤状の案内板が有り360度のパノラマの説明がされている。羅列すると何と富士山、その手前に頸城三山(妙高,火打、焼山)、雨飾は見えず、その右海谷山塊、その後北ア(雲があり見えたのは唐松岳、白馬三山、朝日岳)、その右糸魚川方面と日本海、海岸線をさらに右に能生町、佐渡は見えず、更に右遠く米山、その右遠く台形状に見えるのが苗場、手前毛無山、その右遠く浅間山は見えず、そして、妙高と素晴らしい展望である。
寒いと思って来たが全くのポカポカ陽気の山頂で景色に満喫して、米と麦の泡にも満喫してからトッケ峰を目指す。
登山道は稜線歩きで時折、シャクナゲの枝を避けながら歩く。稜線歩きを楽しみ、やがてバンザイ岩の下部に着く、岩の上でバンザイするのも一興と、一寸登って見る。大きな浮き石が有り確認しながら登らないと石と一緒に谷底に落ちてしまう、あまりお勧め出来ない。
岩のテッペンでバンザイをした姿を写真に撮ってもらう。足下に一株花が終わろうとしていた、こんな所に何の花かと見たがピンクに近い色でナデシコにも思えるが判別しかねる。
そして“のぞかずの窓から”左の谷底を除くが見事に切れ落ちている。
灌木混じりの登山道を進むと、やがて平らなトッケ峰に着く、1m以上の笹竹と雑木のピ−クだが妙高、火打、が見え、辺りに葉が落ちているので焼山も見える。日本海も見晴らしがきく、勿論、鉾ケ岳も見える、日陰には何時降ったのか雪が残っている。
此処から一旦、鉾ケ岳を見ながら雑木帯の落ち葉を踏みながら下って行く、足下にはナナカマドの実が落ちているのと、相変わらず、イワカガミ、イワウチワ、ネバリノギラン、ツルアリドウシ、が交互して生えている。
2回目の鞍部にミズバショウの標識有りそこに来年の芽が数株あった。ここから、また単純な登りを続けると鉾ケ岳に着く。山頂には数人入れる避難小屋があり、辺りには雑木と笹竹のピ−クだが360度見晴らし良く、権現岳とは又違った素晴らしさである。山々、と日本海を改めて見直し、そして、島道鉱泉へと下る。途中、特徴ある金冠山を眺めながら、これを通らず、分岐を左に選ぶ。急傾斜の下りで、登山道は落ち葉で隠れて居るため油断すると転がり落ちる。変化の無い単純な下りで興味が薄れる頃、登山道二分の一地点に着く、此処から暫く行くと急坂も少しなだらかになる。やがて、沢音が聞こえてきて最初の沢を渡り、金冠山下の岩壁を右に巻いて行く感じだ。もう一つ沢を渡り、更に下って行くと右側に三段の大きな滝が見えてきた。“三重の滝”と標識の有る所で暫しこれを眺める。右隣に水量は少ないが滝がある。
その先又沢を渡り、少し登ると水路の平な蓋の上に立つ、これからは平で楽だなと思って進むと50m位で水路は無くなり右の尾根を登りながら巻く様にしてから又下って行く。もう一度水路の上に立ち平に歩ける様になり、後ろを振り返ると、上部の岩壁から人文字の様な滝が流れている。その先、右すぐそばから又滝が流れ落ちている。上を見上げるとまだナナカマドの実が枝に付いて居た。その先、右より金冠山からの道が合流して来る。
そして、やがて水路から分かれ左に島道鉱泉へと下る。
10分で鉱泉に着く。鉱泉では、おばあさんが野沢菜を洗っていた、世間話をしながら歴史が80年もあり、鉱泉であるが天然ガスが出るので常時お湯が使えるとのこと。そして毎朝キツツキが来て戸袋に穴を開けること、冬は雪に埋まり下の集落まで歩いて行く等、聞きながらタクシ−を頼む。着替えがあるなら、鉱泉に入りたかったと思いつつ帰路につく。

白滝 天狗屋敷の祠
白山宮付近のブナ林 白山宮
雪に磨かれた岩肌 白山宮より登山口を見下ろす
妙高、火打、焼山-権現岳にて 権現頂上より能生町を見る
遠く米山を望む-権現頂上にて 火打、焼山を望む-権現頂上にて
トッケ峰-権現より トッケ峰を望む-権現頂上より
10
胎内洞 鉾ケ岳と金冠山-権現頂上より
鉾ケ岳を望む-権現頂上より バンザイ岩
バンザイ岩にて のぞかずの窓
はさみ岩 トッケ峰の標識
17 18
新雪-トッケ峰にて ミズバショウの標識と向こうに来年の芽
鉾ケ岳の避難小屋 火打-鉾ケ岳にて
北ア唐松、白馬-鉾ケ岳にて 鉾ケ岳下りの標識
権現岳-鉾ケ岳下りにて 頚城三山-鉾ケ岳頂上にて
金冠山-鉾ケ岳下りにて
トッケ峰とバンザイ岩を望む-鉾ケ岳下りにて
紅葉の林 三重滝
人文字滝 ナナカマド滝
島道鉱泉の標識 島道鉱泉のモミジ
キツツキに開けられた島道鉱泉の戸袋 島道鉱泉