会員の山行 029号

【2004年02月13日/吾妻連峰・若女平コース/吉田岳】

 予想通りの快晴の下、米沢市天元台スキー場へ車で向かう。スキー場駐車場に車を止め、切符売り場で計画書を提出する。ゴンドラとリフト3回を乗り継ぎ終点に到着した。早くも素晴らしい展望が開け,米沢盆地の両奥手に蔵王・朝日連峰が輝く。行動食を摂りシールを付けて、10時40分出発。先客のスキートレースが付いていたが、大沢コースへ向かうのか東寄りだったため、自分のコースを進んだ。ラッセルと言って良いほどの新雪が積もり、早くもペースが落ちた。樹氷は見事な出来映えで、巨大なモンスターが立ち並んでいる。中大巓を巻き、30分程で稜線に出た。ここでスノーシューのトレースと合流。相変わらずの快晴で視界が効き、ここぞとばかりに地形を目に焼きつけておく。地形的特徴に乏しい吾妻連峰は、迷い易くガスる日も多いためである。樹氷は人間の背丈ほどの小ぶりになり,雪面にぽつぽつと生えているその景色からお釈迦様の頭の上を歩いている気持ちになった。
 11時40分、天狗岩に到着。スキー場からスノーシューで歩いて写真を撮りに来たと言う人と出会い、一緒に休憩を取った。今日は天気・風・温度・樹氷・雪質どれをとっても最高である。西吾妻山・西吾妻小屋が目の前に見える。雪の状態が良いため、ここでシールを外した。滑り降りるコースを確認し、12時滑降を開始する。と言っても出だしは綏斜面のためビンディングはまだ固定せず、えぐられた風紋や混んだ樹氷を避けながらのコース選びのため、なかなかスキーにならない。我慢しながら滑っているうちに、だんだんと調子が上がりそして快適な斜面になってきた。標識は右手の尾根の方に付けてあるが、それから離れない程度に沢筋にコースを取る。時々小休止を取って足の筋肉の回復を待つ。
 ダケカンバが多くなり傾斜も緩くなると、そこは若女平である。その先はまた急斜面になり、そしてこのコース一番の難所の痩せ尾根が現れた。右手には雪庇が大きく張り出している。しかし雪質が良いため今回は難なくクリアーできた。自信の無い人はスキーを外して壺足で歩けば問題はない。その下のやや混んだ松林は右肩を滑り、そして杉の造林地上部に出るとスカイバレーが見えてきた。終点はもうすぐである。しかしさすがに雪質は悪化し、重い湿雪が固まった状態になってきた。ここで無理をすると足をひねったりする危険性があるため、滑り方を変えて急斜面を下って行った。杉林を抜け林道に出、あとはトレースを辿って下山口に到着。13時25分、行動終了。
中台巓手前の巨大な樹氷 西吾妻山方向
稜線上の小さな樹氷帯 天狗岩にて
ツアーコース1800m辺りの様子 痩せ尾根地点